Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ご冗談でしょう、ファインマンさん

2025-02-12 11:06:18 | 読書
R. P. ファインマン, 大貫 昌子 訳「ご冗談でしょう、ファインマンさん 上」岩波書店 (岩波現代文庫 2025/1)

カバーの紹介*****常識なんてなんのその。物理に、ボンゴに、金庫やぶり、時には夜遊びも……。好奇心のおもむくまま、気の向くまま、どんなことでも本気で愉しむ。それがファインマン流の生き方。稀代のノーベル賞学者がユーモアたっぷりに語る、冒険譚のような痛快自叙伝。ベスト/ロングセラーを読みやすい文字に改版する。解説=橋本幸士*****

単行本は 1986.勤めていた高エネルギー研で話題になったが,敢えて ? 読まなかった.文庫入りは 2000.41 刷まで数えたところで今回の改版.
物理屋の必読書みたいに言うのは間違いだが,おもしろかった.「好奇心のおもむくまま,気の向くま,どんなことでも本気で愉しむ」ヒトはたくさんいると思うが,ノーベル章をもらうヒトは他にいないと言うことだろう.

夜遊び・ガールハントなどは詳しく書いてあるが,配偶者との馴れ初めなどは省略.
手紙の検閲,徴兵のための身体検査など,同時代の日本の違いを思い知らされる.
原爆実験でロスアラモスが湧きかえっていたとき,ひとりボブ・ウィルソンが「とんでもないものを造っちまった」とふさぎこんだそうだ.

プリンストン高騰科学研究所の偉大な頭脳の大家達を,なんの義務もなく林の中のきれいな建物にゆったりすわっていればいい気の毒な連中と言っている.実際の活動やチャレンジがなければ,何のアイデアも浮かんでこない.このとき一種の罪悪感やめいった気持ちがじわじわとしのびこんでくる... こうした感情は,偉大でない頭脳の持ち主が定年後,きたない建物にすわっていても湧いてくるものだ.でも多くの場合,同じようなタイミングで体調が悪くなり,それがうまい具合に死につながるのかもしれない.

今のところ読んだのは上巻だけだが,解説 (橋本幸士) が下巻の予告も兼ねている.16 とんは自分を物理屋と思っていないので,これを純正物理屋のひとりの感想と思って読んだ.
下巻では,日本人の物理屋と話したけれど意味がなかったとか言っているらしい.
橋下さんの SNS はおもしろい.

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