OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジョンの輪廻宿業、そして解脱

2023-12-08 17:02:27 | Beatles

インスタント・カーマ / Plastic Ono Band (Apple / 東芝)

悲劇は避けられないからこそ、悲劇である ――

―― そ~ゆ~惹句を用いたくはありませんが、それにしても、あの日突然の出来事から天国へ召されたジョン・レノンが果たして、現在の世界情勢に如何様な言葉を発するのか……?

それこそ悲劇は避けえないという真実を尚更に我々に示してくれる様な気がしております。

さて、そこで本日は1970年2月、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと共にプラスティック・オノ・バンド名義で発表した信念の名曲「インスタント・カーマ / Instant Karma!」を聴き直してみました。

今となっては広く知られているとおり、ここで歌われている「Karma」とは、日本語で云うところの「業」であり、現世における「因果応報」「悪因悪果」等々、主に仏教思想に基づくと思われる所業をジョン・レノン流儀で解釈した歌の世界なんでしょうが、これが世に出た当時のサイケおやじには、掲載した日本盤シングルの裏ジャケットに記載の歌詞を辞書を頼りに訳詞てみても、なかなか理解出来るものではありませんでした。

もちろん、それは自らの人生経験の浅さにも起因するものですし、だからこそ、老い深まりて分る様な部分もあるわけですが、当時のジョン・レノンにしてみたら、ビートルズ分裂騒動の諸々、愛妻ヨーコと前夫の間に生まれたキョーコの親権問題等々から、自らの行動・言動が如何なる因果関係を生み出すのか……、等々を考えていたと云われていますから、あえて「インスタント」な「業」、つまりは「インスタント・カーマ / Instant Karma!」という楽曲を書いてしまったとしても、我々は素直に聴き入るのがジョン・レノンと同じ時空に生かされていた幸せの証だったのでしょうか。

しかし、それでもロック曲としての「インスタント・カーマ / Instant Karma!」は厳かなピアノの響きからジョン・レノンでしか在りえない、あの感覚のメロディラインとリズム&ビートで力強く歌っていく、それは実にサイケおやじの心を直撃した傑作!

ちなみに後に知ったところでは、なんとっ!

この名曲「インスタント・カーマ / Instant Karma!」は僅か1時間ほどで書かれ、レコーディングも1日で終了・完成されたという、正に集中力の成せる技!

もちろん、このセッションのプロデューサーがフィル・スペクターだった事から、例の「ウォール・オブ・サウンド」を実践するべく、ストリングスまでもダビングしようとしていた逸話が残されておりますが、ジョン・レノンは逆に徹底したシンプルな力強さを演じる決意から、ジョージ・ハリスン(g)、ビリー・プレストン(key)、クラウス・ブァマン(b)、アラン・ホワイト(ds) という、今では夢のオールスタアズと作り上げたバンドサウンドに拘り、1950年代の音作りを要求した結果、最小限のダビング作業でコーラス等々をミックスし、これを仕上げたと云われていますが、なるほど……、現在聴いても、実にパワフルなロックサウンドですよねぇ~~ (^^♪

それと余談かもしれませんが、ここでのコーラスはスタジオ近くのパブに参集していたお客さん!?

その真偽は定かではありませんが、実に羨ましいですよねぇ~~ (^^)

そ~ゆ~因果は大歓迎なわけですが、きっと前世の行いが良かったんでしょうねぇ~~、件のお客さん達はっ!?!

また、掲載した私有盤のジャケ写に登場しているジョン&ヨーコは思いっきりロングヘアという佇まいではありますが、このシングル盤「インスタント・カーマ / Instant Karma!」が世に出た当時は、夫婦揃って断髪というか、短い髪形になっていた実相に洋楽雑誌のグラビアで接したサイケおやじは、なんともミョウチキリンな気分にさせられたものでした (^^;

そのあたりは後々になってゲットしたアメリカ盤ピクチャースリーブのポートレートでも明らかにされたとはいえ、ジョン・レノンの心境の変化には……。

ということで、毎年書いておりますが、この時期は個人的に心が弱くなってしまいます。

そしてジョン・レノンの歌声に勇気とパワーを与えられ、年末を乗り越えんとする気構えが出来ているのでした。

ジョン・レノン、永遠なれっ!


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 三木聖子の失せない魅力 ~ ... | トップ | ムード歌謡コーラスって、や... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Beatles」カテゴリの最新記事