※以下は護憲派の一つを代表する。「Mrくろパンダ」さんのご意見です。紹介します。やや楽観的な気持ちもするのですが・・・ネット虫・・・
「731万人の良識に希望を見る」
①参議院選挙で護憲政党に投票された731万人の憲法9条を守ろうという一票、戦争だけはだめだという声、ここに示された日本人の良識をさらに大きく。
参議院選挙がおわった。
選挙結果を議席数だけでみれば護憲派の完敗であることは否定できない。
だが、選挙結果を見るうえで重要なことは、戦争推進・福祉切捨てという自民党・公明党の悪い政治をこのまま続けされられないという動きが大きく広がったこと、決して憲法改定を認める動きが強まったわけではなく、むしろ今回は憲法と平和が争点にならなかったことである。
②新しい時代のはじまり
これまでも都市部の無党派層が動き民主党が躍進することはあった。
だが、今回は、地方・農村部まで、反自民・反公明の声が広がり、行動にでた。
画期的な変化である。
そして、今回の変化は、民主党の硬い支持層が増えたわけでもない。
新聞の投票に「自民党にお灸をすえたくて、今回は民主に入れた」という声もあったが、国民は決して改憲・増税・構造改革という民主党の政策・路線を支持したわけではなく、あくまで批判票として、とりあえず民主党に入れただけなのである。
この批判票は、民主党が今後の国会内外での活動をとおして自民党と変わらないことが明らかになれば、今度は社民・共産など護憲政党に流れる可能性を大きく秘めている。
日本の変革の歴史からという視点からみれば、護憲政党の議席が減ったとはいえ、自民党・公明党に国民が見切りとつけたことは社会進歩への重要な前進とも言える。
③お金を使った二大政党制キャンペーンの恐さ
鬱病(うつ病)で、ひきこもっている友人が言っていた。
今回の選挙は、とにかく民主党のCMの嵐だったと。
毎日、午後7時から9時の間のゴールデンタイムは必ず何度も民主党が出てきたと。
新聞でも自民党、民主党が広告を連打していた。
しかも広告費の大半は、政党助成金と呼ばれる税金であり、税金の無駄づかいである。
④世論を誘導する民主キャンペーンのなかで発揮された、731万票の護憲票の意義と希望。
民主党の政策は自民党と同じなのに、あたかも自民党政治と正面から対決する政党であるかのような抽象的なイメージがマスメディアによって創られ植え付けられた選挙だった。
ちなみに、民主党が自民党と変わらないことは、参議院選挙後も自民党の中心メンバーの一人である森首相が語っている。
(朝日新聞記事より引用)
森元首相は2日、訪問先のバンコクでタイのスラユット首相と会談し、参院選で与党が大敗し、過半数割れした日本の今後の政局について「自民党と民主党で、国の大きな方向性の考え方について大きな違いはない」と説明した。また、「日本の外交方針に今後大きな違いが出てくることはない。日本国内で株価が若干下がっているが、これもすぐに立ち直ると思う」と語った。
⑤自公政治批判票は民主へという大キャンペーンのなかで、良識を発揮して護憲政党に投票した有権者が700万人をこえたことは希望である。
日本共産党 4,407,932票
社会民主党 2,634,713票
9条ネット 273,745票
比例代表選挙では、護憲政党に、7316390票が集まった。
護憲政党の前進のためにがんばった人々に心から敬意を表したいし、私も共にたたかった1人として、逆風のなかで寄せられた731万人の声をしっかりとうけとめて、これからも護憲と反戦平和のためにがんばりたいと思う。
⑥秋にはテロ特措法の期限がきれる
参議院では野党が多数をしめる、おもしろい政治状況がうまれた。
秋には、インド洋に自衛隊のイージス艦を派遣してアメリカの戦争を支援している法律であるテロ特措法が期限をむかえ、延長するためには国会での法改正が必要である。
日本共産党・社民党は一貫してテロ特措法延長に反対してきたが、民主党も世論を考慮して一応反対をしてきた。党内には賛成の声も根強いが、選挙対策を優先しての妥協であった。そして、民主党をささえている経済界・アメリカ政界も、民主党が選挙対策に反対をしても自民・公明で可決できるため、おおめにみてきた。
だが、今度はそうはいかない。民主党は今のところ延長反対を掲げているが、自分たちのスポンサーである経済界とアメリカ政界から、民主党の賛成なしにイージス艦派遣延長はなりたたないため賛成への圧力が強力にかかるだろう。
民主党が、賛成したり、修正という妥協をおこなえば、国民のまえに民主党が自民党と同じことが明らかになる。次の選挙では、理論・政策ではなく、国民的体験をとおして民主と自民が同じということが理解されるだろう。
もし、民主党が反対をつらぬければ、それはそれで日本と世界の平和にとってよいことである。この可能性は少ないが、自衛隊のイージス艦がアメリカの意向を無視して帰還せざるをえない状況をつくれば、無法な戦争をつづける米国に痛烈なダメージを与え世界平和に貢献できるだろう。
⑦政治は、これから、ますますおもしろくなる。
そして、護憲勢力が、真の改革者として国民的規模の支持をうける日々がくるだろう。