■Olympia Live In The Sixties / The Rolling Stones (Goldplate = bootleg CD)
アーカイヴ商法と云えば、最近はストーンズも熱心ではありますが、出で来るお宝のほとんどが1970年代以降の音源や映像ばかりなんで、残念無念の気持ちを抱くファンも大勢いらっしゃるはずです。
つまり、ストーンズが上り調子に暴れていた1960年代、つまりはブライアン・ジョーンズがリーダーだった時代のあれやこれやが本当に出し惜しみ状態としか思えず、例えばBBC音源にしても、決して堂々と出て来ないのは、これ如何に!?
ですから、ブートの需要が無くならないのも必然であり、2013年に発売された本日ご紹介の2枚組CDも、また然り!
収められているのはストーンズが1965年から1967年に敢行したパリ公演から4回のステージライブの抜粋なんですが、もちろんこれまでにアナログ盤LPやカセットテープ、そしてCD時代になってからも度々様々なブツが供給され続けているという人気音源なんですねえ~♪
ただし、時代が時代ですから、決して現在のように当たり前の高音質ではありません。
しかし、それでも聴かずにいられないのがストーンズの魔力であり、一応ここに纏められたのは基本がモノラルミックスのラジオ放送用音源ということで、それなりに聴けるような音質の改善が日進月歩の成果として、正直不満が無いとは申しませんが、やっぱり熱くさせられてしまいました♪
☆DISC 1
※1965年4月18日録音
01 Everybody Needs Somebody To Love
02 Around And Around
03 Off The Hook
04 Time Is On My Side
05 Carol
06 It's All Over Now
07 Little Red Rooster
08 Route 66
09 Everybody Needs Somebody To Love
10 The Last Time
11 I'm Alright
12 Craw-Dad
これこそ昔っからの人気音源の決定版で、しかもここでは再放送されたソースを使っているので、尚更に改善された音質は嬉しいところ♪♪~♪
もちろんストーンズのイケイケな歌と演奏は熱気に満ちていますから、その場の観客の狂熱も当然が必然の歴史的記録ですし、それを現在楽しめる我々にしても、素直に幸せに浸る外はありません。
なにしろド頭に「Everybody Needs Somebody To Love」が短く演奏され、間髪を入れずに「Around And Around」が始まるだけで、もうツカミはOK! キースの頑張りも凄くて、いゃ~、何度聴いても、このパートには熱くさせられます♪♪~♪
そしてユルユルグルーヴが心地良い「Off The Hook」、粘っこくロックしている「Time Is On My Side」と続くブルース&ソウルな二連発も魅力満点ですし、再びR&R大会の「Carol」から「It's All Over Now」、さらに下世話な「Little Red Rooste」から、またまたフルスピードの「Route 66」に突入すれば、何れも黒人芸能の焼き直しカバー曲ながら、ここでは立派にストーンズの世界が確立されていると思うばかりなんですねぇ~~♪
ですから相当に無理してやっている感じの「Everybody Needs Somebody To Love」にしても、決してイヤミにはなっていませんし、逆に若気の至りが良い感じ♪♪~♪
こうして迎えるいよいよのクライマックスが、あの狂乱を誘発するギターリフも強烈な「The Last Time」で会場は熱気のルツボという状況が、この音源からはビッシビシに伝わってきますし、ストーンズならではのリズムネタ(?)「I'm Alright」~「Craw-Dad」にしても、思わずタイムマシンが欲しくなる瞬間芸が連発されています。
ちなみに音質は「A」ランクと思いますし、演奏そのものにしても既に述べたとおり、キースの予想以上の大健闘には胸が熱くなるサイケおやじです。
※1966年3月26日録音 (1st show)
13 The Last Time
14 Mercy Mercy
15 She Said Yeah
16 Play With Fire
17 Not Fade Away
18 That's How Strong My Love Is
19 I'm Moving On
20 The Spider And The Fly
21 Time Is On My Side
22 19th Nervous Breakdown
23 Around And Around
24 Get Off Of My Cloud
25 I'm Alright
26 Satisfaction
しかし、このパートは正直、しんどいです……。
それは音質が決して良いとは言えず、元ネタテープにヨレたりカットされたりした箇所も多く、チリチリのノイズや無理に音質を改善しようとした詐術(?)が些か裏目という気がするほどです。
ただし、それでもオーバーダビングが施されていない、ネイキッドなストーンズの姿から熱気&やる気がストレートに感じられるのは、ファンとしての覚悟も含めて、納得されるんじゃ~ないでしょうか。
ちなみにアナログ盤時代のブートって、大抵はこんな感じのブツが多く、それに鍛えられた耳を持っているサイケおやじと同世代の皆様ならば、充分に楽しめるように思います。
☆DISC 2
※1966年3月26日録音 (2nd show)
01 The Last Time
02 Mercy Mercy
03 She Said Yeah
04 Play With Fire
05 Not Fade Away
06 The Spider And The Fly
07 Time Is On My Side
08 19th Nervous Breakdown
09 Hang On Sloopy - Get Off Of My Cloud
