大西さんの「新聞の片隅に載ったニュースから(23)」です。 らくせき
全電源喪失の韓国・古里原発(IAEA)点検結果は「良好」
(2012.6.12朝日新聞)
「韓国で全電源喪失の事故隠しが問題になった古里(コリ)原発(釜山市)1号機について、
國際原子力機構(IAEA)の調査団が11日、『発電設備は良好な状態』との
点検結果を明らかにした。これを受け、韓国政府は再稼動を認める方針だが、
『即時廃炉』を求める地元住民は反発している。
古里1号機では2月、全電源が約12分間喪失する事故が起き、約1カ月間
公表されなかった。信頼回復を図るとして、原発を運営する『韓国水力原子力』が
IAEAに特別点検を求め、計8人の専門家が4日から点検を実施した。
11日、古里原発で会見したIAEAのミロスラブ・リバー団長は
『事故隠しは関係職員が所長の決断に反対できずに起きた』とする一方、
『点検の結果、1号機の発電設備は良好な状態だ』と説明。
事故時に動かなかった非常用発電機も改善され、東京電力福島第一原発事故を
教訓とした安全策もとられているとした。
しかし、会見場に集まった数十人の周辺住民らは」『結論が決まった形式的な調査だ』と
反発し、一斉に退場した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
韓国原発の電源喪失事故と事故隠しについては、「新聞の片隅に載ったニュースから」
の№9で霊光原発(全羅南道)のことを取り上げました。
そのニュースの中で霊光原発以前にも古里原発で事故隠しがあったことに触れましたが、運営会社の韓国水力原子力は調査結果の信頼性を確保するため、国内の機関では
なく、國際原子力機構に調査・点検を依頼したのですね。
翻ってわが国では、大飯原発3・4号機の再稼動に向けての安全点検を
福井県が委嘱した福井県原子力安全専門委員会が行いました。一昨日10日に、
政府の暫定的な安全基準を妥当と認めた上で、「3・4号機の安全性を確認できた」
とする報告書をまとめました。
この報告については、立命館大学の安斎育郎名誉教授(原子力工学)が
「想定外のことが起きるのが福島の事故の教訓なのに、免震重要棟や防潮堤などの
対策を先送りしている」と指摘し、大飯原発付近の「破砕帯」が活断層と
連動する可能性を指摘した東洋大学の渡辺満久教授(変動地勢学)も
「専門委として新たな検討を全くしていない」と安全性を疑問視しています。
なお、これに先立って野田首相は8日夕方に記者会見を行なって
「原発は重要な電源だ。国民生活を守るために(大飯原発3・4号機を)
再起動すべきだというのが私の判断だ」(毎日新聞9日朝刊)という見解を
明らかにしました。福井県の西川知事は首相の説明と県の安全委員会の報告を受けて
近く再稼動を容認することを明らかにする模様ですが、その結論の客観性を
どうやって説明するつもりなのでしょうか。国民の誰でもが納得するような
客観的結論なのでしょうか。事故が起きた時には制御できなくなるというのが、
福島の事故の教訓です。
大西 五郎
福井で事故があれば、名古屋は北西の風にのって放射能がやってきます。
あんな安全性の確認では心配です。(らくせき)
全電源喪失の韓国・古里原発(IAEA)点検結果は「良好」
(2012.6.12朝日新聞)
「韓国で全電源喪失の事故隠しが問題になった古里(コリ)原発(釜山市)1号機について、
國際原子力機構(IAEA)の調査団が11日、『発電設備は良好な状態』との
点検結果を明らかにした。これを受け、韓国政府は再稼動を認める方針だが、
『即時廃炉』を求める地元住民は反発している。
古里1号機では2月、全電源が約12分間喪失する事故が起き、約1カ月間
公表されなかった。信頼回復を図るとして、原発を運営する『韓国水力原子力』が
IAEAに特別点検を求め、計8人の専門家が4日から点検を実施した。
11日、古里原発で会見したIAEAのミロスラブ・リバー団長は
『事故隠しは関係職員が所長の決断に反対できずに起きた』とする一方、
『点検の結果、1号機の発電設備は良好な状態だ』と説明。
事故時に動かなかった非常用発電機も改善され、東京電力福島第一原発事故を
教訓とした安全策もとられているとした。
しかし、会見場に集まった数十人の周辺住民らは」『結論が決まった形式的な調査だ』と
反発し、一斉に退場した。
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韓国原発の電源喪失事故と事故隠しについては、「新聞の片隅に載ったニュースから」
の№9で霊光原発(全羅南道)のことを取り上げました。
そのニュースの中で霊光原発以前にも古里原発で事故隠しがあったことに触れましたが、運営会社の韓国水力原子力は調査結果の信頼性を確保するため、国内の機関では
なく、國際原子力機構に調査・点検を依頼したのですね。
翻ってわが国では、大飯原発3・4号機の再稼動に向けての安全点検を
福井県が委嘱した福井県原子力安全専門委員会が行いました。一昨日10日に、
政府の暫定的な安全基準を妥当と認めた上で、「3・4号機の安全性を確認できた」
とする報告書をまとめました。
この報告については、立命館大学の安斎育郎名誉教授(原子力工学)が
「想定外のことが起きるのが福島の事故の教訓なのに、免震重要棟や防潮堤などの
対策を先送りしている」と指摘し、大飯原発付近の「破砕帯」が活断層と
連動する可能性を指摘した東洋大学の渡辺満久教授(変動地勢学)も
「専門委として新たな検討を全くしていない」と安全性を疑問視しています。
なお、これに先立って野田首相は8日夕方に記者会見を行なって
「原発は重要な電源だ。国民生活を守るために(大飯原発3・4号機を)
再起動すべきだというのが私の判断だ」(毎日新聞9日朝刊)という見解を
明らかにしました。福井県の西川知事は首相の説明と県の安全委員会の報告を受けて
近く再稼動を容認することを明らかにする模様ですが、その結論の客観性を
どうやって説明するつもりなのでしょうか。国民の誰でもが納得するような
客観的結論なのでしょうか。事故が起きた時には制御できなくなるというのが、
福島の事故の教訓です。
大西 五郎
福井で事故があれば、名古屋は北西の風にのって放射能がやってきます。
あんな安全性の確認では心配です。(らくせき)