■パパの家 / Jermaine Jackson (Motowm / ビクター音楽産業)
オールディズ趣味にどっぷりと浸かっていた昭和48(1973)年頃には、当然ながら、そういう味わいを持ったメロディやカバー物にも惹きつけられていました。
本日ご紹介のシングル盤も、その中のひとつとして、私の大好きなカバーバージョン♪
オリジナルは Shep & Limelites という所謂ドゥーワップのグループが、1961年に大ヒットさせた、オリジナルタイトルは「Daddy's Home」という「泣きメロ」の名曲 ♪♪~♪ その魅力は本当に絶大で、我が国でもキングトーンズやシャネルズはもちろんのこと、山下達郎までが影響を多大に受けたオリジナル曲を歌っているほどですから、きっと皆様も耳にしたことがあろうかと思います。
で、これを歌っているジャーメイン・ジャクソンは、ご存じ、マイケル・ジャクソンの実兄で、この当時は2人ともジャクソン5というファミリーグループをやっていたのですが、当然ながら一番の才能があるマイケルは、既にソロ歌手としても評価が高かったのですから、ルックス的にはグループ内で最高の人気があったジャーメインにしても、ソロ活動を並行させるのが業界の掟でしょう。
そして幾つかのヒットを出しているのは言わずもがな、中でもこの曲は全米チャートの9位にランクされる成功作となっています。ただし我が国ではイマイチ……。
しかし、ここでの素直な歌い方は、なかなか魅力的ですよ。
失礼ながらジャーメインはマイケルほど歌のフェイクが上手くないのが、逆に良かったというストレートな表現が結果オーライだったのでしょう。ジーン・ペイチのアレンジも良い感じ♪♪~♪
また、さらにグッと惹きつけられるのが、B面に収録された「君の胸に抱かれたい / Take Me In Youre Arms」です。
これは一応、同じモータウンに所属している女性歌手の Kim Weston が1965年にオリジナルヒットさせたアップテンポのR&B曲ですが、今となってはドゥーピー・ブラザーズが1975年に出したカバーヒットバージョンが一番有名かもしれません。
しかし両方のバージョンを聴き比べて瞭然なのは、直線的なノリを重視したキム・ウェストンの特攻歌唱よりも、相当に白人ロックど真ん中というドゥーピーズのバージョンがカッコイイ! というのは時代の流れというものでしょう。
そして、そのドゥーピーズが元ネタとしていたのは、このジャーメイン・ジャクソンのバージョンなんですねぇ~♪
実にスマートな黒人フィーリングがモロに最高のロッキンビートで演じられた快演!
ということで、凄すぎる弟にはどうしても負けてしまったジャーメイン・ジャクソンですが、そのカッコ良さと粋なスタイルはファンも多いと思います。
と書きながら、サイケおやじは、このシングル盤だけしか所有していないのですが、とにかく両面ともに魅力の1枚ということで、本日はご理解願います。