Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

芥川賞「ポトスライムの舟」津村記久子

2009-02-13 09:24:33 | 読書
年に1回か2回,芥川賞にあわせて文春を買っている.

今回は,マスコミの報道等で,女性がホームレスになるストーリーと勝手に思い込んでいたが,ほとんど劇的なことは起きない.家出した母子が主人公が母と二人で住んでいるぼろ家に転がり込んで来るだけだ.選考委員はリッチな方ばかりで,この程度でも底辺の生活と映るのだろうか.山田詠美委員の『「蟹工船」より,こっちでしょう』は誇大表現.
子供も含めて,直接登場するのは女性ばかり.過去にウツになった経験からか,主人公ナガセさんの友達に対する距離感が絶妙に良い.まぁまぁ明るく終わる.

実世間でも,男は首になると (ただし,この小説ではだれも首にならない) すぐ路頭に迷うが,女性は友達のところに転がり込んだりするので,なかなかホームレスにはならないらしい.
考えてみると,J 子の友達はよく我が家に泊まって行くが,こちらの友達は泊まったことがないし,自分も人のうちに泊まるよりホテルに泊まった方がずっと気楽だ.

芥川賞だけでなく,この文春にはノーベル賞の益川さんもご登場です.
コメント (1)
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