マッタリ風景

散歩写真と戯れ言のブログ

発売延期

2010年07月03日 | 福島潟












午前中は凄く日差しが強くて、気温もグーンと上昇、真夏の空模様でした。
でも、午後からは曇り始めて、夕方前には薄い雲が空を覆ってしまいました。
気温は高めで、湿気が多いので、不快指数が高く感じます。

午後からビュー福島潟へ出かけて来ました。
今日から、天野尚氏の写真展「美しき新潟の風景」がスタートするんですが、午後1時半から記念講演「THE LAST AMAZON最後のアマゾン」を聞きに行ってきました。
有名な写真家ですので、ホールはほぼ満員になりました。

写真集「THE LAST AMAZON最後のアマゾン」が発売されるんですが、その撮影エピソードを1時間30分に渡って講演が行われました。

多分、写真集を見ると、アマゾンの美しい景色に驚くだろうと思いますが、撮影の様子を聞いてみると、私のように日本の生活に慣れてしまった人間は多分行けないなと感じましたね。
なにせ、人間が狩猟採集をやっていた時代と同じ環境、しかも命に関わる危険が一杯なんですから。

広大なアマゾンは、世界の真水の2/3、生物種類の半分、世界の酸素の20%を生産する生物多様性に富んだ地域だそうです。

手付かずの自然を相手にするので、撮影は船で往復一ヶ月の行程だそうです。
この一ヶ月という行程は、フィルムが関係しているとは驚きでした。
天野氏は、大判フィルムを使うカメラで緻密な風景を撮影します、ところがアマゾンの厳しい環境は、フィルムの性能を一ヶ月間しか保持できないのです。

生活環境も大変です。
湿気の多い環境なので、ベッドにキノコが生えていたり、布団はいつも水分をふくんでジメジメ状態。
船に冷蔵庫がないので、食料品は沢山積めませんから現地調達せざるを得ません。
一つは現地の集落へ行って、持参した薬とかシャツと食料品を物々交換。
もうひとつは、アマゾン川で釣りをして、川魚を食料にするそうです。
有名なピラニアは、刺身にすると凄く美味しいし、ワニの刺身(ワニは尻尾が一番美味しい部分だそうです--ステーキで食します)も美味だそうですね。
ただ、現地の作法は高温多湿なので、燻製にして保存性を高めて食しているようです。
アマゾンで一番のご馳走は、なんといってもカメで、甲羅を鍋代わりにしちゃうとは驚きです。
なお、天野氏曰く、世界中どこへ行くにも、醤油と山葵を持ってゆけば何とかなるとそうですが。

アマゾンは、危険も一杯です。
川を歩くときは忍足が鉄則で、ワニや淡水エイを踏みつかないように歩かなければなりません。
万一、踏みつけてしまうと、自分の足とお別れになる可能性が大なんだそうです、恐ろしいですね。
そんな危険な川に潜って撮影するんですが、潜ると少なくても周りに30匹くらいはピラニアが見えるそうです、ピラニアの数が増えない前に撮影を終わらせるのがコツだと言っておらました。
現地の人は絶対に川には潜らないそうですし、アメリカの写真家に「カミカゼ」呼ばわりされたそうですが、うなずけます。
普段の生活でも、常に虫がまとわり付いています、皮膚の弱い人はもう駄目でしょうね。
川がお風呂代わりですが、軟水なので石鹸の泡立ちが抜群な上に、水温が40度弱で偉く良い環境です。
ただ、長時間川に浸かっていると、軟水が原因で体が凄くふやけてしまうので、これまた大変ですね。
もちろん、ピラニアなんかもいますので、長湯は禁物でしょう。

アマゾン川は水の色が白かったり黒かったりするんですが、黒くなる原因を見つけたのは天野氏だと言っていました。
木の葉っぱが川に落ちて、川底に堆積すると、紅茶が抽出する原理と同じで、葉っぱの成分が溶け出して、その成分の色が原因で黒く着色するそうです。
白い水は、灰が水に混じったのが原因です。

生物の多様性に富んだアマゾンでは、動物の遺骸を見ることはありません。
なぜならば、遺骸を含めて食物連鎖の中で全て消費されてしまうからです。
こんなアマゾンも、開発が進んでしまって、木は輸出のために伐採され、焼かれ続ける森の面積は、何と一時間に野球場の何倍にも値するそうです。

あとは、覚えている項目を羅列します。
乾季と雨季では水位が15メートルも違う。
アマゾンは、赤道に沿っているために、星を長時間撮影すると、星の軌跡は縦に流れる。とある山の上から360度を撮影すると、なんと200キロ先まで人工物が見えない。
川砂は、不純物が混じっていないので、歩くと海の鳴き砂と同じような音がする。
アマゾン川は、180度の蛇行を繰り返すので、船に乗っていると全然先に進んだ感じがしない。

暗くてメモを取れなかったので、取止めのない内容ですし、もしかして記憶違いがあるかも知れませんがご容赦を。

今日の記念講演は、「THE LAST AMAZON最後のアマゾン」の出版にあわせて行われました。
ところが、トラブルが発生して出版が急遽延期になったそうです。
でも、ビュー福島潟だけは特別に許可を得て販売をしますのでとアナウンスされたので、講演が終わった途端に行列が出来ていました。
もちろん、天野氏自らのサイン入りです。
もちろん私もと言いたいところですが、財布の中身がいささか心もとなくて、行列を横目で見ながらビュー福島潟をあとにしました。
1階の売店にも置いてあったので、先行購入されたい方は、訪れてみてください。


講演が終わってから、遊潟広場へ行ってみました。
蓮の花の様子見なのですが、ちょっと見ない間に湖面は蓮で埋め尽くされていました。
もちろん、開花した花もあります。
ただ、盛はもう少しあとになると思います、さすがに夕方近くなので蕾ばかりでしたが、一輪だけ時間外れに開花していた花を撮影することができました。
























コメント
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