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シヨン父は、登山中に滑落したのです。
同行していたのは、シヨンだけでした。
転落した父親を発見したシヨンは、必死に止血しようとしました。
勿論、救急通報もしようとしましたが、上手く通じませんでした。
医師であるシヨンの診立てでは、父親の状態は本当に酷いもので。骨折も多数、腹部の裂傷で出血多量。低体温症。
結局、悪天候も重なって捜索隊もシヨンたちを発見するのに手間取り、危篤状態でシヨン父は病院に担ぎ込まれたようです。
シヨン父は冷静に状況を判断しました。
冬場の今、怪我の状況を考えると自分は1時間ももたないだろう・・・と。
「人間の感じる苦痛が一番大きいのは、治ると言う希望が無い時だ。」
と、シヨン父は娘に言いました。疼痛を専門とするシヨンへの言葉でした。
そして、シヨンが止血のために押さえている手を離せと言いました。
「殺すわけじゃない。楽にしてくれるんだ。医師が絶対に患者を殺さない方法は、絶対に死なない患者を診ることだ。」
泣きながら患部を押さえる手を、シヨンは震えながら離しました。
だから、今、母がする心臓マッサージを止めてと言ったのです。
その言葉で、シヨン母は手を止めました。
でも、ミレが泣きながら飛び込んできて、代わってマッサージを始めたのです。
シヨン父の状況が好転しました。
ミレはシヨンの頬を叩きました。
「父さんを2度も殺すの父さんには寝たままでいいから傍に居てほしいのこんなに温かいのに・・・。」
ミレは泣きながら父の手を取りました。
この様子を、ヨハンは見ていました。
シヨン母は病院の法務チームのハン弁護士に、夫の現況について話を聞きました。
シヨン父は脳死ではありません。脳波に異常はないようです。
そんな状況で延命治療を中断すると言う事は、家族の同意と同時に、倫理委員会の論議が必要となるんだとか。それは法律上では延命治療の中断ではなく、尊厳死ということになるんだそうです。
ハン弁護士は、ヨハンと親しく、おそらくヨハンについて一番知ってる人物なんじゃないでしょうか。
3年前の事件の弁護を担当したようです。
ハン弁護士は、最近のデモの裏にソン検事がいるのではないかと疑っているようです。
そして、今回シヨン母から尊厳死について相談を受けた事が気になっていました。
万が一尊厳死ということになったら、ソン検事が絶対にヨハンと関連付けて攻めて来ると思いました。なにせ、シヨンとは刑務所からの縁がありますし、今は部下でもあるからです。
気をつけろとヨハンに言いました。関わるなと。
でもね、ヨハンはシヨンの事が気にかかっていました。自分が死なせたのは殺人犯だけど、シヨンが心臓を止めたのは、父親だから・・・。
ハン弁護士と別れた直後、ヨハンはシヨンを見かけました。
何かを探しているように、食堂街をあちこち歩き回っていました。
シヨンは、最期に父と食事した店を探していたのです。
その時は、それが最期になるとは思っていなかったシヨン。何度か電話を無視したり嘘をついて誘いを断ったりしていました。
どれほど大切な時間になるか思ってもみませんでした。だから、記憶も定かじゃないのです。
ヨハンは、声をかけ、一緒に店を探してあげました。
見つけました。
チュ・ヒョヌがインタビューでヨハンについて語りました。
名医だと褒めちぎったんです。まぁ、気持ちは分かります。命の恩人と言えますからね。
その記事の影響は大きく凄まじいもので。
翌日には、いつもは閑散としているペインクリニック科に、大勢の患者が押し寄せて来たのです。
シヨンたちは診察に大わらわとなりました。
その中に、相反する症状を呈する患者がいました。
CRPS・・・複合性局所疼痛症候群と、CIPA・・・先天性無痛無汗症です。
イ医師たちはCIPAの患者、シヨンとミレはCRPSの患者を担当することに。
そしてまた一つ明らかになった事実が。
ヨハン父がCIPAだったようです。
病に侵されていることを気づかず、吐血して初めて知ったようです。
そして、おそらくヨハン自身も・・・。
ヨハンは刑務所にいる頃から、ずっと検温等のチェックを欠かしていませんでした。
それに、猫舌だと言っては、食事の時に気を付けていますからね。
それは自分の体の異常を感じることが出来ないからでは?
ハン弁護士が元保健福祉部長官イ・ウォンギルに会いに行きました。
ヨハンを病院に推薦した人物です。
ある日、何の前触れも無く、病院にソン検事が現れました。
偶然会ったシヨンに、ヨハンに会いに来たと言いました。
見かけたハン弁護士が慌ててヨハンに連絡しました。
ヨハンに執着しているソン検事が、どんな理由で病院に現れたのか。そして何故シヨンと会っているのか。
ヨハンは部屋を飛び出しました。
シヨンに、自分が3年前のヨハンの事件の担当検事だったとあっさり明かしたソン検事。
ヨハンは、3年前と変わったのかとシヨンに問いました。
シヨン、3年前のヨハンを知りませんから、なんとも答えようがありません。
2人を見つけたヨハン。
ソン検事に電話を入れました。
「離れろ。今すぐ。俺の部下から。」