前回の記事は、こちらから。
世子ホンウィは、トウォン君を兄と思い、スヤン大君にも以前の様な警戒心は無くなってます。
トウォン君も、弟のように思ってるんでしょうね。世子でもあるから、余計に大切・・・と。
世子は、宮中ではしきたりに縛られて自由に振舞う事が出来ないので、スヤンの屋敷に来て足を伸ばして本当にリラックスしていました。
食事の用意をスヤン妻ユン氏とジョンが始めました。そしたら、世子お付きの内侍が慌てて止めます。世子は宮中で食べているのと同じものを食べなければいけない決まりがあるとか。毒殺を警戒してのことのようで。
それでも、構わずユン氏達が作った料理を出したんです。食べる時になっても、血相変えて内侍のオム・ジャチが止めようとしました。それを治めたのは、ジョン。
自分が毒味して見せたのです。
そんな事からも世子は、いっそうスヤンの家族に親しみを感じるようになりました。
文宗もそれは同じのようで。
キム・ジョンソや世宗の側室へビンがしきりにスヤンを討つようそそのかしてますが、疑う気持ちが無いわけじゃないけど、幼いころから仲の良い兄弟だった気持ちも、勿論あるわけですから。
だから、世子には、自分亡きあとは、スヤンを頼る様言っていたのです。
そこまでしないと王座は守れないのか?・・・と絶望的な気持ちになっています。
とにかく、必要以上に警戒しまくってるのは、今のところへビンのようですね。キム・ジョンソも世子に無事王位が継承されることを望んでいるのですが、へビンほど鬼気迫ってはいないようです。
世子に王位が継承され、スヤンがその世が安泰に行くよう、協力し支えてほしいと思っているのでしょう。
スヤンを信じていますから・・・とジョンソは言いました。
一方、スヤンも、周囲の王族たちから、キム・ジョンソを警戒するようしつこく言われていて、本人の意思とは無関係に事は危うい方向に進んでいるというのが本当のところの様です。
文宗から、世子を頼むと言われ、本心から世子を守ると約束しました。本心だよね?
そうやって、両派の思惑が入り乱れている中、とうとう文宗が危篤に陥りました。傍で見守っていたいという世子を、無理やりへビンとオム・ジャチが東宮に閉じ込めました。
文宗が亡くなったら、何が起こるか分からないと、恐れたからです。
でもね、危篤のニュースは、内侍を通じてスヤンにもたらされました。
急いで宮中に参じたスヤン。でも、オム・ジャチはしらばっくれて、スヤンを通してくれません。王は就寝中だ…と言って。
そのまま王宮の門前で跪いたままのスヤン。
なかなか帰らないスヤンを心配していてもたっても居られないユン氏。息子のトウォン君に宮殿に行って協力するよう言いましたが、ジョンはそれに反対しました。
スヤン大君には何か考えがあるんだろう・・・と言って。
そして、王族の長老、世宗の兄のヤンニョン大君にこの一件を知らせ、力を借りた方が・・・と助言したのです。
素晴らしい
ヤンニョン大君は長老であり、彼が一声かければ、当然他の王族の協力も仰げます。元々、ヤンニョン大君はスヤンが後を継ぐ方が良いと常々公言してましたからね。
ヤンニョン大君は、他の王族達に声をかけ、スヤンが跪く王宮の門前に急ぎました。トウォン君も一緒です。
そして、キム・ジョンソと対立を露にしたのです。
内侍たちも、それぞれ思いは違うようです。
世子のため・・・というのは同じでも、世子のためにスヤンを誅せねば・・・という考えと、幼い世子に世を任せるのはいかにも不安なことだから、ここはスヤンが王位に就いた方が良い…という考えとに分かれるのです。
文宗は、病弱だったため、情報は内侍を通じて…と言う事が多かったようで、そのため、内侍や尚宮たちを重用していたらしいんですね。だから、彼らの文宗に対する忠義心は並々ならぬものだったようです。
ところで、オム・ジャチとへビンは、キム・ジョンソにスヤンを討たせ、そのあとでキム・ジョンソを追い落とそうと企んでいますよ。おいおい・・・
キム・ジョンソは、世子の元に行き、スヤンを信じてはならない…と言いました。
王の指名は、大妃と王妃がするものらしいです。でも、この時点でその二人とも居ません。よって、王族が王を指名することになるんだそうで。だから、世子は後継者ではあるけど、王位につけるかどうかは分からないんですってよ。
だからこそ、世子を東宮に閉じ込めているんだと、王族から守るために・・・と。
自分を信じてほしいとキム・ジョンソは言いました。
でもね、世子は、スヤンを頼る様父から言われていたし、トウォン君とも心を許した間柄ですからねぇ。信じたいですよ。キム・ジョンソよりずっと頼りたいですよね。
その直後の、トウォン君が世子の元を訪れました。会うのを禁止されていましたから、内侍の協力の元にこっそりと入ったのです。
そして、父スヤンを信じてほしいと、命を助けてほしいと泣いて頼んだのです。
トウォン君の言葉で、キム・ジョンソがスヤンの命を狙っていると言う事を知った世子。そこまで事は切羽詰まっていたんだ・・・と気付いたようです。
でも、自分にそんな力があるかどうか不安になった世子です。それでも、トウォンにきっぱりと約束しました。
「約束しよう。」
周囲の雑音が騒々しい中、文宗は息を引き取りました。
遺言は、王族の者たちが承る・・・というのが慣例だったようですが、この時は、オム・ジャチがキム・ジョンソとファンボ・インのみを枕元に呼び入れていました。
でもね、既に文宗は意識不明になっていましたので、特に遺言などは無かったのです。しかし、キム・ジョンソは、‘世子を頼む’と言う遺言を残した・・・と嘘を。
まぁ、嘘とも言い切れませんね。それが文宗の唯一の願いだったわけですから。今じゃ無くても、常々何度も聞いていたことですからね。
スヤンは、どうすれば良いのか、苦しんでいます。
世子は、スヤンに頼ろうとしています。自分を守ってほしい・・・と。キム・ジョンソが怖いのです・・・と言いました。
そんなふうに自分を頼って来る幼い甥を殺さないと自分は生き残れないんだろうか・・・とスヤンは亡き兄の文宗に問いかけていました。