OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ギラギラに輝いていた安西マリア

2010-07-05 17:01:32 | 歌謡曲

涙の太陽c/w砂に消えた涙 / 安西マリア (東芝)

ということで、今日はいよいよ安西マリアの登場です。

ご存じのとおり、彼女はセクシー路線のアイドル歌手として昭和48(1973)年にデビューしたわけですが、当時の芸能界には明らかに清純派というジャンルも並立して存在し、同期には例えば桜田淳子、浅田美代子、あべ静江、アグネス・チャン等々が人気を競っていました。

しかしそんな中にあって、サイケおやじを魅了したのは、やっぱり安西マリア!

しかもデビュー曲が和製ポップスリバイバルの決定版「涙の太陽」だったのですから、たまりません♪♪~♪

ちょいとフィリピーナ系のルックス、しなやかな肢体、そして幾分ベタベタした声質によるパンチの効いた歌い回しは、まさに昭和40年代後半の爛熟文化期にはジャストミートで、もちろん「お水」系のフレィヴァーが良い感じ♪♪~♪

後に知ったところでは、デビュー当時はモデル出身というウリも、実は銀座のクラブでスカウトされたという真相があって、う~ん、さもありなんです。しかもきっちり、欧米人の血が入っているんですから、日本男児は本当にイチコロでしたよ。

さて、肝心の安西マリアの「涙の太陽」ですが、これは歌詞が青山ミチのバージョンに由来した日本語です。そしてエミー・ジャクソンのバージョンがエレキ歌謡ならば、こちらは当時流行のブラスロック歌謡がど真ん中!

ヘヴィな重低音ブラスと思わせぶりなビート、さらに唸るエレキギターが演出するイントロから一転、スピード感満点にブッ飛ばす安西マリアの痛快なボーカルを煽るバックの前ノリグルーヴが、実に最高! ブリブリにドライヴするベースとディストーション全開のギター、さらにレーシングサーキットみたいなSEもキマッていますねぇ~~♪

もちろんストリングとプラスのアレンジも大胆にして細密! 編曲担当の川口真は冴えてます!

あぁ、何度聴いても十代のあの頃にトリップしてしまうですよ♪♪~♪

実はこのシングル盤が発売されたのは、ちょうど37年前の今日、つまり7月5日でしたから、リアルタイムの安西マリアも真夏の歌ということで、露出度が高い衣装とセクシーなアクションを出し惜しみしていませんでした♪♪~♪ ゆえにシビレも正比例して増大したというわけです。

ちなみに録音セッションのデレクターは当時の東芝に所属していた草野浩二で、もちろん往年の和製ポップスやオールディズカパーで一世を風靡した坂本九、森山加代子、弘田三枝子、スリー・ファンキーズ等々を大スタアに押し上げた辣腕は、1970年代になっても安西マリア、ゴールデン・ハーフ、渚ゆう子といった東芝系歌謡ポップスの確立に貢献しています。

その意味で、このシングルB面に収録の「砂に消えた涙」は、弘田三枝子やザ・ピーナッツによって既に日本語バージョンがヒットしていましたから、A面との兼ね合いは実に上手いカップリングだと思いますし、水気の多い安西マリアの歌唱が、これまた忘れ難い印象を残しますよ♪♪~♪

つまり安西マリアはデビュー当初から極めてポップス色が強いプロジェクトの中でスタアになったのです。それは彼女がルックスだけでなく、歌の実力でも、当時としては飛びぬけて洋楽っぽい味わいに満ちていた証でした。

そして以降の楽曲は、所謂歌謡ポップス路線の最先端を突っ走り、また制作されたアルバムにはオールディズカパーがセンス良く収められるという、なかなかニクイレコードがどっさりあります。

しかし現実は、その人気絶頂の末期に如何にも芸能界らしいスキャンダルに巻き込まれ……。その所為でしょうか、彼女も難病に冒されたりしてリタイアしていきました。

近年ではボチボチと活動も再開しているようですが、やっぱりデビューから数年間の輝きは、この歌の歌詞どおり、ギラギラの太陽の如く眩しくて強いものでした。しかも残された楽曲はいずれも高水準なんですよっ♪♪~♪

それらはいずれまた取り上げたいと思いますが、願わくば音源のコンプリートボックスや映像発掘にも期待しているのでした。

コメント (4)
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