OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

もうひとつのさすらいのギター

2013-08-10 14:41:45 | 歌謡曲

さすらいのギター c/w レイニー・ナガサキ / 入江ゆみ (ハーヴェスト / ミノルフォン)

さて、これが小山ルミとの競作になった「さすらいのギター」の入江ゆみバージョンです。

もちろん発売されたのは昭和46(1971)年で、実は小山ルミのバージョンよりもちょい遅れだった所為もあるんでしょうか、結果的にこちらは売れていません。

ところが入江ゆみは同年夏に行われたベンチャーズの来日巡業にゲスト歌手として参加し、この「さすらいのギター」を歌っていたんですよっ!?

実はサイケおやじは、ベンチャーズのフルコンサートライプは、この時が初体験で、既にリードギターがノーキー・エドワーズからジェリー・マギーに交代していたんですが、それでも本物のロックのビートを激しく発散させるベンチャーズの真髄には大感激!

しかし一方、せっかくの「さすらいのギター」が小山ルミではない、失礼ながら全く知らない別の女性歌手によって披露された事には、些かの失望を感じていたのが本音でありました。

ただし今になって思い起こせば、ラテンロック系の激しいビートを打ち出すドラミングにリードされ、加えてベンチャーズ本来の持ち味であるリズム的興奮に煽られて歌う入江ゆみは、なかなか良かった気もしているんですが……。

そこで掲載のシングル盤A面に収録の「さすらいのギター」は、なんとっ!

歌詞が小山ルミ盤とは異なり、萩原ひかるによって書かれた、もっと直截的にギターと関わる内容が賛否両論でしょうか?

 あぁ~、ギターよ
 むなしい胸を
 わけもなく夕焼けが
 赤く染めるよぉ~♪

と最初から歌われてしまっては、耳に馴染んだ小山ルミの節回しがありますからねぇ~~~。

正直、ど~にもならないものは否定出来ないでしょう。

ところが後に手に入れた入江ゆみ盤を聴いてみると、基本ラインは同じながら、土持城夫の編曲によるグリーンポップスオーケストラ名義の演奏がシャープで熱いホーンセクションも含めて、なかなかにロッキンソウル!

ギターとボーカルのコンビネーションも良い感じなんですねぇ~~♪

その意味でB面の「レイニー・ナガサキ」が、これまたドン・ウィルソン流儀のリズムギターとファズ全開のリードギターが炸裂する正統派エレキ歌謡になっているのは特筆物で、サブタイトル「ひとり長崎の雨に」というテーマで作詞:津坂浩&作編曲:土持城夫の狙いは正確!

告白すれば、既に述べた違和感から、サイケおやじはB面の方が好きなほどです。

ということで、厳密な意味合いでは「さすらいのギター」をベンチャーズ歌謡に分類する事は出来ないはずなんですが、逆に言えば、ドン・ウィルソンのスタイルで弾かれるリズムギターがあれば、とにかくベンチャーズになってしまうという真理がありますからねぇ~~~。

ここでのB面「レイニー・ナガサキ」が所謂アクション歌謡路線もイケる仕様になっているのも、なかなか意味深ですし、ペンチャーズ本隊のリードギターが誰であろうとも、その個性的なサウンドの味わいは不滅という現実も踏まえ、この入江ゆみのシングル盤は隠れ人気作だと思います。

CD化されているかは不明ですが、機会があれば、お楽しみ下さいませ。

コメント (2)
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