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前回のラストにも書きましたが、ソ・イングクssiの表情の変化が素晴らしいと思いました。
元々、インパクトの強い目ですから、冷たい無表情になると、こちらの心まで凍ってしまうかと思うほどに鋭い眼差しになります。
それが、一旦、愛情や信頼がこもると、同一人物かと思うくらいに柔らかくなるんです。まなじりが鋭く上がっていたのが、元々たれ目だったっけ?と思うくらいに子供っぽい眼差しになるんですよね。
目の表情の変化は、顔のアップが多い韓国ドラマでは、重要な感情表現になると思います。
ごめん・・・とドンギョンが小さく言いました。
俺こそごめん・・・と滅亡。イケメンで・・・と。
その言葉でドンギョンの表情がふっと緩みました。
「どうしよう。私たち、どうすればいい?」
と、ドンギョン。自分一人で背負えると思っての選択だったけど、ダメだったわけですから。
「運命を認めて、受け入れよう。」
と、滅亡が笑顔で言いました。
でも、ドンギョンは笑えません。滅亡が自分のために消滅する決心をしていると気付いていますから。
ドンギョンと滅亡の記憶が元に戻った時、周囲の人たちの記憶も元通りに修正されていました。
皆の中に滅亡の記憶が組み込まれたのです。何事も無かったかのように。
滅亡はスジャに、ドンギョンと結婚すると宣言しました。
ドンギョンは驚きました。全く聞いていませんでしたからね。
結婚の話を聞いたソンギョンは、滅亡に感謝の思いを伝えました。
嬉しいけど、すんなりと受け入れられない思いである事も事実でした。
姉のためには喜ばしいけど、死にゆく姉を引き受ける滅亡の負担を考えると、もろ手を挙げて喜ぶことは出来ませんでした。
それでも、ソンギョンは結婚資金に・・・と通帳を差し出しました。
元々、ドンギョンに渡そうと思って貯めて来たモノでしたが、今、渡すべきだと思ったのです。
「ずっとそばにいてあげて。約束ですよ。」
ずっと大人になったソンギョンが、涙をためて滅亡に言いました。
ドンギョンはジナに本当に結婚するのかと聞かれ、そうしたいみたい・・・と他人事のように答えました。
あんたは?と聞かれ、
「彼の望むことは全部してあげたい。」
と、答えました。
気持ちが定まっていないと思ったジナは、はっきりと結論が出るまで結婚しちゃいけないと言いました。
しかし、ドンギョンはその言葉を遮って言いました。
「捨てたくても忘れたくてもどうにもできない。時間も打つ手もない。」
ジナにしがみついて泣きました。
そんなドンギョン、初めてだったのでしょうね、ジナは。
ドンギョンの想いを理解しました。まぁ、ジナが想像する以上に深い意味を持っている言葉なんですけどね。
好きにして・・・とジナは言いました。何であれ、応援するから、あんたが今幸せならそれでいい・・・と。
ドンギョンたちの前では、強がって笑顔まで見せていた滅亡ですが、やはり彼も苦しんでいました。
初めて愛した人を救うために、別れなければいけない運命ですから・・・。
逃れられない運命だと分かったのですもんね。
ヒョンギュは、ジュイクの部屋を出て行くことにしました。
これまで、ジュイクが如何に自分を守ってきてくれていたかを感じていました。
ジナとのことだけじゃなく、人生の全てにおいて、静かに見守ってくれていたんだと気付いたのです。
いつまでも頼っていてはいけないと思いました。自立しないと・・・。
ドンギョンは組織検査を止めたいとチョン医師に言いました。
検査というのは、開頭してするものらしく、それ自体が危険なものなんだそうです。
チョン医師は検査は結婚式以降に延期すると言いました。
「手術はせず、組織検査と治療のみと決めたのは、少しでも長く生きて幸せになるための治療ですからね。」
ドンギョンは退院することになりました。
ソンギョンやジナはドンギョンの決断を受け入れました。
万が一の時、後悔の無いようにしてあげたいから・・・と。
ヒョンギュとジナはきちんと別れました。
ヒョンギュはジナを避けていた理由をちゃんと話しました。恥ずかしい話を。弱かった自分の話を。
最後に握手をしました。
右と左に分かれて歩き出しました。
振り向きたい衝動を、ヒョンギュは必死に堪えて歩きました。
カフェの前でジュイクがヒョンギュを待っていました。
その姿を見た途端、ヒョンギュは耐えきれなくなって泣き出してしまいました。
まるで、転んで痛む足を引きずって泣くのを必死に我慢して帰って来たのに、母の顔を見た途端、堪え切れずに泣き出す子供のようでした。
ジュイクは、彼にとって親であり、兄であり、ライバルでもあるのですね。誰よりも信頼している人なんですね。
退院するドンギョンの前に少女神が現れました。
助けてあげられず、ごめん・・・と少女神。
「助けて。もう一度だけ。」
