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何とか一命を取り留めたハヨン。
ヨンスは責任を感じていました。
ハヨンの危うさに気づいていました。被害者の心情に寄り添い過ぎるあまり、犯人への怒りや憎しみを強く抱きがちでした。なのに、仕事ではナム・ギテのような被害者への謝罪や罪悪感など欠片も持ち合わさない輩の話を延々と聞かなくてはならないわけで。
混乱しても仕方がありません。
そんなハヨンの状況を知りながら、何もしてあげられなかったわけで・・・。
ハヨンの顔をを見るのが辛くて、苦しくてたまりませんでした。
新たな連続殺人事件が人知れず、始まっていました。
警察に持ち込まれたのは、まず、失踪事件としてでした。
担当したのは、ホ隊長・・・今は出世してホ課長が転任した署にいるパク班長。以前、ハヨンの上司だった人物です。ハヨンを嫌っていて、何かにつけ敵対していたのですが、徐々にハヨンの能力を信じるようになりました。
既に2件も失踪事件が起こっているだけじゃなく、未届けの失踪もあると知ると、不審な印象を抱き、ホ課長に報告しました。
失踪したのは、同じ職業の女性だと知ると、更に刑事としての勘が“怪しい”と働きました。
「無動機犯罪の可能性があるのでは?」
1人でしばらく捜査した末、パク班長は結論を出しました。これは、分析チームの協力が必要だと。
「ソン・ハヨンを呼んでください。」
ホ課長に言いました。
パク班長も、分析チームの活躍ぶりは耳にしていました。今では、それを信用しているようですね。
ホ課長から協力依頼を受けた分析チーム。ハヨンも・・・と言われましたが、ヨンス一人で向かいました。
ハヨンの事故の一件は、ホ課長の署までは届いていなかったのです。
パク班長の協力的な態度に、ヨンスは少々面食らいました。まぁ、これが本来のパク班長の姿なんでしょうけどね。
ハヨンはリハビリに専念していました。
一時期は、麻痺が足に残るかもしれないと言われていましたが、幸い、徐々にではありますが、回復してきていました。
ある日、ユンチーム長とナム刑事がお見舞いに来ました。
早く完治して現場で会いましょう・・・とユンチーム長が言いました。
ナム刑事も、ハヨンを頼る声が増えていると励ますように言いました。
しかし、ハヨンの表情は曇ったままでした。
「もう戻りません。」
と、ハヨンが言いました。ユンチーム長とナム刑事は、言葉が出ませんでした。
ハヨンが入院している病院に、ボランティアとして“赤い帽子事件”の被害者ファヨンの母親がいました。
偶然です。
ハヨンにとって、被害者遺族の悲しみ、苦しみを目の当たりにした事件でした。
そして、ファヨン母にとって、ハヨンは苦しむ自分に寄り添ってくれた刑事として、忘れられない人間だったようです。
それでも、顔を合わせた時、2人とも、挨拶が出来ませんでした。刑事を辞めようとしているハヨンと、事件を忘れようとしている母は、言葉を交わす勇気は出なかったのです。
失踪事件を捜査しているパク班長とヨンスは、失踪者の動きが謎でした。
車で移動したとしか思えないけれど、バスに乗ってもいないし、他の公共交通機関の無い辺鄙な場所で携帯の電源が切れているからです。
誘拐の可能性を考えましたが、それならば、車に乗せられた直後に携帯は切れてしまうのが通常なのに、しばらくは電源が入っていたのです。
ヨンスは毎日のようにハヨンの病院に行っていました。
しかし、ハヨンと直接会う事は無く、ハヨン母から状態を聞くだけでした。
直接会ってください・・・とハヨン母は言いました。
が、まだ勇気が出ませんと、ヨンスは言うだけでした。
実は、ヨンスは、ハヨンから辞表を預かっていました。
入院して、母とたくさん会話して、こういう何でもない時間が幸せなんだと気付きました・・・とハヨン。
「悪魔のような犯罪者を相手にしていたせいで、疲れ切っていました。奴らの立場になる試みは正しかったんでしょうか。実は、怖かったんです。俺の中に知らない自分が存在するようで。俺もまた、奴らのようになるかと。」
