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幼い頃から脳の一部が異常に発達して小さな音にも激しい痛みを感じるようになってしまうファン・シモク=チョ・スンウssi。
そうなると、感情のコントロールも出来なくなってしまいます。
痛みを失くすには、切り取るしか方法は無く、その影響で感情の起伏が激しくなったり、或いは感情を失う可能性もあると医師は言いました。
そして、手術の結果、シモクは感情を失ってしまったのです。痛みを感じることが無くなった代わりに、情緒というものを感じなくなってしまったのです。
しかし、今でも時折、耳の奥でキーンと鳴る音に苦しめられています。完全に防ぐことはできないでいるのでしょうか。或いは、副作用?後遺症?
ある日、シモクはパク・ムソンと言う男から、話があるので家まで来てほしいと言う連絡を受けました。
ムソンの家を探している時、偶然ムソンの母親と会いました。
借金取りかと警戒する母親に、そうではないと説明し、一緒に家に向いました。
ところが、既にムソンは殺されていたのです。
シモクは通報する前に、一人で現場を調べました。
以前、ムソンはシモクに言ったことがありました。
‘お前たちの命は俺にかかってる’
‘次長に伝えろ。俺が口を開けばあいつは終わりだ。道連れにしてやる’
シモクも同じ穴のむじなだと思ったのか、ムソンはそれだけ周囲を警戒しながら、慌てた口ぶりで話したのです。
命の危険を感じていたことは容易に推察できました。
シモクは、同僚のソ検事からサマ建設社長のパク・ムソンを紹介されました。
初対面の時、挨拶代わりに限度額の無いカードを渡されたのですが、シモクは受け取りませんでした。
明らかに検察内部でそうやってつながりを持って来た事は確かな、慣れたやり方でした。
現場をざざーっと調べた上で、警察に通報しました。
シモクは、現場の状況から、来る直前にすれ違ったケーブルTVの作業員が怪しいと思いました。
頭の回転も早ければ、行動も早いです。
警察が到着して現場の捜査が始まるとすぐにケーブルTVの作業員を追ったのです。
第一発見者である検事が、勝手にどんどん動くので、キム刑事はハン・ヨジン刑事=ぺ・ドゥナさんに追わせました。
ハン刑事が無理にシモクの車を停めて事情を聞いた時には、作業員のカン・ジンソプの行き先の予想は出来ていたシモク。
容疑者特定と言う事だけじゃ無く、行き先まで推察しているシモクに、ハン刑事はあっけにとられてしまいますが、とにかく行動を共にしました。
で、カン・ジンソプという作業員、あっという間に捕まえましたよ。
余談ですが。
「炎のように蝶のように」で、スンウssiの走る姿にほれぼれしてしまった私なのですが。
この作品でも、ここで激走します。でもね、違うんですよ、走り方が。役の年齢も仕事も立場も状況も違うわけですから、走り方も違うのね・・・と、改めて演じ分けを感じて、感心してしまいました。重箱の隅を突っつく指摘で済みません

カン・ジンソプには前科がありました。
シモクは、TVの修理に行った先での突発的な犯行だと指摘しました。計画性は感じられなかったからです。
ムソンを殺し、宝石を奪ってお金に換えた・・・と、指摘すると、カン・ジンソプはそれを否定。自分が家に行った時には、既に死んでいたと言うのです。
で、宝石が目に入ったから、つい、盗んでしまった・・・と言いました。お金に困っていましたから。
ところが、カン・ジンソプがムソンの家に行った時は、門に鍵がかかっていたわけで。呼び鈴を押したら、開けてくれたと言いますが、だとしたら、開けたのは誰?・・・ですよね。
カン・ジンソプは、自分と被害者以外にも誰かいたと主張。それが真犯人だと。
シモクは、カン・ジンソプにイ次長検事とソ検事の写真を見せました。
驚いた表情では無く、戸惑っているとシモクは見ました。本当に知らないんだ・・・と思いました。
でも、釈放することはありませんでした。
罪名が問題だ・・・とシモクは思っています。と言う事は、彼もカン・ジンソプが殺したとは思っていないってことですよね?
