■インパクト / 岡谷章子 (ビクター)
将来を嘱望されながら、運否天賦に翻弄されてしまうのも、この世の理のひとつと割り切れないのは、サイケおやじだけではないでしょう。
昭和62(1987)年3月に本日掲載のシングル盤を出して歌手デビューした岡谷章子は、全く……、そのひとりかもしれません。
実は彼女は子役としての履歴があり、テレビ等々でも活躍していたそうですし、一般的に知られる様になったのは昭和50年代末頃から、所謂「美少女コンテスト」において、幾つもの賞を獲得してからでしょうか、実はサイケおやじは昭和61(1986)年末だったと記憶しているんですが、某CM撮り(?)の現場で彼女を少しだけ紹介され、前述したキャリアを伝えられたのも、この時だったんですが、近々歌手デビューすると知らされていたので、ついに楽しみにしていたレコードが、この掲載盤でありました。
ただし、度々述べているとおり、その頃のサイケおやじは異郷の地へ島流しにされる寸前という時期でしたから、全く針を落とす事なく幾年月……。
ずうぅ~~っと、自宅の物置の片隅に収納されていたという、結果的に勿体ない1枚でありまして、ようやく聴けたのは、時代も平成に入ってからだったんですが、つまり……、そのA面に収録された「インパクト」が曲タイトルどおり、最高にインパクトの強い名曲名唱だったんですねぇ~~!
なにしろ作詞:岩里祐穂&作編曲:クニ河内が提供したのは、ピアノをメインに用いたアレンジがジャジーなエスニック歌謡と申しましょうか、如何にもの響きを敲くドラムスの存在も強烈な、凡そアイドル歌謡とは言い難い、ミステリアスな魅力があり、だからこそ、岡谷章子のイノセントな歌声が伝わって来るんですよ ♪♪~♪
う~ん、この曲調にして、サウンドアレンジの妙は、完全にクニ河内の世界であると思えば、これを、ここまで堂々と歌えるアイドルが存在していたという現実は、それこそ「インパクト」そのものだと思いましたですねぇ~~ (^^♪
そして当然ながら、サイケおやじは彼女の他の音源も探索に入ったのですが、ここで驚愕させられたのは、なんとっ!
平成2(1990)年、事故による顔面の大怪我で、彼女は引退……。
そして、数年後、再び芸能界に戻った時は「岡寛恵」として、声優の仕事に入り、持ち前の「インパクトの強い声質」を活かして、なかなかの活躍を展開していながら、今度は病魔に倒れ、現在は休業されているとか……。
う~ん、ですから、おそらくは歌手として残したレコードは、これっきりになるんでしょうか……。
なんとも、やりきれない思いが拭い去れません。
そして、だからこそ尚更に、このシングル盤が愛おしいというわけです。
ということで、話は変わりまして、またまたコロナ禍が拡大しており、全く予断を許さない状況の新年となりましたですね……。
今年こそはっ!
と意気込んでいた気分をスカされ、落ち込みモードではありますが、負けてらんないですよねっ!
皆様と共に、前を向いていければ、幸いでございます <(_ _)>