■Memphis / Johnny Rivers (Imperial / 日本ビクター)
もちろん努力は大切ですが、しかし楽してカッコつけられるんなら、それもまた素敵な成り行きと思っているのがサイケおやじの本音です。
例えばギターの練習にしても、難しいスケールやコード、リズムパターンを体得する事は上達への関門であり、上手くなりたかったら避けては通れない道ではありますが、それよりもシンプルでキャッチーなリフや気持良い、所謂光物のコードを覚えるのが「楽な道」という真実は否定出来ないでしょう。
実際、サイケおやじはそんな逃げ道にばっかり入って来たので、当然ながらプロになる気もありませんし、修行僧(?)でもないので……、なぁ~んていう言い訳を弄する事も度々でありました。
さて、そこで本日掲載のシングル盤A面曲「Memphis」は、オリジナルがチャック・ベリーのR&Rの聖典のひとつとして、これまでにもエルヴィス・プレスリーやビートルズ、アニマルズ等々、夥しいミュージシャンがカバーレコーディングを残してきているわけですが、このジョニー・リバースのバージョンこそが、少なくともアメリカの白人社会にとっては、一番に知られる名演かと思います。
なにしろ発売されたのがビートルズ旋風が全米に上陸した1964年春という事もありましょうが、件のチャック・ベリーのオリジナルバージョンよりも、さらに激しいロック的なグルーヴがありますからねぇ~~♪
実はご存じのとおり、これは基本が当時のLAにオープンしたばかりの「ウィスキー・ア・ゴー・ゴー」におけるライプレコーディングで、メンバーはジョニー・リバース(vo,g) 以下、ジョー・オズボーン(b) とエディ・ルービン(ds) のトリオ編成でありながら、本来は湧き方が足りなかったらしい観客の拍手や歓声、手拍子等々に加えて、ちょっぴりギターやパーカッション(?)をオーバーダビングしたと思しき仕掛が大正解!
忽ちヒットチャートの上位にランクされ、同時期に録られたライプセッションからの楽曲を編集したLP「アット・ウィスキー・ア・ゴー・ゴー」もバカ売れという、これがジョニー・リバースの大ブレイクでありましたが、その要因のひとつが、既に述べたような、シンプルながらカッコ良いギターにあったんじゃ~ないか?
と、サイケおやじは思っているのです。
これは実際に聴いていただくのが最良でしょう。
そこに演じられるコードワーク基本のギターリフは、その気になれば、初心者でも練習次第でやれる範疇のはずです。
ただし、問題は、同等のグルーヴやノリを出せるか、否か!?
あくまでも個人的な体験談になりますが、それこそが「ジョニー・リバースの Memphis」、そしてロケンロールの真髄に迫る必要十分条件と確信しています。
言い換えれば、「ジョニー・リバースの Memphis」を「らしく」コピーで演じられれば、ロケンロールのカッコはつけられるんじゃ~ないか!?
それは如何にもサイケおやじが十八番の姑息な思い込みであります。
いゃ~、本当にお恥ずかしい……。
ということで、肝心のジョニー・リバースは、あまり我国では人気も評価も高くないみたいですが、大衆音楽史に鑑みれば、この「Memphis」の他にも「秘密諜報員 / Secret Agent Man」や「僕等の街 / poor side of town」等々の大ヒットを放っていますし、後者におけるソングライターとしての才能は言わずもがな、プロデューサーとしてもフィフス・ディメンションや作編曲家のジミー・ウェッブを世に出した功績は侮れません。
というか、「Memphis」という幾分地味な感じのR&B曲を、ここまで派手に白人ウケするロック曲に改変したアイディアの実践は、そうした音楽的な素養の深みがあったからじゃ~ないでしょうか?
そのあたりは追々に書いていく所存ですが、とにかくジョニー・リバースほど分かり易くてカッコE~♪ そういうロックをやれるミュージシャンが過小評価気味というのは、寂しいですねぇ……。
そこでとりあえず、「ジョニー・リバースの Memphis」にシビレて下さいませ。
ギターを手にされる皆様であれば、それをコピーし、一緒に鳴らしながら聴くのも、更に楽しい時間になると思います。
使用ギターはGibson es335、今やフュージョンの代名詞のようなセミアコですが、この頃は、ロックンロール・ギターだったんですね。
BBCライブで「Sweet Little Sixteen」を聴いたときは、
てっきり「Surfin' USA」かと思いました。
コメント、ありがとうございます。
「335」は万能機種らしく、ブルースやジャズでも使うプレイヤーが多いんじゃ~ないでしょうか?
一般にギブソン系は扱い易いと思いますからねぇ~~。
「Surfin' USA」はブライアンに言わせると、「Sweet Little Sixteen」とは全く別のコンセプトに基づいているとか!?
そのあたりは他にも、どっさりあるのが現実でしょう。
誰が言ったか、「ブルースに印税無し!」は真実だと思います。