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奇跡の水月湖。

2018年09月20日 | 千伝。

今日は、若狭三方五湖の水月湖の近くに先日オープンした福井県縞博物館まで出かけて参りました。

はじめに、(ねんこう)というものを説明しなければなりません。

縞とは? 縞博物館の説明;

植物の葉や花粉、プランクトンなどが湖底に毎年積もってできた堆積物によってできた泥の地層(縞模様)のこと。縞模様は季節ごとに異なるものが堆積することにより形成される。春から秋にかけては土やプランクトンの死がいなどの有機物による暗い層が、晩秋から冬にかけては、湖水からでる鉄分や大陸からの黄砂などの粘土鉱物等によりできた明るい層が1年をかけ平均0.7mmの厚さで形成される。花粉や木の葉を解析することで過去の気候変動や自然災害の歴史を推測できる。さらに、年縞に含まれる放射性炭素の値と比べることで、化石や遺物の年代測定に役立つことから「世界のものさし」と言われる。

歴史とは人間が記録してあるものを言い、それ以前のものを先史と呼ぶ・・・中学生の時に習ったかなぁ。

歴史ではない、先史でもない、人類史でもない・・・あえて言うならば、地球史の自然環境を意味しているのかもしれません。

さて、水月湖の年縞は、いくつかの奇跡が重なってできた世界的に珍しい貴重なものです。

考古学や地質学における年代測定の「世界標準ものさし」に採用されました。

この湖の底には、7万年以上の歳月をかけて積み重なった「年縞(ねんこう)」と呼ばれる縞模様があります。

メインの展示物は約45メートルあり、連続した年縞では世界一の長さを誇ります。

7万年分の実物標本が、ステンドグラスのように並べ、縞模様の変化などから分かる自然災害や水月湖の環境の変化を解説してあります。

つまり、この7万年の年縞から何が分かるかと言えば・・・。

難しいので、県年縞博物館の説明を下記抜粋させていただきます。

年縞の研究は年代測定だけではない。年縞は木の年輪のように1年で明暗1対の縞が出来ていくので、縞模様を数えることでその縞が何年前にできたものかが分かる。そして、その縞の中には湖周辺から飛来した木の葉や花粉などが含まれる。それらを調べることで、その当時に生息していた植物の種類やその移り変わり、また、その植生から当時の気候や環境も分かってくる。その他にも、太陽からの影響、火山灰からは火山噴火活動や黄砂からは偏西風の風向きの変化、また、堆積層の変化からも洪水や地震の履歴を知ることが出来る。
こうした研究は、地球温暖化の解明や自然災害のメカニズム、人類史の解明など、今後の研究成果に大きな期待が寄せられている。  

以上

地球の表面に身に着けていたモノを研究することは、地球の表面上に生きる生物、動物、植物の進化、退化も考えることにもなります。

地球は動いている、地球は生きているのを実感した一日でした。

帰り道、敦賀の気比の松原に立ち寄ってみました。

遠くに一風変わった船が停泊しているのが見えます。

この頃、何度も福井県沖に現れています。

最近、ニュースでも話題になった奇抜な船です。

ロシアの大富豪アンドレイ・メリニシェンコ氏所有の船舶。

ドイツの老舗造船メーカー、ホヴァルツヴェルケ社が350億円で建造した超高級クルーザーだとのこと。

未来から現れたような、過去から現れたような船でした。 

はて、宇宙の起源から遡っても、この地球時間は一瞬かもしれません。

7万年という時の長さは、さらなる一瞬の時かもしれません。

それでも、7万年という積み重ねた時間世界は、人類にとっては、膨大で貴重な資料となります。

7万年以前に、ひょっとすると人類以外の高度な地球文明が存在していたかもしれません。

この地球という船は、どこに進もうとしているのかな?

現実社会に戻れば、地球丸、日本丸という国に生きる乗組員として悔いはないのかな?