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新聞の片隅に載ったニュースから(27)    大西五郎

2012年06月20日 19時17分15秒 | Weblog
大西さんの「新聞の片隅に載ったニュースから(27)」です。   らくせき

    橋下市長「政冶活動に罰則」断念 (2012.6.20毎日新聞)

「政府は19日の閣議で、地方公務員の政冶的行為を制限する条例で罰則を
設けることについて『法律に違反する』とする答弁書を決定した。
大阪市の橋下市長は市職員の政治活動を国家公務員並みに規制し、
2年以上の懲役などの罰則規定を盛り込む全国初の条例案を検討。
橋下氏は19日、政府と答弁書を踏まえ、条例案を修正し、罰則規定を断念する
考えを明らかにした。
橋下氏は19日、記者団に『閣議決定を踏み越えてまで条例化するのは、
やってはいけない』と表明。(以下略)

政府地方公務員の政冶活動『条例に罰則、違法』政府 答弁書
           (2012.6.19毎日新聞夕刊)
「野田政権は19日の閣議で、地方公務員の政冶活動を規制する条例に、
国家公務員と同様の罰則規定を盛り込むことは、地方公務員法に違反するとの
答弁書を決定した。自民党の平井卓也衆院議員の質問主意書に答えた。
答弁書では、1950年に成立した地方公務員法の提案理由説明で
『懲戒処分で地方公務員の地位から排除することで足りる』と指摘したと説明。
また、当初政府案では、地方公務員に政治活動をそそのかす行為への罰則が
付されていたが、国会審議で罰則を付さないと決まったことにも触れている。」
(二つの記事の表示では、重複部分など一部を省略しました。)

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――   
橋下市長は、先の市長選挙で市の幹部職員が現職の平松市長を支援したのは
怪しからん。市職員労働組合の役員が勤務中に選挙に関する集会に参加していたと
いう情報もあることから、地方公務員の政冶活動を禁止し、
違反者には罰則(最高懲役2年)を与えるという市条例案を作成しました。
 公務員の政冶活動が禁止されているのは「公務員は全体の奉仕者」である
ということからです。これは公務においてということで、公務をはなれて
個人的な活動までも制限するものではありません。社会保険庁の職員が
休日に政党ビラを配布したとして国家公務員法違反で起訴された事件で、
東京高裁は「被告のビラ配布は休日中に行なったものであり、罰則規定の適用は、
表現の自由を保障した憲法に違反する」として無罪の判決を下しています。
                       (2010年3月29日)

それなのに橋下市長は、大阪市職員の政冶活動を罰則をもって禁止しようとしました。
橋下市長は市職員の思想調査を行おうとしたり(形式的には市特別顧問の
野村修也弁護士・中央大学大学院教授が企画・質問用紙も作成した形をとり、
大阪府労働委員会から不当労働行為に当たると注意されて撤回)、
職員の刺青を調査したりと、市長が市職員に対して絶対的な君主として臨み、
職員には市長を批判させないで、絶対服従を強いるという統治手法をとっています。
 その根拠は、選挙で勝った(当選した)者には選挙民から白紙委任が与えられたと
いう論法で、「独裁者」であって当然という主張です。
これにマスコミの批判が弱く、むしろ橋下市長を持ち上げる論調になっていて、
政冶の監視役という役割を果していないのが問題です。
                                       大西 五郎

コメント (1)
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