■巴里にひとり:フランス語バージョン / 沢田研二 (ポリドール)
海外への進出を狙った日本のミュージャンは大勢登場してきましたが、もちろん成功を果たしたのは、極一握りであった事は歴史が証明しています。
特にボーカリストの場合は言語の壁が相当に厚いですからねぇ~、居直ってというか、偶然にも日本語の歌詞のまんまでヒットを飛ばした例もあるんですが、無理な外国語でヘタレを演じた事象は、論うまでも無いでしょう。
さて、そこで本日掲載したシングル盤は沢田研二=ジュリーがフランス語で歌い、見事に現地で大ヒットさせてしまたったA面曲「巴里にひとり / Mon Amour, Je Viens Du Bout Du Monde」をご紹介致しますが、案の定、ジュリーのフランス語は苦労していることが隠し様もありません。
しかし雰囲気の出し方は本人のルックスイメージどおりの見事さですからねぇ~~、忽ち欧州各国で同曲が発売されたのは自然の摂理と思うばかりです。
そしてご存じのとおり、この歌は、1975年早々にフランスで発売され、追って我国では「巴里にひとり」の邦題で日本語バージョンが大ヒットしたのですから、サイケおやじの御託なんかは無用の長物!
ちなみにジルベール・シヌエの原曲詞を訳したのは山上路夫なんですが、どっちの言葉で歌っても、ジュリーはジュリー!?
実は良く知られている真実して、フランス語では「世界の果てからやってきて、恋人に語りかける」内容が、日本語では「恋人を棄てて(?)フランスにやって来た」という正反対の歌になっているんですから、ジュリーは流石ですよっ!
最近のCMで、インチキっぽいフランス語の歌をやっている桑田某なんか、どっかにいってしまうほどでしょう。
ということで、こんなに魅惑のバラードを雰囲気たっぷりに歌える男は、そうそう居てもらっては、凡人の野郎どもは困っちまうだけです。
もちろんサイケおやじもそのひとりとして、リアルタイムでは無視していたのが掲載のブツなんですけどねぇ~、今年に入って、矢鱈に中古屋で遭遇するんで、ついついゲットしてしまったというのが真相であります。
ジュリーがライバル!?
なぁ~んてことを歌っていたアイドルも記憶にありますが、このフランス語バージョンによる「巴里にひとり」を聴いてしまっては、そんなこたぁ~、口が裂けても言えない気分なのでした。