■Feel So Fine / Don Wilson (Liberty / 東芝)
偉大なるベンチャーズの創始者であるギタリストのドン・ウィルソンが天国へ召されました……。
もちろん、故人は高齢ですし、既に現役からは退いていましたので正直、何時かは……、という思いはありましたが、やはり……、それが現実になってしまうと、悲しみや喪失感に圧し潰されそうです……。
故人の業績については、とてもとても語り尽くせるものではありませんが、やはりドン・ウィルソンと云えば、「テケテケ」でありましょう。
良く知られているとおり、件の「テケテケ」は決してドン・ウィルソンのオリジナルな必殺技(?)ではありませんが、もしもベンチャーズで、あの「テケテケ」を故人が弾かなかったとしたら、昭和40年代からの我が国に絶大な影響を及ぼしたエレキブームは到来せず、エレキインストが流行っていたとしても、それは一過性の洋楽ヒットで終わっていたという推察は易いじゃ~ないでしょうか?
極言すれば、日本の大衆音楽事情・歴史は間違いなく別なものになっていたと、サイケおやじは強く思っています。
また、ベンチャーズでのギタリストとしての役割はサイド&リズムを一貫して弾いていた、所謂「縁の下の力持ち」であり、しかし故人がそれをやり続けていたからこそ、リードギターが誰に替わろうとも、所謂「ベンチャーズサウンド」は不変だった事は言わずもがな、古来から黒人音楽の優れたバンドには、カウント・ベイシー楽団のフレディ・グリーンやジェームス・ブラウンのバンドに去来した幾多のギタリストの誰もが、天才的なリズムギターを弾いていた事実に鑑み、黒人音楽から派生したロケンロールのバンドにも、優れたリズムギターを聞かせた名人は数多登場し、ストーンズのブライアン・ジョーンズやビートルズのジョン・レノン等々は殊更有名なわけですが、それも当時はライブステージの現場に高出力のPA装置なんてものが無かったところから、エレキであっても、リズムギターの存在こそが、エレクトリックなバンドを成立させる必須の条件だったんですねぇ~~。
だからこそ、ドン・ウィルソンは強い印象を残すリズムギターを存分に披露し、我々をエレキバンドの虜にしてしまったわけです。
で、その中でもサイケおやじが名演と思うのは、4&8ビートが混在する「Caravan」のリズムギター、また「Wipe Out」でのツイン&トリプルリードからリズムプレイに移行するロケンロールがド真ん中のピッキング等々、スタジオレコーディングだろうが、ライブ音源だろうが、とにかく熱いビートをかき鳴らしてくれた故人に感謝!
さて、そこで本日掲載したのは、故人がボーカリストとしても楽しいレコードを作っていたという証拠物件で、我が国では、1965年10月に発売され、ここに収録A面の「Feel So Fine」は忽ちラジオからも流れまくったコミックソング調のヒット曲でして、演奏パートは当時のベンチャーズとされていますが、キメのリフはベンチャーズも「nutty」の曲タイトルで演じている「くるみ割り人形」のロック的変奏からの流用であり、加えてスタジオでのSE効果やテープ操作等々をがっちり使ったアップテンポの仕上がりは、如何にもハリウッドポップスでありましょうか (^^)
もちろん、これはベンチャーズとしてのライブステージでも故人が歌ってウケまくりでしたので、途中の早弾きリードギターとか、リズム的お遊びも含めて、これも堂々のベンチャーズスタイルだと思います (^^♪
そ~ですよ、ドン・ウィルソンはエンタメ感覚にも秀でていた素晴らしいミュージシャンであり、他にもボーカル主体のレコーディングを多数残しておりましたですねぇ~~♪
ということで、実は「ムシの知らせ」と申しましょうか、掲載の私有盤は先日、借りているトランクルームから自宅へ持ち帰り、PCに仕込んでいたという因縁(?)が……!?
あぁ……、ミスター・テケテケ、永遠なれっ!
衷心よりご冥福をお祈りいたします。
合掌。