OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ビリー・プレストンのライブ盤、驚愕の再発CD

2009-05-23 12:40:17 | Soul

Billy Preston Live European Tour 拡張版 (A & M / ユニバーサル = CD)

CD時代になっての再発には驚くべき発掘も多いのですが、このブツにもド肝を抜かれました!

内容はビートルズやストーンズのサポートメンバーとして一躍有名になったビリー・プレストンが1974年に発売したライブアルバムで、その内容は1973年に敢行されたストーンズの欧州巡業から、その前座公演を収めたものです。

メンバーはビリー・プレストン(key,vo) 以下、Huby Heard(key)、Kenny Lupper(key)、Manuel Kellough(ds)、という当時としては画期的な3キーボードのレギュラーバンドに、ストーンズのメンバーだったミック・テイラー(g) が加わっての熱演が楽しめます。

そしてこのアルバムは当然ながら日本盤がリアルタイムで発売され、ニューソウルのファンはもちろんのこと、ストーンズファンにも要注意だったんですが、この復刻CDには「US Version」と「UK Version」のふたつが収録されており、サイケおやじには???

結論から言うと、なんと「US Version」は当時は未発表!?

そして実際に聴いてみると、「US Version」と「UK Version」は完全に異なる演奏と言って過言ではないのです。

ちなみにサイケおやじがリアルタイムで入手して聴いていたのは日本プレスの「UK Version」でありましたから、そのあまりの違いに震えが止まらないほどでした。しかも、それに気がついたのが、昨夜の出来事なんですから、冷や汗もびっしょりでしたよ。

★US Version
 01 Day Tripper
 02 The Bus
 03 Let It Be
 04 Will It Go Round In Circles
 05 Let's Go Get Stoned
 06 Space Race
 07 Amazing Grace
 08 That's The Way God Planned It / 神の掟
 09 Outa-Space

★UK Version
 10 Day Tripper
 11 The Bus
 12 Let It Be
 13 Let's Go Get Stoned
 14 Billy's Bag
 15 Will It Go Round In Circles
 16 Outa-Space
 17 Higher
 18 Get Back

では、何故にこうした事情になったのかは、このCDの付属解説書を読んで納得というか、どうやらリアルタイムではアメリカ盤が出なかったらしく……。それが日本での再発にあたり、本国レーベルから送られてきたマスターが、その幻となっていた「US Version」だったと解説されているのですが、確かに私自身も、問題のアメリカ盤は現物を確認しておりません。

肝心の中身はビリー・プレストンが十八番のキーボードファンクを軸に、この人だけに許されるビートルズナンバーのタフな改変が、なによりも注目でしょう。もちろん英米両パージョンの違いも楽しいところ♪♪~♪

まず「Day Tripper」ではガンガンに迫ってくる三層構造のキーボードグルーヴをメインにしながらも、アメリカバージョンでは随所に得意のリックを弾きまくるミック・テイラーの潔さ! ハードなドラムスの存在感にもロックとソウルの融合が顕著です。しかしこれがイギリスバージョンでは、些かメリハリの無いミックスで、演奏そのものも違っています。

また説明不要の「Let It Be」では、ビリー・プレストン持ち前のナチュラルなゴスペルフィーリングが心地良く、また例の屋上セッションの夢をブッ飛ばすかのようなハードロックファンクに仕立てられた「Get Back」にも、ある意味で溜飲が下がります。もちろんミック・テイラーのギターは燃え上がっていますよ♪♪~♪

このあたりの痛快さは、ビリー・プレストンのオリジナル曲でも遺憾無く発揮され、ファンキーオルガンが炸裂する「The Bus」、自身の大ヒット曲「Will It Go Round In Circles」、そして極みつきのファンキーインスト「Outa-Space」を聴いていると、ストーンズのサポートメンバーでありながら、母屋を乗っ取る寸前にまで強烈な存在感を示してしまった1975~1976年のツアーを予感させますねぇ~♪

実際、ここでの「Outa-Space」は、英米両バージョンとも、激ヤバにカッコイイですよ! ミック・テイラーも自分が率先して楽しんでいる感じが憎めません。スライでお馴染みの「Higher」へと流れていく仕掛けも最高です。

一方、シブイというか、ビリー・プレントンが下積み時代からバックバンドの一員を務めていたレイ・チャールズのヒット曲をカバーした「Let's Go Get Stoned」が、ハートウォームな好演♪♪~♪ ちなみにこれは、ほんのちょいしか歌われなかったイギリスバージョンよりは、きちんとワンコーラスを聞かせてくれるアメリカバージョンがお勧めです。

さらにアメリカバージョンだけに入っている「Amazing Grace」が、これまた説明不要のディープゴスペル! ビリー・プレストンのハモンドオルガンをメインにしたインストながら、この敬虔なファンキームードの良さは絶品ですよ♪♪~♪

そして続く「That's The Way God Planned It / 神の掟」はアップルからのアルバムに入っていた、私の大好きなゴスペルロックの大名曲ですから、このパートがあればこそ、アメリカバージョンに接した喜びは最高潮! もう、なにもいらない! 本当にそう思わされるのがサイケおやじの本性です。

ということで、付属解説書によれば、アメリカバージョンの発掘は既に2002年、公となっていたそうです。しかし私は完全にノーマークでした。そして昨夜、なんとなくCD屋の店頭に並んでいた紙ジャケ仕様のこのブツを発見! 驚愕感動の嵐だったというわけです。

どうやら英米両バージョンが纏めて収録されたのは、これが初めて!?

つまりは聴き比べも楽しいわけですし、何よりもビリー・プレストンの実力とライブの素晴らしさには圧倒されると思います。もちろんミック・テイラーのギターも痛快至極ですよ。

あぁ、再発CDは本当に侮れません!

どうやら限定盤らしいので、気になる皆様は早めにゲットしましょうね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする