OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ド演歌エバーグリーン part-2:あなたのブルース

2022-10-29 18:15:30 | 歌謡曲

あなたのブルース / 矢吹健 (ユニオン / テイチク)

これを「ド演歌」と言ってしまえば、各方面からのお叱りは覚悟せねばなりませんが、それにしても作詞作曲&編曲:藤本卓也が手掛けた矢吹健のデビュー曲「あなたのブルース」は、昭和43(1968)年6月に発売されるや、忽ち大衆の心を掴み、ウルトラ級の大ヒットとなったのは、所謂3連のロッカバラードでありながら、そこには溢れんばかりの泥臭い情念が演歌チックに作り込まれていたからだと思いますし、だからこそ、基本的に「ド演歌」な生き方を好むリスナー、つまりは日本で暮らす我々はシビレさせられたんじゃ~ないでしょうか?

もちろん、それは矢吹健が持ち前の湿っぽくて、ネチッコイ熱唱スタイルがあればこそ、決して鬱陶しくならないボイスコントロールの上手さも含めた絶対的な歌心が、この「あなたのブルース」にはジャストミート!

しかも、現在でも驚かされるのは、そのプログレっぽい、サイケデリックなサウンド構成の妙と申しましょうか、ちょい聞きには場違い?

――と思わされてしまう女性コーラスやグルーミーな節回しを滲ませる矢吹健の歌いっぷりを違和感なく演奏パートに落とし込んだプロデュースの素晴らしさは、我が国歌謡史に刻まれた大傑作と思うばかりです。

そして、だからこそ、数多くのカバーバージョンが制作発売され、例えば藤圭子、八代亜紀、原みつるとシャネル・ファイブ、鶴岡雅義と東京ロマンチカ、森進一、天童よしみ、氷川きよし等々、正統派歌謡曲からムード歌謡までも包括したジャンルにおいても、楽曲そのものの魅力は失せる事が無いのは、真のエバーグリーンな名曲の証でありましょう。

告白すれば、実は学生時代に入れてもらっていたバンドがバイト演奏をやっていた時、雇い主からの要望により、この「あたなのブルース」をロックっぽくアレンジした事がありまして、それでも「それなり」にやれたんですから、流石は藤本卓也!

そのコツをボーカル担当の先輩から教えられてみたら、途中の「ルゥ~~ルルラルルラルゥゥ~~」というパートを上手く乗り切れば、最後までイケるそうですので、カラオケを楽しまれる皆様は、お試しくださいませ (^^)

閑話休題。

ということで、一概に「ド演歌」と云っても、サイケおやじ的な解釈としては、それなりに日本に土着の心意気に訴えかけるものという捉え方ですので、よろしくご理解願いたいところです <(_ _)>

このシリーズは、折々に継続させていただきますので、そのあたりをよろしくお願いいたします <(_ _)>

コメント (2)
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