と、ドンギョンは少女神の手を取り、必死に言いました。
私の手を離れたことよ・・・と、少女神。
「じゃぁ、私たちはどうすればいいの」
受け入れて・・・と、少女神。
ドンギョンは呆然とするしかありませんでした。神に見放されてしまったのですから。
嫌・・・とドンギョン。世界を滅亡させる
・・・と。
「あなたには無理よ。分かってるでしょ。」
それでも、出来ると言うドンギョンを、少女神は静かに抱きしめました。
「私は何度も生まれては死んだ。その辛さは誰よりも分かる。何をしても結局は受け入れることになる。なぜなら、彼が決めたことだから。その選択こそが運命なのよ。だから受け入れて。滅亡を受け入れなさい。それが彼が望む結末。彼が望むハッピーエンドなの。」
誰も幸せじゃないのにと、ドンギョン。
「生きていれば分かる。この瞬間のために苦しんだのか、これがハッピーエンドなのか・・・と。皆が死んでしまったら、気づけない。だから生きて。あなたが幸せに生きること、それが彼の願いだから。」
少女神は、涙がこぼれ落ちるドンギョンの頬を撫でながら言いました。
滅亡はその日、露店で花を売る老婆の“滅亡”を見届けていました。
滅亡は、残された花をドンギョンに持って行きました。
離れないで、ずっと一緒にいよう・・・とドンギョンは滅亡を抱きしめました。
その日から、2人は常に一緒でした。
一緒に散歩をし、食事をし、眠りました。
滅亡を忘れることはないだろうとドンギョンは思いました。
滅亡が去り、自分の人生が始まるとしても、朝になると、春が来ると滅亡のことを思い出すだろうと思いました。
そんな人生は、滅亡と変わらないのではないだろうか・・・と思いました。
そして本来ならば、ドンギョンの命が尽きる予定の前日。
皆にプレゼントが届きました。
ジナには万年筆。
ソンギョンには、彼から渡された通帳と・・・あれは何
スジャにはバッグ。
ドンギョンは両親の納骨堂に行きました。
怖いと呟きました。
その瞬間、自分がどんな選択をするのか、自分でも分からないからです。何を選んだとしても、心は痛いと思いました。それが怖いと・・・。
外で滅亡が待っていました。
一緒に行こう・・・と滅亡はドンギョンを図書館に連れて行きました。仕事だと言いました。
「単語が消える。」
と、滅亡は言いました。使われなくなった単語たちが猛烈な勢いで消えていっていると言いました。
永遠に消えない単語もある・・・と滅亡。
「憧憬(ドンギョン)、人間(サラム)・・・。」
滅亡はドンギョンが眠っている間に、少女神の元に行きました。別れの挨拶に来た・・・と。
ドンギョンが滅亡を願ったとしても、それが叶うかどうかは分からないと少女神は言いました。不確かなものなんだから・・・と。
「だから、それに賭けてみたら?」
いいや・・・と滅亡は首を振りました。確実な方に賭けると。ドンギョンを確実に生かせる方に・・・と。
「守るべきものだったんだ。約束もあいつもこの世界も。」
私はもう少し生きることにした・・・と少女神が言いました。
人間の心臓に頼ってもう少し生きてみたいの・・・と。
そう思うのは、神にとっても初めてのことだったようです。
まだ見たいものがあるから・・・と言いました。美しく咲いた花を見たい・・・と。
鉢植えの滅亡だと言ってたヤツ
滅亡が戻ると、ドンギョンが不安に苛まれていました。
もう消えてしまったんじゃないかと、パニックになりそうでした。
「誰も愛せない様にして」
と、ドンギョンは滅亡に頼みました。ダメな事だと分かっています。
でも、一つ願いを叶えてくれると言うのが、契約の条件だったじゃないかと、泣きながら滅亡に頼みました。
自分だけ生き延びても、何の意味もないと、泣きじゃくるドンギョン。
意味はある・・・と滅亡。
「お前やお前の愛する人たちを失えば俺は空虚な世界で一人きりだ。人間はまた愛せるよ、ドンギョン。」
泣き止んだドンギョンは、滅亡に言いました。
滅亡の世界に連れて行って・・・と。
そこはドンギョンと滅亡二人だけの世界でした。
街は同じでも、人間はいません。現実の世界から、人間だけが消えてしまった世界でした。
消えゆく者たちによって滅亡は存在していました。だから、全て滅びたこの世界では、滅亡は無でした。
ドンギョンは教会に連れて行ってもらいました。
人間のいない世界には神もいないと滅亡は言いました。
でも今は自分がいるから・・・とドンギョンは祈り始めました。
何を祈った?と聞かれドンギョンは答えました。
「誰も愛せない様にしてと祈った。」
そして言いました。愛してる・・・と。
あなたが最愛の人になってしまった、愛してしまってごめんね・・・と。
ありがとう・・・と滅亡が言いました。
そして、キスしました。
滅亡が消えて行きました。
お前を幸せにするために俺は生まれて来た、教会でお前の幸せを祈った・・・と。