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ソは、破戒僧たちがいた寺の本当の主がユ氏だと知りました。
と言う事は、正胤ワン・ム殺害計画の裏にはユ氏がいると言う事です。
このままワン・ムたちに寺を捜索されたのでは、それが全て表沙汰になるのは間違いありません。
それを防ぎたかったのです。
ここまで冷たく扱われ、ないがしろにされて来たにもかかわらず、ソは母を求めているのです。
でも、ユ氏はソを褒める事も感謝する事もありませんでした。
「お前は恥じであり、傷だ。だからお前を送った。そのおかげでジョンを抱く事ができた。それについては礼を言う。」
なんてひどい言葉なんでしょう。
ユ氏にとっては、自分の愚かな行為の証拠であり、結果なのですね、ソは。だから、見たくないのです。
これで、ソが愛想を尽かして、ユ氏と決別するとか、復讐するとか言うのなら、まだ話は分かります。
でも、ソは違いました。
「今日を覚えておいてください。母上は私を捨てましたが、私は去りません。これからは私だけを見つめさせます。」
ソの目から涙がこぼれました。
自分を捨てた母の目の前で、母の想像を超えた人間になり、自分を捨てた事を後悔させるつもりなのか、はたまた、自分だけを必要だと考えを改めさせるつもりなのか・・・。
ソは、石積みの塚を壊しました。
母親が子供の幸せを願って積んだ石の塚なんて、彼にとっては偽善であり、こんな事をするより自分に謝ってほしいと思ったのです。
そこにスが来ました。
石を積もうと思ったようです。
荒れるソを見て、必死で止めました。ソが血まみれだとすぐに気付きました。
驚くスに、人を殺した血だ・・・と言うソ。
でもね、スは気付いたのです。興味本位で人を殺したのではなく、自分を守るため、大切な人を守るためにそうするしかなかったんだということを。
ウクが幼い頃からそうやって来たと聞いたばかりでしたしね。
この時代は、そう言う時代なんだと・・・。
「しかたないよね。生きたいと思うのは罪じゃないもの。皇子様の気持ちが分かるから。どんなに辛いか・・・。」
スの言葉が、ソの心に沁みて行きました。
ワン・ゴンに事件の報告が行われました。
賊は皆死んでしまい、証言を得る事は出来なかった。でもその寺の所有者は・・・とワン・ムが躊躇した時、ソが言いました。
「その寺の所有者はユ氏です。」
ユ氏とヨの顔が引きつりました。
ワン・ゴンは冷静に、正胤を殺そうとした黒幕はユ氏なのか?・・・と聞きました。
認める筈はありません。
ヨは、跪いて疑われるような事をしてしまったと詫びました。母は関係無い・・・と。
どうなるのかと思った時、ウクが跪き言いました。これは我々を仲違いさせるための罠です・・・と。
ソも、同じ考えだと言い、結局、その場ではユ氏が犯人だと断定される事はありませんでした。
でもね、ワン・ゴン、馬鹿じゃありません。だてに高麗を建国した人間じゃなかったんですね。
ちゃんと、ユ氏の仕業だと分かっていたのです。
でも事を荒立てても得策は無いと、ユ氏を責める事をしなかっただけなのです。
ソは最初よりずっと表情が柔らかくなりました。
スの無邪気で純粋な関わり方で、心がほぐれて行くようです。
自分の食事を運んでくれたスを、温かい眼差しで見つめていたし、重い食器が入った籠を、必死に運ぶスを見て、手伝おうと手を伸ばしかけたりしてました。
結局、手伝うタイミングが・・・ ソも、案外純粋なんです。
へ氏の体調は、ますます悪化していました。
ある夜、へ氏はウクに、第二夫人を迎えるか、自分と離婚してほしいと切り出しました。
妻としての務めを果たせない自分がこのままでは申し訳ないと言う事です。
それに・・・とへ氏は言いました。
「皇子様は私を恋慕していません。」
何も言えないウクです。
でもね、ウクにその気は無いのです。
スは、その話を聞いてしまいました。
へ氏の気持ちを考えると、居たたまれない感じでした。
ある日、スは、チェリンに、ソが以前温浴場で落とした髪飾りをこっそりと返して来てほしいと頼みました。
チェリンは気が進みませんでしたが、お嬢様の頼みです。断れませんでした。
で、ソの部屋で、どこに隠そうかとうろうろしていたら、そこにヨンファが。
驚いて髪飾りを落としてしまったチェリン。盗もうとしていたと疑われてしまったのです。
腕を縛られ、背中を打たれるチェリン。
気付いたスが止めに入りました。
またもヨンファと睨みあいです。
いくら、誤解だと言っても信じては貰えません。
だったら、自分を叩いてくれとスが言いました。ヨンファはそうしよう・・・とスを縛ったのです。
そこに、皇子たちがやってきました。
ウクやウン、ジョンたちも止めたいんだけど、立場的になかなか躊躇するところがあって・・・。
ヨンファは手加減せず、スを叩きました。
三度目に叩こうとした時、ヨンファの手を掴んだのは、ソ。
ウクも、止めようとしたんだけど、一歩遅かったね。
「その子は、俺のものだ。」
きゃぁ~っ
皆、あっけにとられてしまいましたよ。
スも、ウクも、そしてウンも・・・。
ま、これでその場は何とか収まりましたので、良かった良かった。
ウクは、ちょっとショックだったようです。
ソの言葉に深い意味は無いと分かっていますが、やはりスは渡したくないのです。
はっきりと、ソに宣言してました、自分のモノだと。
その夜、ウクはスに傷薬を持ってきてくれました。
