■土曜日の誘惑 / Mott The Hoople (CBS / CBSソニー)
土曜日のワクワク感は、例え週休二日制が定着した今でも変わらないものがあるのでしょう。
ですから、これまで各方面に「土曜日」を歌った楽曲はどっさりあり、本日のご紹介も、そのものスバリ!
ただし厳密に言えば、原曲タイトルは「Roll Away The Stone」なんで、必ずしも「土曜日」ということは無いんですが、まあ、明日は休みだぁ~~♪ パァ~~っとやろうぜっ! という刹那の享楽を歌っているのですから、歌詞の一部を拡大解釈しての邦題に「土曜日」を使ったのは正解でしょう。
そして実際、ちょいとした胸キュンフィーリングを含んだメロディと曲展開は覚え易く、特にキメのギターリフ、中間部や置かれた、それこそ男も女も共に下心を隠せない台詞の囁き、おまけにシンプルなロックビートの楽しさは絶品の大ヒットになっています。
演じているモット・ザ・フープルはグラムロックバンドでもあり、またイメージとしてのパンクっぽさ、あるいは売れなかった大物ハードロッカー、そして永遠のバブルガムグループ等々、今もって様々な冠が似合う伝説のグループなんですが、基本的にはストーンズやキンクスあたりの系譜に連なる存在だと思います。
ただ、1969年の公式デビュー以来、しばらくの間は下積みが続き、また、それ以前のセミプロ時代の苦闘がマイナスに作用していた現実があり、その頃のレコードだけを聴いていると、些か気が滅入る感じは否めないでしょう。
しかし皆様もご存じのとおり、それは1972年、どういうわけかデヴィッド・ボウイに一方的(?)に気に入られ、素晴らしい楽曲をプレゼントされたばかりか、新作レコーディングのプロデュースにも名乗りを上げたことから、後はトントン拍子!?
そうやって世に出たのが傑作アルバム「すべての若き野郎ども」である事は、言うまでもないでしょう。また、同名シングル曲のヒットも鮮烈でありました♪♪~♪
ところが、ようやくスタアになった途端、バンドは内紛状態……!?
以降はグループのメンバーチェンジが頻発し、恩人デヴィッド・ボウイとの関係も悪化、さらには解散へと急加速していたのが、このシングル曲「土曜日の誘惑 / Roll Away The Stone」が大ヒットしていた頃の実情でした。
ちなみに売れっ子になっていた時期のメンバーはイアン・ハンター(vo,g)、ミック・ラルフス(g)、バーデン・アレン(key)、オヴァレンド・ワッツ(b)、デール・グリフィン(ds) という顔ぶれであり、前述したデヴィッド・ボウイとの友好関係はオヴァレンド・ワッツ経由だったと言われていますが、実質的にバンドを掌握していたのはイアン・ハンターとミック・ラルフスというのが今は定説です。
しかし、この世はすべて諸行無常のロケンロール!
というわけでもないんでしょうが、案の定、グループ内には権力闘争が勃発し、自画自賛の傑作曲「Can't Get Enough」をイアン・ハンターに拒絶された事から、ミック・ラルフスが脱退!!
もちろん件の「Can't Get Enough」は、直後にミック・ラルフスが参加するバッド・カンパニーによって新規レコーディングされ、世界的な大ヒットになったのですから、穏やかではありません。
そこで後任として迎えられたのがアリエル・ベンダーと名乗るギタリストだったんですが、なんとっ! これがスプーキー・トゥースに在籍していたルーサー・グロスナーと同一人物だったというゴタゴタもありましたですねぇ~。
おまけにバーデン・アレンもフェードアウトした事から、サポートメンバーとして巡業ライプに同行していたモーガン・フィッシャーが全面参加したのも、同じ頃と言われています。
さて、そこでいよいよ「土曜日の誘惑 / Roll Away The Stone」なんですが、これは前述のようなイザコザの真っ只中に作られた所為でしょうか、妙に退廃的な享楽感がリアルだぁ~~♪
と思うのは、サイケおやじだけでしょうか?
実はこれがヒットしていた1974年当時、モット・ザ・フープルは「バイオレンスロック」なぁ~んていう、ヘンテコリンなウリをされていた記憶もありますし、現実のレコーディングセッションやライプステージには適材適所の助っ人が良い仕事をやっていたと思います。
例えば既に述べたとおり、この「土曜日の誘惑 / Roll Away The Stone」で殊更印象的な「ギャルの囁き」を演じたのは、当時のイギリスでは最高にエロっぽかったリンジー・ディ・ポールのお姉さま♪♪~♪
土曜日のロカビリーパーティー、君は行くの?
まあ、誘ってくれるのねぇ?
君のレコード、持って行こうよ♪♪~♪
うぁ~、そうしましょう~~♪
とにかく上記のような会話の台詞をお楽しみ下さいませ♪♪~♪
何故に彼女が参加したかの経緯は真偽共に不明ながら、イアン・ハンターが一方的にイチコロになっていた!?
リアルタイムの洋楽ファンであれば、そういう推察も易いんじゃ……?
ということで、やっぱり土曜日のウキウキ感は歌の世界にも定番のネタなんでしょう。
そして何であれ、そういう会話を強引(?)に曲展開に入れ込んで、さらにそこから見事な邦題を付けてしまったあたりは、制作側の大勝利だと思います。
ただし、現場でやっているイアン・ハンターやバンドの面々は、それもロケンロール! という納得がどこまで出来ていたのか?
実はレコードが世に出た頃には、既にバンドは実質解散していたわけですし、その意味でのヤケッパチなムードが「土曜日の誘惑 / Roll Away The Stone」を最高に素敵な名曲名演にしてしまったと言えば、これは贔屓の引き倒しとばかりは言えないでしょう。
どうか今日は土曜日、そんなこんなに事寄せて、皆様にもお楽しみいただきたいと願っております。
エリアル・ベンダー加入のバイオレンスを売りにした(?)あたりが絶頂期なのでしょうが、解散ギリギリに加入したミック・ロンソン時代の音源をもっと聴いてみたかったですね。
まぁ、結局ハンター・ロンソン・バンドってことなんでしょうけど。
実は、正直申しますとモット・ザ・フープルよりもリンジー・ディ・ポールの方を良く聴いていたかも・・・。
コメント、ありがとうございます。
率直に言わせてもえらば、モット・ザ・フープルはターヘなバンドだったと思うんですよ。それゆえにシンプルな演奏や曲構成を考えていたように思いますが……。
>モット・ザ・フープルよりもリンジー・ディ・ポール
正解です♪ 私も、そうですよ(笑)。