■ゴールデン・ギター / シャープ・ファイヴ (キングレコード)
日本のロック史に登場したギタリストの中で昭和40年代、寺内タケシと双璧の存在だったのが井上宗孝とシャープ・ファイヴの三根信宏でした。
もちろん、寺内タケシの凄さは言わずもがな、誰もが瞠目させられるドライヴ感満点の豪快なフレーズと味わい深いスローな泣きメロの上手さは、聴けば瞬時に虜にさせられる魅力がストレートに伝わってくるスタイルだと思いますが、一方の三根信宏はスピード感溢れる早弾きを披露しても、それが所謂スペーシーな広がりを感じさせてくれるという、その奥行きの深さは粒立ちの良いギターの音色と相まって、最高に個性的でありました。
で、本日のご紹介は、そ~した三根信宏の天才性が存分に堪能出来るインスト曲「ゴーデン・ギター」をA面に収録した、これが昭和41(1966)年9月に発売のシングル盤で、もちろんシャープ・ファイヴの看板スタアである三根信宏が作編曲したアップテンポの名曲に偽り無し!
ちなみに当時の井上宗孝とシャープ・ファイヴはボーカルグループのシャープ・ホークスのバックバンドながら、同グループの公式レコードデビューとなった「ついておいで」の発売に合わせたかのように、シャープ・ファイヴも独立デビューとなり、それが掲載のシングル盤かと思います。
で、その「ゴールデン・ギター」は既に述べたとおり、アップテンポのギターインストなんですが、特徴的なのは三根信宏が寺内タケシと張り合うが如き所謂「じょんがらフレーズ」を乱れ打ちに弾いているんですねぇ~~~!?!
もちろん、寺内タケシとブルー・ジーンズがシャープ・ファイヴと同じキングレコードから「津軽じょんがら節」のシングル盤を出したのが、やはり同じ昭和41(1966)年というのも意味深でしょう。
このあたりは、正に聴き比べの楽しみと思いますねぇ~~♪
実は寺内タケシは翌年、つまり昭和42(1967)年に津軽三味線の名手でもあった三橋美智也と共演のシングル盤「津軽じょんがら節」を出しているんですが、そ~ゆ~歴史があるのですから、寺内タケシと三根信宏の「じょんがらバトル」も作って欲しかったですねぇ~~、禁断の領域かもしれませんが (^^;
そして、もうひとつ、書いておきたいのが、三根信宏が弾いていたギター「LG-350T」の事で、これは三根信宏のアドバイスを入れて作られたグヤトーンの銘器で、通称はズバリっ「Sharp 5」♪♪~♪
実は以前にも書きましたが、高校生になったサイケおやじが最初に手にしたエレキギターが、これだったんですよ。当然、最初は分からなかったんですが、3ピックアップでスライドスイッチの調整で様々な音が出せるという優れもので、ベンチャーズ等々のエレキインストや我が国のエレキ歌謡、そして洋楽ロックもきっちり出来る、なかなか弾き易いギターだったんですよ。
ただし、個人的にはスタイルにクセがあるというか、如何にもエレキインスト専門みたいなと申しましょうか、所謂ニューロックが流行っていた1960年代後半からはレスポールとストラトキャスターあたりのモデルが、そ~したイメージを増幅させていましたからねぇ~~、サイケおやじとしても、グレコから出ていた成毛茂モデルを入手して以降は、すっかり押し入れの中に鎮座(?)させて幾年月……。
それが先日来のエレキ熱再燃を自覚してみれば、初心を忘れずの格言どおり、押し入れから引っ張り出しての最敬礼!?
そして、その勢いで聴いてしまったのが、本日のお題「ゴールデン・ギター」というわけなんですが、あらためて考えてみると、件の「LG-350T」が初めて発売されたのは昭和42(1967)年と云われていますから、この「ゴールデン・ギター」で三根信宏が弾いているのは、???
皆様ご存知のとおり、井上宗孝とシャープ・ファイヴは昭和40(1965)年6月からテレビ放送された「勝ち抜きエレキ合戦」にレギュラー出演し、模範演奏を披露していたんですが、その時の三根信宏が弾いていたギターが何なのか?
おそらくはフェンダーかと思いますが、ちょいと明確な記憶がありません。
しかし、昭和42(1967)年になると、グヤトーン主催のキャンペーンショウが様々な場所で開催され、サイケおやじも2回ほど生演奏に接する幸せな時間を過ごさせていただきましたが、その時は当たり前に「Sharp 5」を弾いていましたですねぇ~♪
ということで、そんなこんなの謎々も、音楽を愛でる面白みと思うばかりです。
そして現在なればこその風格を滲ませる銘器「LG-350T」を整備(?)しようと目論めば、フレットの打ち直しは必須かなぁ~~。うむ、ペグも直したいし……。
とにかく、今はエレキを弾きたいです ♪♪~♪