ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

百島恋綴り 其の10。

2018年09月06日 | 百島恋綴り

百島は、長閑だけど、どこか喧しい。

台風、地震・・・自然災害続きの日本列島。

百島は、優しく、どこか心強い。

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私が小学生の頃、高校生だった駐在所のお姉さんが百島のどこかの山に連れて行ってくれた。

麦畑の畝の間を歩くとむっとする暑さで「草いきれ」というんだよと教えてもらった。(今は麦畑はないと思う)

真っ赤な実を木からとって「ビービー食べてみぃ、美味しいで」とくれた。(ぐみの実かもしれない)

そのお姉さんは大人になって、不思議なご縁で大阪の叔父に嫁いだ。

叔父夫婦は大阪から福山に、そして再び百島の福田に居を構えている。

人の出会いとは不思議なものです。

叔母は私より10歳年上ですが、島では若い方に入るのでいろんなお役目を引き受けており、いつも忙しそうにして居ます。

福田桟橋に近いせいか、人の出入りも多く、隣の古家を改造して人々が自由に使える休息の場所として、また島に来た人の宿舎として活用して居ます。

最近その叔父が歳のせいで車の運転が危険になったため叔母の負担が増すばかり。

でも大声で立ち話しながら周囲に奉仕する姿は、移住者には参考になると思うのです。

付け加えると、百島では、日常的に島内アナウンスが流れる。

船の欠航や農協の売り出しなど生活に密着した情報だ。

初めて聞いた時は唐突に大音量で流れる「瀬戸の花嫁」に驚き、母に「いったい何が始まるの?」と聞いた。

時代に沿って曲も変化したが相変わらずのんびりした口調で放送が流れている。

しかし、雨だったり、扉を締め切っていたら聞こえないことが多い。

もし防災情報だったらもっと大音量でも良い気がした。

いざと言う日は、思いがけずやって来る。

(作; 矢島真砂子 )


プロフェッショナル。

2018年09月06日 | 千伝。

池の中を泳ぐ鯉を眺めていました。

あの作家ならば、どのように映るのかな?

あの漁師ならば、何を思うのかな?

鯉・・・カープだね!

広島カープの新井選手も引退宣言・・・打率、打点、本塁打のノルマが負担に感じる時が、体力、精神力の限界、引退の時なのでしょうか?

あの山本さんならば、どう言うのかな?

広島カープの山本浩二さんではないよ。

「実にいい趣味をお持ちだ。いい鯉だ」とでも言うのかな?

先日のNHKテレビの「プロフェッショナル 仕事の流儀」

主人公は、広島の信用組合理事長 山本明弘さん。

・・・よかった!

金融マンに限らず、営業マンには、月々の売り上げノルマというものがあります。

新人社員に、いきなり月1000万円の売り上げを課しても、それは無理でしょう。

それでも、その新入社員は、確実に売り上げを伸ばして支店長の椅子まで出世階段を上がっていきます。

「苦しい人生は、上り坂」

そして、支店長として、売り上げ目標を月1億円として、部下10人の営業マンに各自1000万円のノルマを課し目標を達成します。

支店の売り上げ目標も年12億円・・・支店長の月給与100万円、そして、年収1200万円。

毎年毎年、ノルマ以上に達成して、どんどんと年収もアップして2000万円へ、さらに、取締役の椅子も見えてきました。

「自分は、優秀な営業マンでもあり、見事な管理職だ」という自覚も深まります。

それから、何年か経ち、取締役となり、企業の経営側の人間となりました。

企業としての売り上げ目標が、重大な指針となります。

・・・ある日、ふと想う出来事がありました。

ある知人から「お金持ちが羨ましい」と言われて、つい、「じゃぁ、変わりましょうか?」という返答をしてしまいます。

そして、物思いに沈みました。

「私には他人様も羨むばかりの年収もあるけど、自分のノルマの目標金額から考えると微々たるもの。まるで私は誰かの借金を返すために働いているようなものではないのか?」

銀行員だった作家カフカの「変身」の影響を受けたわけでもないでしょうが、その「私」は、金融マンを辞めて、かつて自分の夢だった作家という職業を目指しました。

書いて、書いて・・・一応世間にも名の通った作家になりました。

そして、老いても尚、名を残すために「もっと書く」というノルマを課しました。

「老人と海」の作家のヘミングウェイは自ら命を落とし、モデルとなった老漁師は百寿を越えて長生きしたように、人生のノルマは不可解です。

ノルマが借金という有利子負債となっては、ハードバンクな損な正義となります。

仕事の流儀・・・プロフェッショナルとは、全ての仕事に峠あり。


百島恋綴り 其の9。

2018年09月05日 | 百島恋綴り

五右衛門風呂・・・懐かしいなぁ。

やもりは、虫を食ってくれるから家守。

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大阪生まれの私が生まれて初めて五右衛門風呂に入ったのは、九州に転居した時のことだった。

