OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

リズムギターでグルーヴ天国

2013-03-17 15:24:13 | Soul

Sing A Song / Earth Wind & Fire (Columbia / CBSソニー)

黒人音楽の心地良さは、そのリズム的興奮も大きな要因だと思いますが、それを司っているのがリズムギターの存在であろう事は、例えば1930年代からのカウント・ベイシー楽団におけるフレディ・グリーンの役割を持ち出すまでもなく、今では至極当たり前過ぎる事象のはずです。

逆に言えば、ファンクでもディスコ歌謡でも、それが鳴っていないと雰囲気が作れないほどの必要十分条件じゃ~ないでしょうか。

本日掲載のシングル盤A面曲「Sing A Song」は、まさにイントロからゴキゲンなリズムギターが楽しめるのですから、大ヒットしたのもムペなるかな、決して縁の下の力持ちに終っていない存在感があればこそ!

1975年末、これをぶちかましてくれたアース・ウインド&ファイア=EW&Fにしても、それまで着実に積み上げて来た実績を大きく飛躍させた記念碑であった事にちがいなく、もちろん同年には「Shining Star」や「暗黒への挑戦 / That's The Way Of The World」のメガヒットを放っていたところから、ますますポップなフィールドに躍進出来たのは、極みの一発!

それほど「Sing A Song」はウキウキと楽しく、心から躍動出来る名曲名演であり、さらに決して黒人音楽ファンばかりを対象にしていない、白人を含む全人類への素敵なプレゼントだったんですねぇ~~♪

ちなみに当時のEW&Fはリーダーのモーリス・ホワイト(vo,per,ds,etc) 以下、実弟でムードメーカーでもあったヴァーディン・ホワイト(b)、同じく兄弟として途中参加したフレッド・ホワイト(ds,per)、名参謀のチャールズ・ステップニー(key,arr)、実力派のラリー・ダン(key)、一座のスタアとして女性ファンも多かったフィリップ・ベイリー(vo,per)、そしてシャープなリズムカッティングのグルーヴメイカーだったアル・マッケイ(g)、さらにはラルフ・ジョンソン(ds,per,vo)、アンドリュー・ウールフォール(ss,ts) 率いるフェニックスホーンズ等々、多士済々が一致結束していた上昇期でしたから、1960年代末の結成以来持ち続けてきた本格的なジャズ指向と享楽的なブラックファンク、また厳かな神秘主義が宇宙的に広がっていくが如きスケールの大きさが見事に融合された音楽性は、唯一無二だったと思います。

平たく言えば原始的リズム衝動を煽るダンス曲も所謂甘茶系歌物も、同じ地平でやれた稀有のバンドであり、しかもポップな要素を堂々と全面に出す事に躊躇しない時期だったのですから、ウケないわけがありません。

当然ながらライプステージにおける長尺なアドリブパートも、メンバー各々の驚異的な演奏能力があればこそ、決して飽きさせないのは要所でキメを入れるホーンセクション主体のスピード感に満ちたビバップ系リフをニューソウル的用いる方法論が確立されていたからと思います。

そして肝心のリズムギターの魔法については、アル・マッケイの存在が絶対的で、思えば1970年代後半から1980年代のスタジオ系ミュージシャンは揃ってアル・マッケイをモロ出しのリズムギターをやっていましたですねぇ~♪

また過言ではなく、それが出来なければ仕事が入らなかった真相さえあるほど影響力が絶大なのは、この「Sing A Song」のヒットがあったからにちがいありません。

ちなみにリズムギターと言っても、素直にルートのコードだけをカッティングしていればOKというわけでは絶対に無く、変換&代理コードの細かい選び方にはミュージシャンのセンスと資質が求められるわけですし、何よりもノリとピートを持続させていくリズム感が必要十分条件!

それは例えばストーンズにおけるブライアン・ジョーンズの存在を鑑みれば明白でしょうし、フリーのようなパワーコード勝負と思われがちなハードロックバンドが何故に味わい深いのかを考察すれば、前述したような代理コードの選び方が巧みだった事によると思っています。

いゃ~、とにかく持続するリズムギターの快感って、筆舌に尽くし難いものがありますよっ!

レコードでも好みの演奏を聴きながら、思わず一緒にリズムカッティングしてしまうサイケおやじのザマは痴態と決めつけられても、それは言い訳出来ないんですが、本人が独り悦に入ってしまうところにリズムギターの喜びもあるというもんです。

ということで、最後になりましたが、「Sing A Song」が大ヒットしたのはファンやリスナーが一緒に歌えるパートがある事も大きな要因ですし、シカゴ等々のブラスロックの影響から、一般ロックファンが受け入れていたキャッチーな要素を忌憚なく採用出来た、所謂度量の大きさは、ガチガチのブラックファンク信者からは節操の無さを指摘されていましたが、結局は売れた者が勝ちというのは大衆音楽の掟であります。

そして何よりも、「Sing A Song」は楽しく気持の良い歌と演奏になっているのですから、タイトルどおりの潔さ♪♪~♪

否定するよも、素直に歌って、ノレればOKでしょうねぇ~♪

リズムギター、万歳っ!

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