10 I'm Alright
11 Satisfaction
「DISC 1」後半に収録された音源と同日ながら、こちらは「2nd show」の演奏ということで、もちろん音質も違っており、結論から言うと、かなり聴き易くなっているのは嬉しいところです。
まあ、「耳が慣れた」と言われれば、それまでなんですが、プログラムが進むにつれ、熱くなっていくバンドのノリと観客の熱狂からは確かに青春の情熱ってやつが感じられますよ♪♪~♪
もちろんサイケおやじも、気持ちがその場へとタイムスリップさせられてしまうわけですが、気になる演目では「Hang On Sloopy - Get Off Of My Cloud」が、実はイントロの部分でミックが軽~く一節、マッコイズでお馴染みの「Hang On Sloopy」を歌うだけで、直ぐに本題「Get Off Of My Cloud」へ突入するというだけという仕掛け(?)は、如何にもライブならではのサービスとして、嬉しいです。
それと音質について、もう少し書いておきますが、最初はザーザーという高音がキツイので、ガッカリさせられるとは思いますし、おそらくはエアチェックされたであろうネタ元のテープが部分的にヨレていたり、CMやアナウンスをカットした所為と推察されるカットとツナギがありますので、確かに万全とは申しませんが、既に述べたとおり、後に行くほど歌と演奏が前へ出てきます。
そして、ここに楽しめる突進力こそが若き日のストーンズの醍醐味でしょうねぇ~♪
※1967年4月11日録音
12 Paint It Black
13 19th Nervous Breakdown
14 Lady Jane
15 Get Off Of My Cloud ~ Yesterday's Papers
16 Under My Thumb
17 Ruby Tuesday
18 Let's Spend The Night Together
19 Goin' Home
20 Satisfaction
これも昔っからブートの定番ネタになっていた音源で、とてもカッコイイ~~、最初の全盛期を謳歌していた頃のストーンズが楽しめますよ。
しかもここに収録のソースは多分再放送からのエアチェックを用いたのでしょう、以前に比べて、かなり音質が向上しているのも嬉しいところ♪♪~♪
なにしろ初っ端の「Paint It Black」からしてノリは最高潮! キースのギターソロが実にロックしていますし、「Get Off Of My Cloud ~ Yesterday's Papers」のメドレーにしても、キースのヘタレなんかシカトで爆発するチャーリーのイケイケドラミングやビルのもっさり&ずっしりのベースワークがあればこそ、ハズしそうになるミックのボーカルが火傷しそうに熱いですっ!
それは続く「Under My Thumb」も同様で、放送MCが被って始まるイントロからの熱気は唯一無二でしょうし、本来は幻想的な「Ruby Tuesday」にしても、これがサイケデリックロックの実演見本みたいな雰囲気がたまりません♪♪~♪
さて、そこでブライアン・ジョーンズの存在感については言うまでもありませんが、随所に地味ながら的確なサポートをやっている事は、決してこのパートだけではありませんが、ギターの他にハーモニカ、縦笛やキーボード等々、とにかく悪いクスリで潰れてしまったのは残念でなりません……。
ということで、繰り返しますが、若き日の勢い満点のストーンズが楽しめるというポイントにおいては、なかなか最高のブツだと思います。
もちろん、現在の高音質ブートに慣れているお若い皆様にとっては厳しい現実かもしれませんし、当然というか、失礼ながら随所で「走って」しまう、あるいはモタレて乱れる演奏はラフ&ワイルドなロックのライブの真髄という論法も成り立つわけで、極言すればストーンズは決して上手いバンドではありません。
ところが、こ~ゆ~修羅場を積み重ねているバンドだけが表現出来る、現場主義のグルーヴやノリは唯一無二の個性であり、殊更ブライアン・ジョーンズがイケイケのリズムギターやリフでメンバーや観客を煽っていた時代の突進力は、それだけでロックが一番に勢いがあった頃の証拠物件に成り得るものかもしれません。
ですから、このあたりのライブ音源をストーンズ自らが、きっちりとした形で公式発売してくれる日を待ち望みつつ、今はブートで楽しんでいるというわけです。
コメント、感謝です。
お返事が遅れて、申し訳ございません。
さて、ストーンズの1995年物はバンド側も楽しんでいたように思える瞬間が多々あり、またアンプラグドな流行も追っていたという、如何にもの時期だったような(苦笑)。
サポートメンバーの頑張りも良かったですよねぇ~♪
グレイトフル・デッドみたいにバンド側からのライブ音源開陳が望まれますねっ!
演奏曲目も当時は新鮮で、パラディッソやオリンピアのブートに興奮したものです。
そういえば、95年は日本でも来日時にどこかのクラブでシークレットギグが行われるらしいとの噂が飛び交い、私も毎日あらゆる情報源をたどり奔走していたのを思い出しました(笑)。
結局、実現はしませんでしたがいい夢を見させてもらいました。
実現していても、確率からしてたぶん見られなかったでしょうけど。
コメント、ありがとうございます。
どうやら「ストリップド」を廃盤にして、出し直すという話が進んでいるらしいですよ。
1995年のライブは、プログラムも好みですし、ど~せなら映像復刻も含めて、徹底的にやって欲しいものです。
それとストーンズとパリと言えば、1970年代初め頃の彼等はイギリスの税金に耐えかねて、フランスに移住したという逸話がありましたですね。
その頃にレコーディングしていた「ならず者」の音源が最高傑作という評価も、妙に説得力が(苦笑)。
ストリップドがアーカイブリリースされるとの噂がありますが、最近発掘された95年のオリンピアライブブートレグのリアルな臨場感はドンウォズでも出せないのでは・・・と思ってしまうのは、やはりブート中毒者の悲しい性ですかね。