不安定で熱くてヤモリがいてとっても怖かった。

最後に入ったのは百島だった。

高校生の頃、友人と島に遊びにいって福田の親戚のお婆さんの家で入れてもらった。

うちの別荘のお風呂は都会と全く変わらない。

便利だが味気ない。

でもヤモリはいっぱい来る。

どのヤモリも「まもるくん」と呼んで可愛がっている。

たまに家の中に入って来て人がいることに面食らっているから、きっと夏しか来ないあるじを知らずに育ったんだね。

留守中の家は、雨戸を閉めて暗く、物音一つしないから、まもる君たちの天国だろう。

一年ぶりに掃除に行くと彼らの排泄物がサッシの周囲に張り付いている。

初めてそれを診た時「家に小鳥が入って来た」と思った。

自然の仲間と仲良くするといろんなことを教えてくれる。

特に子供は目を輝かせて神様の不思議な技に接して感動と共に記憶する。

私がそうだったから我が子にも〜我が子もその感動を共有したから孫たちにも感動の輪が伝播する。

(作; 矢島真砂子)


空元気。

2018年09月05日 | 千伝。

台風21号一過。

昨日の台風21号の暴風は、凄まじく、唖然としました。

暴風圏に入った頃、5階の窓から外を眺めていると、何軒もの屋根(トタン板)が捲れて、次々と遠くへ飛ばされて消えていました。

風速が40メートル前後になると、看板やらのトタン系は巻き上がって簡単に飛ばされていくようでした。

多分、台風の速度が速かったせいでしょう・・・今回、案外と大丈夫だったのは、瓦屋根。

自然の脅威、災害は、いとも簡単に、人間の生活の営みを壊し、命さえも奪います。

今朝、見上げた青空。

先日の台風20号のせいで、業者さんが来るまでの応急措置した部分が、また飛ばされてしまいました。

今回は、窓もガタガタ。

人生も、自然も、不条理です。

強者に対して、人間は、いかに無力であるか分かります。

どんなに打ちのめされても、踏ん張らないとね。

さて、また応急措置に励みます。

敗北感は、ありません。

その分別は、空元気です。


ああ江田島

2018年09月05日 | 空木宝剣

中秋の 長夜を渡る 真如月

潮の満ち引き、生命の誕生から終焉、呼吸までもが、月の満ち欠け。
親は、子の防波堤。

親という防波堤を失うと、子が孫の防波堤となる順送り。
諸行無常の世の中なれど、さよならだけの人生を補い救う魔法の言葉は、ありがとう。
坂本一仁氏、65歳の生涯。

合掌   


老人と海。

2018年09月02日 | 千伝。

今朝は大雨のため、早朝のJRの列車が運休。

午前10時以降からJR列車の運行が再開とのことで、大阪まで行く家内を福井駅まで見送りに行きました。

駅構内へ入ると、列車待ちの多勢の利用客が右往左往していました。

老若男女・・・動いているんだ!

ところで、今年の日本テレビの「24時間テレビ41 愛は地球を救う」

・・・41回目なんだ!

41年前の事を、はっきり憶えています。

もともと、この番組は、その数年前から萩本欽一さんのラジオ番組で募金を始めて余りに大きな反響があったので、テレビ番組になったもの。

今年も募金総額2億円程集めたとのこと、第1回からの今回まで、毎年ずっと同額程度の募金2億円か3億円が集まったと思います。

ほぼ40年間、日本中から集まる募金が、2億円か3億円と、相変わらず同額程度で推移しているのが、凄いのか? 変なのか?

「お金が地球を救う」ならば、それはそれで、好いね!

そう、南海トラフという大地震、大津波が、日本を襲うという国難が、迫っているとのこと。

その時、日本は、世界の最貧国になり得るという覚悟も必要だとのこと。

その時こそは、「愛は、地球を救う」

振り返ると、子供の頃、日本が豊かで先進国という感覚も自覚も無かったです。

小学校で習ったアメリカ人の生活は、週末に大きなスーパーに車で1週間分の買い物に行き、大きな冷蔵庫に保管するという生活スタイルが、とても豊かに思えたものです。

当時、外国と言えば、アメリカ・・・その基準で見ているから、どこの外国人(とくに白人)も、日本人よりも豊かな生活を送っていると想像していたものです。

今思えば、小学生の頃に、自宅の中には、洗濯機が入り、冷蔵庫が入り、カラーテレビになり、電気掃除機が入り、電話が固定されました。

昭和40年代、物心が、自覚として、はっきりと大きくなるにつれて、電化製品が身の周りに当たり前のように有って、テレビのニュースで見るベトナム戦争の中、裸で走りまわる子供たち、アフリカの飢餓で苦しむ子供たち。

