■太陽は泣いているセンセーション'78 / 山内恵美子 (日本ビクター)
昨日は湿っぽい事を書いてしまったので、本日は心機一転、スカッと情熱のディスコ歌謡を取り出しました。
ご存じ、いしだあゆみが昭和43(1968)年夏に大ヒットさせた「太陽は泣いている」のカパーとはいえ、あえて「センセーション'78」と銘打っているあたりは文字どおり、昭和53(1978)年夏の芸能界流行事情を今に伝えるものになっています。
それはスバリ! サンタ・エスメラルダ調というスパニッシュ風味のディスコサウンドを大きく歌謡曲に取り入れた、ある意味では賞味期限に注意が必要な商品でもあり、また一方では、何時聴いても、腰が浮いてしまうという、人間本来の本能に訴えかけてくる普遍性を併せ持った狡さをどうとらえるか!?
なぁ~んていう命題がつきまとう仕上がりなんですねぇ~~♪
つまりそれほどの快楽性がモロに出ているのが、この「太陽は泣いているセンセーション'78」というわけです。
そして歌っている山内恵美子は東映から昭和48(1973)年にデビューした女優の「山内えみ子」であり、また翌年には歌手デビューも果たした「山内えみこ」でもあり、さらには後年「山内絵美子」として活躍した華やかな美女♪♪~♪
もちろん最初期にはヌードやキワドイ衣装、極小水着がお約束の存在だったのは、芸能界入りする前はモデルとしての活動があったからですし、男好きのするスタイルとキツイ面立ちが絶妙のコントラストを見せてくれたのは、本人の恵まれた資質と言う他はありません。
失礼を承知で書かせていただければ、自然体というよりも、それほどの努力を感じさせずに周囲を魅了してしまうところに、山内恵美子の魅了があった気がしますし、歌の世界でも、それは堂々と通用していたと思うばかり!?
で、肝心の「太陽は泣いているセンセーション'78」は既に述べたとおり、スパニッシュ調ディスコサウンドに拘ったアレンジになっているんですが、当然ながら作者の筒美京平が自ら仕掛けた目論見は、同時期に大ヒットしていた中原理恵の「東京ららばい」を踏襲した路線であり、いしだあゆみのオリジナルバージョンでは「そこはかとない」せつなさを表出していた橋本淳の綴った歌詞が、ここではなかなかアッパーな雰囲気に転化されているのですから、侮れません。
そこにはカラオケパートの勢いに満ちた演奏が必須なのは言わずもがな、山内恵美子が十八番のツッパリムードを全開させたイケイケの歌唱が良い感じ♪♪~♪
まさに山内恵美子が歌ってこそ、「センセーション'78」というサブタイルが生きてくるんじゃ~ないでしょうか!?!
ということで、ディスコ歌謡には娑婆の諸々、せつなさも暗さも、時には不条理な悲しみや諸行無常の真理さえも霧散させてくれる魔法があって、ついつい「笑い飛ばす」と似て非なる「踊り飛ばす」という用語が浮かんでしまうのは、サイケおやじ本性露呈の享楽性! と、ご理解願いたいところです。
最後になりましたが、山内恵美子の女優としての活動では、やはりデビュー期に東映で主演した「番格ロック(内藤誠監督)」における、山内えみ子名義の演技が忘れ難く、これはぜひとも多くの皆々様にご覧いただきたい傑作なんですが、劇中にロックバンドのキャロルが映っている所為で、ど~してもパッケージ化が不可能になっています。
それはご推察のとおり、キャロル側からの権利の問題が大きく横たわっているのは周知の事実なんですが、もうそろそろ、物分かりの良さを示して欲しいと思っているのはサイケおやじだけではないはず!
何か本日は、それを言いたくて、この文章を書いていたとは思われたくありませんが、ひとつの本音である事は確かです。
ただし、だから言って、この「太陽は泣いているセンセーション'78」が曇ってしまうなぁ~んてこたぁ~、絶対にありませんよ。
とりあえず、踊り飛ばすのが正解でしょうねぇ~~♪