OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

米盤「サージェント・ペパーズ」の異様

2009-09-27 08:52:19 | Beatles

Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band / The Beatles
                                                                                    (Parlophone / Capitol)

全く、ここだけが不況知らずに売れまくっているビートルズの新リマスターCDですが、もちろんサイケおやじも苦しい中で、しっかりとゲットさせられました。そして連日、少しずつではありますが、従来盤との聴き比べに勤しんでおります。

で、結論から言うと、新しいリマスターは素晴らしい!

特に「サージェント・ペパーズ」は、これまでのCDでは無様だった曲間の空きが見事にアナログ盤に近づけられているのが、まずは高得点♪♪~♪ それでも「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」と「Within You Without You」の間は、きっちり空けられていますが、これはオリジナル盤のA面とB面の境を表しているのですから、結果オーライでしょう。

まあ、本当は、ここで一端停止して、A面とB面をひっくり返す儀式を行う時間をとるのが礼儀かもしれませんね。

肝心の「音」は、ご存じのように膨大な情報量を詰め込んで作られたオリジナルマスターの味わいを大切にしながらも、さらに聴き易く整理したような雰囲気で、これは最初のCD化の時にも感じられたことですが、アナログ盤に馴染んだ耳には、些かの違和感が払拭出来ません。

しかしCD時代からの新しいファンの皆様が、これだけの音質で世紀の名盤を楽しめるのは、やはり素晴らしいことだと思います。なによりも「音」が迫ってくる、所謂「迫力」は圧巻ですよ♪♪~♪

さて、そうした「音」への拘りという点においては、本日ご紹介の米国キャピトル盤が私は大好きです。

実は告白すると、私は最初、決して「音」に拘って、このキャピトル盤を入手したのではありません。ただ、表ジャケット上部に入っている黄色のラインがデザイン的に気に入ったのと、日本盤にはついていなかった「オマケの切り抜き」が欲しかっただけなのです。

ところが実際に針を落として吃驚仰天!

繊細な力強さのイギリスオリジナル盤、あるいは柔らかな日本盤の音の印象とは明らかに異なる、エグミの強い太い音が飛び出してきたのです。特にベースや潰れたようなドラムスのエッジが、はっきりくっきりの感じがサイケおやじの好みにはジャストミート!

このあたりは良く知られているように、米国キャピトルは発売段階の初期から、ビートルズ側には無断でオリジナルの音源に補正を加えていた事実が、ここに至っても継続されていたという証でしょう。

ちなみにアナログ時代は、完成したオリジナルマスターからレコードをプレスする時に、カッティングマスターという、もうひとつのオリジナル素材が作られ、これは実際のアナログレコード盤がターンテーブルの上でカートリッジによって再生される場合、最も適した音が出るように想定して作られるものですから、そこへ各種の補正は当然でしたが、米国キャピトルの場合は特にはっきりしていたようです。

中でも米国キャピトルでは2枚目の発売となった「ザ・ビートルズ・セカンドアルバム」に収録の各曲は、特に低音域が強いド迫力の雰囲気が、英国オリジナル盤とは一線を画す仕上がりで、私は大好き♪

それが「サージェント・ペパーズ」では、混濁した桃源郷を尚更に素晴らしいものにしている雰囲気なんですねぇ~♪

もちろん、このあたりの感じ方は十人十色でしょう。微妙にエコーが強いムードも否定出来ませんし、それゆえにガサツな感じさえ……。また再生するカートリッジの特性によっても、異なる味わいが楽しめるのは言わずもがなですが、個人的には太めのMMタイプが、この時代のレコードには合っていると思います。

そしてもうひとつの仰天がB面の最後の最後に入っているはずの、あの「意味不明のお喋り」が、この米国キャピトル盤では割愛してあるんですねぇ~~~! もう、最初に聴いた時には物足りなさを超越した不完全燃焼という気分でした。精神衛生上、これは良くない!

まあ、今となってはアメリカでのオーディオ事情の主流が、1960年代中頃からオートチェンジャーを普通に装備したプレイヤーになっていたことによるものと推察出来ますが、それにしても……!?!

ということで、またまたアメリカ盤の魔力にKOされたのが若き日のサイケおやじです。実は私の世代は、子供の頃から「アメリカ一番」という教育を受けていた過去もあるわけですが、ビートルズの登場によって、それは真実ではないという自覚が生まれても尚、こんな暴挙が行われていた事実は、決して打ち消せるものではないでしょう。

そこで今回の新リマスターのCDですが、一応は世界共通のマスターを仕様していることになっているのですが、またまた各国盤で微妙に違いが現れているような気がしてなりません。

ビートルズの天国と地獄は、世界が終るまで続くように思います。

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2 コメント

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魅惑のアメリカ盤 (サイケおやじ)
2009-09-28 11:10:07
☆GORI様
コメントありがとうございます。

最近は、すっかりジャズが聴けなくなって……(苦笑)。また何時か、戻るとは思うのですが、よろしくお願い致します。

ビートルズの新リマスターCDは国内盤しか聴いていませんが、アメリカ盤も気になるところです。
以前に出た、キャピトル仕様のCDボックスの音質が気に入っていたので、聴き比べてみると、透明度と迫力は明らかに新盤が良いと思います。しかしロック的な音の表現では、キャピトルボックスに軍配でしょうか。
このあたりは十人十色なんですが、アナログ時代のキャピトルのイメージに惑わされているのかもしれません。
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キャピトル盤ビートルズ (GORI)
2009-09-27 22:17:54
ご無沙汰してますGORIです。

ブログはずっと拝見させていただいておりましたが、コメントせずの読み逃げで申し訳ありません。

この写真のキャピトル盤(上に黄色い帯が入っている)は懐かしいですね。私はマジカル・ミステリーツアーの上下に白い帯が入っているのを持っています。

ビートルズを聴き始めた1971年、私は中学1年生でしたが、地元には輸入レコードを売る店とてなく、何かの用事で親父と銀座にいったときに山野楽器で買ってもらったのを覚えています。

リマスターCDは未入手なのですが、ブログを拝見していて買いたくなりました・笑

当地にはアメリカ盤しかありませんが、日本に帰ったら聞き比べするのを楽しみに持ち帰りたいと思います。
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