中学生になると、いつのまにか、我々日本人は、世界の中で、発達途上国から中流国、先進国になりつつあるのでは?・・・という自覚が芽生えたのもの。

あれから、50年。

間違いなく、世界の中で、日本は、豊かな国のひとつになりました。

最近、定年後の日本人の高齢者から、よく聞く言葉があります。

「健康を極めたい」

「百歳まで生きたい」

「ピンピンコロリと寿命を全うしたい」

今日一日が人生の余り物として「一日という時間を頂いた」という感覚しかない僕としては、目を見張るものがあります。

いいえ、耳を疑うのかも?

確かに、この頃の日本の高齢者世代の「健康」に対する執着心には感心します。

ジョッギング、ランニング、腕立て、腹筋、ストレッチは勿論の事、逆立ち、バク転まで挑戦する高齢者もいます。

作家ヘーミングウェイの短編小説「老人と海」を読み返していました。

若い頃、この作品の好さが、巧く理解出来ませんでした。

小説最後の一節「老人は、ライオンの夢を見ていた」

今、読み返すと・・・素晴らしいの一言。

モデルとなった老人(キューバの漁師)は、104歳まで生きたとのことです。


梨食べて、桃も、柿も。

2018年09月01日 | 百伝。

今日から、九月です。

福井地方は、雨。

先日の台風で壊れた我が家のベランダの屋根・・・応急措置として僕が修理したものの、やはり素人作業でした。

雨漏りは、ひどいものです!

・・・業者に頼む事にします。

ところで、屋根の修理中に、蜂(アシナガバチ)の巣を発見。

その駆除方法を丹念に調べて、夜襲をかけて慎重に一網打尽にしました。

何十匹もの蜂の命を虐殺したようで、気の重い殺生でした。

なぜかしら、百島で見たイノシシの捕獲用の檻を思い出しました。

さて、金曜日の夜10時からは、テレビを観るのが忙しくなります。

NHKの「透明なゆりかご」・・・人間を、その命を考える秀逸ドラマです。

裏番組のTBSの「チア&ダン」・・・地元福井が舞台の青春ドラマですからね。

両番組、観ています。

今日、九月一日は、子供の自殺が多い日だとか。

・・・学校へ行きたくないのでしょう。

学校へ行きたくないのは、イジメやら様々なストレスが生じるからでしょう。

ならば、百島にあるような学校へ転校すればよいのに・・・とは決して勧めません。

僕自身、学校へ行くのは、檻の中に入るようで嫌いでした。

当時、不登校という言葉自体が、ほとんど皆無でした。

「仕方無く登校した」というのが、本音です。

現在は、「不登校」というものは、肯定され認知されています。

されど、社会人になって、継続出社拒否、仕事勤務不可という状況になれば、どのような社会の仕組みになるのでしょう?

日本の引きこもり人口は、約100万人とも言われています。

この問題の本質は、「不登校」という発端がすべての事の始まりになっているのでは?

勿論、「自分以上の自分の向上を目指して、社会に役立て」とは言えません。

政府が、2020年の東京オリンピックのボランティア募集を呼びかけるようなものです。

東京オリンピック委員の一部が月収200万円にもかかわらず、無償奉仕に近いブラックなボランティアの募集活動は不可解です。

義務教育の無償化を廃止して、義務教育が勤務ならば、登校すれば「おこづかい」を提供するぐらいの国家論議の覚悟がないとね。

LGBTやら障碍者は生産性が無いという論評に、世間からは大きな批判を招く時代です。

簡単なことを言えば、「すべての人間は、身も心も障碍者」なのです。

誰だって歳を重ねて、老人となれば障害だらけの世界です。

「武器よさらば」「誰がために鐘は鳴る」そして「老人と海」を描いた作家のアーネスト・ヘミングウェイの生涯は、自殺で終わりました。

「桃栗三年、柿八年」

柿の実も、もうすぐ熟すのでしょう。

子供たち、若い人たちに伝えたいこと。

「とにかく、頑張るよりも、笑顔。笑っていよう。微笑んでいればいいよ」

「梨も美味しいね。桃も美味しいね。柿も美味しいよ」

美味しい生活、微笑む人生。