スは叩かれた傷の痛みより、軽く扱われた事が辛いです・・・とスは言いました。
偉い親がいないと尊重されず、人が人を獣のように縛って叩くなんて・・・と。
「高麗は以前からそうですか?」
ウクは又々考えもしなかった事をスから問われ、一瞬戸惑いました。何の疑問も抱いた事は無かった筈ですからね。
そっと、スの肩に手を置き、謝り、約束する・・・と言いました。
「今後は誰にもスを軽く扱わせぬ。」
ウクへの想いが募って来たス。でも、このような想いを持つ事はへ氏を傷つける事だと、分かっています。
そっとウクの手から肩を外し、部屋に入りました。
ソに偶然会ったスは、“俺のもの”なんて言わないで・・・と口をとがらせました。
感謝するのが先だろ、助けたやったのに・・・とソ。
スが自分を怖がる事無く、対等な物言いをするのが、ソには心地よいようですね。
俺のモノじゃなくて、俺の女と言おうか?・・・なーんて冗談がソの口から出るなんてね。ま、本心もちょっとは入っていたと思うけどね。
ある日、いつものように街に出て喧嘩してた第14皇子のジョン。
彼に恨みを持つ男に拉致されてしまいました。
なんと、以前、その男に負けたジョンを見て、ユ氏が腹いせにその男の右腕を斬り落としちゃったんですよ
同じようにしてやる・・・ってな感じで、拉致したってわけ。
その様子を偶然目撃したスは、チェリンにウクを呼びに行かせ、自分は後を追いました。で、寸でのところで棒を持って乱入し、ジョンを助けたのです。
でもねぇ、相手は強いし人数も多くて。
あっという間に、ジョンはスを庇ってぼこぼこに殴られる始末。
そこにウク到着。
なかなかの腕前のウクが、やっつけてくれたと言うのに、すぐに加勢が来ちゃったよ・・・。
絶対絶命かと思われたその時、今度はソが登場。
ソの場合はねぇ。
存在そのものが恐れられてるから、姿を見ただけで、一味はちりぢりに逃げちゃった。
スが女だてらに飛び込んできてくれたおかげで腕を切られなかったと、ジョンは感動していました。
「お前が腕を救ってくれた事、覚えておく。お前の命は俺の命も同然だ。俺が死んでも助ける。」
スは、いっちょまえなそのセリフを聞いて、嬉しく思いました。
で、つい、現代風に感謝の意を示してしまったのです。
つまり、ハグ・・・です。
そんなの知らないジョンも、ウクも、ソも、驚いて目がまん丸ですよ
あ・・・と謝ったへ・スに、ジョンはすっかりな感じ。
これで一気にスを好きになってしまったみたい。元々嫌ってはいませんでしたけどね。
ウクは違いました。
チェリンから連絡を受けた時、もうスが心配で心配でたまらなかったのです。
なのに、あっけらかんと明るいスを見ると、自分の気持ちだけが募っているようで、悶々としちゃったのでしょうかね。
怒ってるようなウクに、スも戸惑っていました。
スの肩を強く掴んだウクは、その気持ちを告げました。お前を失うかと、もう会えないかもしれないと思うと怖かった・・・と。
スは驚きました。ただただ驚いたのです。
kissする・・・と思った時、チェリンやへ氏たち、家の者が駆け付けて来たのです。
未遂です・・・
ウクの様子がおかしいと思ったのは、へ氏。そしてヨンファです。
ジョンは、助けて貰ったにもかかわらず、やはりソに対して偏見を持っていました。これはひとえに母ユ氏と兄ヨの影響ですな。
皇子はその地位と同じくらい責任も大きいんだ・・・とソが注意しました。相手の男の腕をユ氏が切らせちゃったって事に何の責任も感じていないジョンを注意したんです。
そしたら、兄ぶって・・・とジョンは反感を持ってしまったのです。
現れるだけで、一味が逃げて行ったソが、同腹として恥ずかしい存在だ・・・なんて言っちゃった。
その言葉に怒ったソが、ジョンを殴った時、ユ氏がタイミングよく現れてしまいましてね。
ソを突き飛ばしましたよ。
流石に、助けてくれた兄に対してそれは・・・とジュンは思ったので、誤解だと言ったのですが、ユ氏は聞く耳を持ちませんでした。
その日は、スもウクも、そしてソも眠れない夜でした。
ワン・ムがソを都に住まわせたいとワン・ゴンに許可を貰おうとしました。
この時、ワン・ゴンはユ氏が先日のム殺害計画の黒幕だと承知している事を明かしました。
息子としても考えを聞きたかったようです。
ソは、ユ氏の息子でもなく、養子先の息子でもなく、単にワン・ゴンとワン・ムの部下として仕えたいと跪きました。
ワン・ゴンは、ソが都に住む事を許可しました。
ソは、スに、王宮に住む事になったと言いました。
そしたら、スは、もう食事を運ばなくて良いのねと、ほっとしたように言いました。
「どうか王宮では無難にお過ごしください。話す度、生かすだの殺すだの言わずに、言う事を聞かなくても睨まず、特に刀を抜くのは注意してください。人が作ったモノを簡単に壊さず、他にあるかな・・・。」
まるで母親か姉の様な言い方です。
呆れたように、ソが、もう止めろと言いかけると、スが続けました。
「良く食べて良く寝て。悪い夢はなるべく見ないように。」
初めて温かい忠告を聞いたのかもしれません。
じっと、スを見つめました。
「私は皇子様より自分の心が怖いです。自分の心なのにどこに向かうか分かりません。」
雪が降って来ました。
嬉しそうに手を差し伸べるス。
それを、じっと見つめるソ。
美しいシーンでした。
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