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ジディは大きなショックを受けました。
これまで二人は兄妹だと信じて来ました。長い間別れて住んでいたことは知っていても、まさか・・・ですよね。
血のつながりが無いと言う事に気がついたのか、当時はさほど近親婚がタブー視されていなかった所為で深刻に悩むこともなかったのでしょうか。
ふっ切ろうと思っても無理でした。
ジディの想いも深かったからねぇ。
王だと名乗れなかった負い目とか罪悪感、そして立派に“王”の役割を果たしたソヌへの嫉妬で苦しんでいた時に、この事実は、ジディをますます追い込みました。
パンリュは、養父パク・ヨンシルから、“労而無功(労して功無し)”という手紙を受け取りました。
焦りました。自分がもう見限られたと思いました。
ソヌとアロは、すっかり
一応、兄妹なので、仲良くしてても、奇異な目で見られることはありませんが、ハンソンは、ちょいと不思議に思い始めています。
ソヌさえ無事なら、自分は死んでも構わないと思った・・・とアロ。百済でのことです。
自分を命がけで愛してくれた人がいたということだけで、幸せだった・・・と。
でも、ソヌは言いました。
「お前が死んだら俺も死ぬ。お前とは一心同体だ。どんな危機が訪れても、俺はまずお前を守る。だから本当に俺を想うなら、俺より自分を大切にしろ。」
周囲はソヌを“王”として見始めました。
正式に名乗りはしなかったため、大っぴらにへりくだることはなくても、やはり特別視してしまうのは仕方がありません。
使節団は、ジソ大后から功をたたえたいと、王宮に呼ばれました。
ソヌは一人ジソ大后に呼ばれ、居室に赴きました。
そこで突然、アロを源花の長に任じるとジソ大后が言いました。源花というのは、花郎の前身の組織だとかで、2人の女性が率いた組織だそうです。
スンミョンとアロをその長に任じると言うのです。
その狙いは、ソヌでした。
噂を利用し、ソヌをこのまま偽の王だと皆に誤解させたままにして置こうと言う魂胆です。そうすれば、本物の王チヌンは安全ですから。
要するに、影武者ってことね。囮と言った方が良いかもしれませんが。
王だと名乗った以上、その役割を果たせとジソ大后は言いました。アロが大切ならば・・・。
スンミョンが、ジディの正体に気付きました。
チヌンやスンミョンじゃなければ知らない場所にいたからです。
それでも否定するジディ。
「兄上。」
スンミョンは呼びかけました。
今までずっとこのような生き方を?・・・とスンミョン。
「お前には想像もできまい。」
とうとうジディが認めました。
ちょっとほっとしたのは、私だけでしょうか?一人でもジディに気付いてくれて、嬉しゅうございますよ、あたしゃ
パンリュは決心しました。
これまでの生半可な気持ちを捨て、スヨンへの想いを捨て、身を犠牲にしても養父パク・ヨンシルに尽くそうと。
パク・ヨンシルはパンリュを王にするのではなく、自らが王になろうと考えを変えました。
策がことごとく失敗したからですね。もう自分がするしかないと思ったのです。
ジディは、ウィファ公に正直に言いました。自分は王の器ではない・・・と。
正体がばれる事を恐れ、隠れ続けているわけですから。昌太子の前で自国の民が殺されているというのに、名乗れなかったわけですから・・・。
「私は卑怯者だ。」
「卑怯な王はたくさんいます。だが、己を卑怯者と言う王は少ない。それを口にできるのは勇気がある証拠です。」
と、ウィファ公は言いました。
そんな私が真の王になれるだろうか・・・とジディ。
「王様。何であろうとやり遂げるのです。それが卑劣な事であれ、危険な事であれ。王として果たすべき事は全てやり遂げねばなりません。」
ソヌにフィギョン公が接触しました。
「世を変えられるなら、本モノの王になりたくはないか?」
と、問いました。
「王座に就かせてやろう。」
・・・と。
突然の話に、その時は聞く耳を持たなかったソヌなのですが、フィギョン公の言葉は心に残っていたようです。
“世を変えられることなら、それが正しいことならためらうな。また城門を越えて友を失う気か?”
めまぐるしい環境の変化に、ソヌは混乱するばかりです。
ジソ大后がパク・ヨンシルを呼び出しました。
「摂政から退くつもりだ。」
と、ジソ大后。つまり、譲位するということです。チヌンが王として正式に即位するということですね。
ソヌがチヌン王だと暗に示す言葉です。
パク・ヨンシルは思っても見ない出方に焦りました。
しかし、勿論これは嘘です。
ただただソヌをチヌンだと思い込ませるための方便だったのです。
ジディとソヌ、久しぶりに二人だけで話をする機会を持ちました。
二人とも、行き場が無かったのです。
ジディは、ソヌが自分を王だと思ってることを知っています。その前提での話です。
案外男前だろ?王にしては・・・とジディ。
これが王の人生か?・・・とソヌ。
そんな言葉がソヌの口から出るとは思って無かったジディ。驚いたようにソヌを見ました。
「誰かに殺されないか、周りの者を傷つけないか、不安で眠れないとは。」
と、ソヌ。
それだけではない・・・とジディが言ったので、
如何に世を乱すか、如何に己だけ腹を満たすか、考えるのか?・・・とソヌがからかうように言いました。
その王は民の心が分かるのか?・・・とソヌ。
民の心が分かるのではなく、民のように生きてる・・・とジディ。
「その民のように生きてる王が、己の顔を見た者を殺した。」
「そうか。あり得る。誰かが殺されたのを、後で知ったのかもな。それ以前に、己の所為で人が死ぬとは思わなかったのかも。愚かで間抜けで殺すなと命じる力も無い筈だ。」
そんな王が、この世の中を変えられるか?・・・とソヌ。
「何故生きてる。生きてる価値は無い」
そう叫んだソヌに、ジディは静かに言いました。
「殺したいか?なら、殺せ。」
ジディは、アロに会いに行きました。
冗談めかす事無く、真剣に真っ直ぐに言いました、
「私はお前が本当に大好きだ。」
共に畑を耕し、子を産み育て、平凡な民として生きたい。私と添い遂げぬか?
「何もしてやれない。財宝もお前の好きな銀塊もない。満足な家も用意できぬかもな。だが、一緒になるため神国の王座を捨てる覚悟でいる。一緒にならぬか?いや、一緒になろう。」
涙をためて真っ直ぐにアロを見つめて言いました。
お前がソヌを好きでもかまわない・・・とも。
「これからはチヌン王ではなく、お前だけのチヌンとして生きる。」
アロも、真っ直ぐにジディを見つめて言いました。
「私を口実に逃げるつもりですか?」
「王様は、何故王にならなくてはいけないのか、自らに問いながら生きてこられました。そして、王として為すべき事を悟られた筈。それゆえ、王様は、苦難や恐れに打ち勝てたのです。何かを諦めた者は、目で分かります。王様は一度も諦めたことがない。」
アロの言葉、ジディの心に沁みたかな?
逃げたくなったとしても、仕方が無い状況だったと思いますよ、あたしゃ
ジディのアロへの想いは、それほど深いモノなのでしょうから。
ソヌが襲われました。
パンリュが手引したのです。
でも、スホとヨウルが察知し、助太刀に。
なのに、その時、ソヌが倒れたーっ例の目眩
そしてその頃、ジディは、パク・ヨンシルの屋敷に忍び込んでいました。
王の証の腕飾りを取り戻し、寝ているパク・ヨンシルの首筋に剣を突きつけました。覆面を外し、顔を見せたばかりか、チヌン王だと名乗りましたよ
夢じゃないよね