戻りたくないんです・・・と。
そんな事は考えず、よく休めとしか、ヨンスは言えませんでした。
ユンチーム長がヨンスを訪ねて来ました。
彼女も、ハヨンの事が心配だったのです。辞めてほしくなかったのです。
「疲れているように見えました。彼には時間が必要だと言いたくて。」
待ちます・・・とヨンスは言いました。
「これ以上は強要出来ません。あいつを追い込んだのは、俺なので。」
・・・と。
新たな連続殺人犯は、ウ・ホソンと言う人物でした。
見かけは温和で人当たりも良く、近所の人からも好かれていました。これまでの犯人像は全く違うタイプです。
その柔和な笑顔で女性を騙し、次々と被害者を増やしていました。
ある日、ファヨン母が手作りの豪華なお弁当をハヨンの母に渡しました。刑事さんに・・・と。
封筒も入っていました。
中から出て来たのは、以前、ハヨンが置いて行ったハンカチでした。
泣いているファヨン母のベッドの傍に置いて行ったモノでした。
ハヨンの中で、何かがほどけました。
携帯に電源を入れてみると、膨大な数のメールが届いていました。
偶然、病院の中庭でハヨンはファヨン母に会いました。
2人とも、今度は避けずに挨拶をしました。
勇気が無くて、被害者やご家族と会いづらくて・・・とハヨンは正直に言いました。でも、全部覚えていますと。
同じです・・・とファヨン母。
済みませんとハヨンが言うと、
「何が済まないんですか。私には有難い人なのに。」
と、ファヨン母は泣きながら言いました。
「私が耐えて来られたのは、私と娘のために努力した方々がいたから。刑事さんもその一人です。」
ファヨン母は、ちゃんとハヨンのその後の活躍を知っていました。
「あの時も、被害者とその家族を気遣ってた。感謝しています。でも、前を見て生きる人もいれば、悲しみの中で生きる人もいます。私のような人の力になってください。これ以上誰も大切な人を失わぬように。」
そして、感謝と退院のお祝いだと、温かい焼き芋を渡しました。
ハヨンは泣きながら焼き芋を食べました。
ウジュとチェ記者がお見舞いに来ました。
帰ろうとしたとき、ヨンスが来合わせました。
でも、ヨンスはもごもごと言い訳をしながら、踵を返し、そのままウジュたちと下りのエレベーターに乗り込んでしまいました。
ドアが閉まる直前にハヨンが言いました。
「庁舎で。」
ああ・・・と反射的に返事をしたヨンス。
今、ハヨンはなんて?とウジュに聞きました。
「庁舎で・・・と言いました。」
その瞬間、ヨンスとウジュがこみ上げる喜びを隠しきれず、笑顔を見せました。
また失踪事件が起こりました。
ホ課長、パク班長、そしてヨンスが集まっているところに、ハヨンが現れました。
退院して、この事件を知ったのです。
事件の詳細を聞くと、ハヨンは仮説を立てました。
「好意同乗・・・運転者が無償で車に乗せた可能性がある。同一犯だと思う。」
ハヨンの仮説に納得したホ課長は、パク班長に捜査チームを編成しろと指示しました。
ユンチーム長たち機動捜査隊も協力して捜査に当たる事になりました。
ヨンスは、ハヨンの辞表を破り捨てました。
パク班長は、昔の一件から、ハヨンに対して少し気まずさを感じています。反省し考え方を変えたって感じですね。
ハヨンに対して、必要以上にキツク当たった事に罪悪感を感じているのでしょう。
でも、ハヨンは昔の事等、一切こだわらない人間です。
よろしくな・・・とパク班長が言いました。
本格的な捜査を開始して得られた要素から、事件のあらましを推定しました。
犯人像も徐々に固まって来ました。
そして明らかになったのは、予想を超えた地域の拡大でした。
ある日、山で失踪者の一人の遺体が発見されました。
しかし、特に犯人を特定できるような証拠は見つからず。
捜査が進み始めたのは、失踪した女性のカードが使われたことからでした。
周辺の監視カメラの映像が全てチェックされ、聞き込みもしらみつぶしに行われました。
ハヨンが監視カメラの映像から、怪しい車の映像を発見しました。
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