パク・ムソンの死はイ次長検事とソ検事にもすぐに伝わりました。
やはり何かムソンに脅されていたような雰囲気が見えます。死んでほっとしたというのが正直なところのようです。
ただ、担当がシモクだというのが気がかりでした。
自分たちの弱みを握られていると察していましたし、シモクがそう簡単に丸めこめる相手ではなく、執念深く事件を追う事を知っているからです。
で、イ次長検事はこの事件を新人のヨン検事=シン・へソンさんに担当させることにしました。その方が何倍も扱いやすいからです。
ヨン検事は、初めての裁判に、気持ちが高揚しました。
が、シモクは反対しました。信用できない・・・と。
ま~っ
ずけっと言うよね。
でも、結局、ヨン検事に任せたのです。
裁判をどう進めるか、ヨン検事の主張を聞きながら指導していくシモク。
そこで問題になったのが、やはりカン・ジンソプが訪問した時、鍵を開けてくれたのが誰かと言う事です。カン・ジンソプは真犯人だと言っています。
「これを覆す策は?」
と、シモクが質問しました。
一生懸命考えたヨン検事は、言いました。
「その時刻に被害者が生きていた証拠があれば・・・。」
そしたら、手品のようにシモクはポケットからタブレットを取り出し、映像を見せました。
現場近くに停めてあった車の車載カメラの映像を手に入れていたのです。
現場の玄関と家が写っていました。
そして、カン・ジンソプが呼び鈴を鳴らした時、ムソンと思われる人物が、来た人物を確認するために覗いている姿が写っていたのです。
ヨン検事、これで犯人は決まりだとほっとしました。
ところが、シモクが映像データのメモリを渡してくれません。明日渡す・・・と言いました。ヨン検事は不満げな顔です。
元々、ヨン検事は、シモクの指導方法に不満があるようですね。
それにしても、このシモクの躊躇は、何なんでしょう。
映像の解析を依頼していました。
でもね、翌朝、ちゃんとヨン検事にそのメモリーを渡したのです、約束通り。
ところがですよ、ここでソ検事が関わって来ました。
デビュー戦は華々しく行かなきゃ・・・と言って、ヨン検事からそのメモリーを殆ど強引に預かったのです。
日ごろ、優しく接してくれているソ検事ゆえ、ヨン検事も特に拒否することはありませんでした。
その意味は裁判で分かりました。
裁判の途中で、急にソ検事が入って来て、ヨン検事に手渡したのですよ、そのメモリーを。
そして、ヨン検事は、これが昨夜手に入れた証拠だと言い、発表したわけです。
華々しい演出でした。
ドラマチックな展開となりましたよ。まるでTVドラマのクライマックスのようです。
弁護士はそれ以上の弁護は無駄だと判断しました。
カン・ジンソプは、その証拠が嘘だと叫び、自分は無実だと騒ぎました。
が、それは逆効果となっただけでした。懲役22年の刑が言い渡されてしまったのです。
シモクはその場にいて、全てを見ていました。
勝ったとはいえ、ヨン検事もシモクが裏を知ってるだけに、後味の悪さを感じていました。
でも、彼女はソ検事のやり方を、悪いとは全く思っていないようです。固い考えのシモクに対して、やはり不満げでした。
裁判は終わりました。
でも、被害者が生き返るわけではありません。
被害者ムソンの母親は、カン・ジンソプに襲いかかろうとしました。でも、刑務官に止められました。
その時、母は見たのです。
カン・ジンソプにも家族がいることを。妻は幼い娘と共に夫に泣きながら駆けよっていました。
カン・ジンソプもまた、妻と娘に泣きながら縋りつこうとしていました。どちらも悲劇です。
事件の報告を受けたイ次長検事は、シモクに聞きました。何故、あの家に行った?・・・と。
やっと聞きましたね・・・とシモク。
シモクは、自分が考えた事件のあらましを説明しました。
パク・ムソンは、不渡りを防ごうと人脈を当たった。横領罪さえ逃れれば再起できると思い、賄賂を渡して来た検事に縋ろうとした。
が、失敗したので、賄賂の証拠を暴露すると脅迫した。だが、その脅された人物が前科者に罪を着せようとする方法は、その人物のやり方じゃ無い。
真犯人がパク・ムソンを殺し、脅迫のネタとなる証拠を消そうとしている時、宝石を落としたというのが、真相かと。
でも、そのストーリーを崩したのは、シモク自身が発見した車載カメラの映像です。
「綺麗に解決したな。」
と、皮肉たっぷりに言ったイ次長検事は、美味しいモノでも食べなさい・・・と、シモクのポケットに数枚のお札を入れました。
真相を葬ってしまったのは、紛れもなくシモク自身ですからね。胃が痛いだろう・・・なんて、皮肉たっぷりです。
そのまま出て行こうとしたシモクに、イ次長検事が言いました。
「お前と手を組んだとパク社長から聞いたんだ。お前を消す前に自分の問題を解決してくれと。勘違いするな。お前を信じたからじゃない。俺に見せつけるためだった。」
シモクも言いました。
ムソンの家に行った理由を聞いたのは、イ次長検事がムソンから脅迫されていたこと、瞬時に葬り去れること、それが何か、どこまで知っているかを探るためだったのでしょう?・・・と。
で?・・・とイ次長検事。
どこまで知っているのかといいうことですね。
でも、シモクは何も答えず、貰ったお金のうち、一枚のお札を返しました。
その頃、ハン刑事は別件でムソンの家の近所にいました。
飼い犬が殺されて埋められていたというのです。
犬がいなくなったのは、ムソンの事件の日だと聞いたハン刑事は、何かを感じました。
で、調べていると、事件現場とを隔てる塀の鉄骨に血痕がついているのを発見したのです。
綿棒でこそげとり、署に持ち帰りました。
で、検査に出そうとしたのですが、キム刑事が持って行ってやる・・・と言います。
このキム刑事、誰かとつながっているようでね。ムソンの事件でもPCを持ち出すよう指示を受けていました。
今回も、何かしそうです。
ある夜、シモクに何者かが手紙を届けました。
それを見たシモクはすぐにカン・ジンソプの身柄を確保するよう拘置所に連絡しました。
遺書だったの?
自分の無罪を主張し、検事が証拠をねつ造して自分を嵌めた。それに死を持って抗議する・・・と。
刑務官たちが慌てて駆け付けましたが・・・。助かる?
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