発行年の記載がないが.1970 年代初頭と思う. 1001 = センイチは Real Book の通称みたいなもの.前世紀の本家アメリカの Real Book は,ジャズ・ポピュラーのリードシート (コードをつけたメロディ譜) 集で,発行元もまちまち.海賊版みたいなもので,著作権使用料も払っていなかったと思う.センイチは 1001 曲の意味だが,本来は多数の曲が詰まっているという意味.
さて,Mr. Sing こと Red Norvo 1908-1999 は,Lionel Hampton と同年齢.Jalen Baker, Simon Moullier あたりの若いヴァイブ奏者の曽祖父の年代. 画像はかってジャケ買いした LP.お爺さんに見えるが, 1957 年の発売時彼は 49 歳だった.Red Norvo (vib) のほか Buddy Collette (fl) Bill Smith (cl) Barney Kessel (g) Red Mitchell (b) Shelly Manne (d) という豪華メンバーだが,Third Stream Music を先取りしたような部分もあり,ぼくはあまり感動しなかった.
下の動画は 76 歳時,@ 1982 Hague North Sea Jazz Festival.伝説の Tal Farlow,Charles Mingus との Move トリオ 1950 以来,彼はこの編成が気に入っていて,ここでは Tal Farlo にベーシスト Steve Novosel が加わっている.
All of me, St. Thomas, Jitterbug Waltz, Fascinating Rhythm, .... 木琴奏法とでもいうのだろうが,音数は多いが音量は小さそう.ファンを回してヴィブラートをつけることはしない...というより.ロングトーンがほとんどないのでヴィブラートのつけようがない.ソロは2本マレット,バックは4本.マレットのテールで音板を叩いて打楽器の効果を上げる場面もあった. 初めのうちは淡々とマレットを転がしているだけのようだが,徐々にエキサイトして身振りが大きくなる.
高校の同窓会通信の「亡くなった方」のリストから,Old Black Joe を,英語の歌詞 Gone are the days when my heart was young and gay ともども思い出した (新しいことは記憶できないのに,中学で覚えた古いことなどは脈略なく思い出す). 祖母がしきりと「お迎えが来る」と言っていたのも思い出したが,これを英語に意訳すると Old Black Joe の "I'm coming" だな.
小中学校時代の音楽の授業ではステファン・フォスターが幅を聞かせていたが,ぼくより下の世代はこの作曲家をほとんど知らないようだ.故郷の人々 (Old Folks at Home または Swanee River) なんか,コード進行の説明に最適なんだけど... 「小中高 音楽教科書掲載の楽曲リスト」というページを覗いたら,Beautiful Dreamer, Jeanie with the Light Brown Hair という,音楽家に評価されそうな曲は高校用に残っている.しかし Oh Susanna, Old Folks at ..., Camptown Races(草競馬) , ... といった単純な曲たちの姿はなかなかみつからない.
アメリカではフォスターはどう扱われているのだろか.Old Black Joe なら Paul Robeson かなと思ったが,果たして Youtube で 38 万回視聴とあった.