OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ベンチャーズ歌謡が好き!

2009-09-24 11:16:59 | 歌謡曲

京都の恋 / 渚ゆう子 (東芝)

所謂ベンチャーズ歌謡の三大ヒットのひとつとして忘れられないのが、本日ご紹介のシングル曲でしょう。

ちなみに、その「三大」とは昭和41(1966)年の「二人の銀座 / 山内賢&和泉雅子 (東芝)」に翌年の「北国の青い空 / 奥村チヨ (同)」を加えたものと私は断じていますが、とにかくベンチャーズが作曲したメロディに日本語の歌詞をつけるというアイディアは画期的でした。

というか、ご存じのようにベンチャーズはエレキギターで日本にロックの夜明けをもたらした功績と共に、そこから派生したグループサウンズやエレキ歌謡がある事実を鑑みれば、本家が作り出す歌謡曲っぽいメロディが、我国でウケないわけがありません。

そこに着目した企画は、おそらくは東芝の制作現場での発想でしょうが、本当に秀逸だと思います。

実際、その端緒となった前述「ふたりの銀座」はウルトラ級の大ヒットでしたし、「北国の青い空」にしても、奥村チヨを本格的にブレイクさせた印象が強く残っています。

さて、肝心の「京都の恋」は昭和45(1970)年春頃に発売されたもので、その流れとしては昭和42(1967)年の「東京ナイト / 山内賢&和泉雅子 (東芝)」に続くものですから、実に久々のベンチャーズ歌謡♪♪~♪ しかも真相には当時の日本で開催されていた万国博覧会の記念曲という企画があったようです。

そして結果は大ヒット!

ちなみに歌っている渚ゆう子は昭和40(1960)年頃から、いろいろな芸名でハワイアンや沖縄芸能をやっていたキャリアがあるベテランでしたから、まず、その穏やかで芯の強いボーカルスタイルが、哀愁ロック系の曲メロにジャストミート♪♪~♪

実は、どこかで聞いたことがあるようなキャッチーでミステリアスなメロディラインは、ストーンズの「黒くぬれ! / Paint It Black」のパクリであることが、後にベンチャーズのメンバーからカミングアウトされ、実際、最近のステージでは「黒くぬれ! ~ 京都の恋」のメドレー演奏が人気となっているほどです。

しかし、それにしても外タレのベンチャーズが、どうしてこうも日本人向けのメロディを作れてしまうのかは、大きな謎ですよねぇ~。

そして昭和40年代後半には、この「京都の恋」をきっかけにして、多くのベンチャーズ歌謡が日本中を席巻したのです。例えば渚ゆう子では「京都慕情」や「長崎慕情」、小山ルミの「さすらいのギター」、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」等々の大ヒットは忘れられません。

結局、日本の音楽シーンに一番大きな影響を与えたのはベンチャーズだったのです。これは揺るぎない事実でしょう。

現実的な事を言えば、ベンチャーズの人気は本国アメリカでは1967年あたりから下降線を辿り、メンバー交代も度々行われていた時期に、日本では第二の全盛期を迎えつつあったのです。もちろん来日コンサートは満員の盛況でしたし、その巡業やテレビ出演では、前述した女性歌手がゲスト参加した共演が、たまらない楽しみになっていました。

もちろん現場では、あくまでもビジネス優先の仕儀だったのでしょうが、そこには何かしらの「信頼」があったのだろうと、私は思っています。いや、そう思わなければ、先に提出した「何故に彼等は日本人の大好きなメロディを云々」という謎が解けないと思うのです。

ちなみにベンチャーズには日本の歌謡ヒットを素材にした「ポップス・イン・ジャパン」という企画LPが数枚、残されていますが、イケイケの最先端ロックファンからはリアルタイムでコケにされていたアルバムも、サイケおやじにとっては愛おしい限り♪♪~♪

いずれはご紹介する所存ということで、本日は「京都の恋」を聴いております。

コメント (7)
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