Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

最後のトリック

2014-12-04 08:20:14 | 読書
深水黎一郎 河出文庫 (2014/10).

朝日新聞の紹介記事*****1年ほど前、河出書房新社の社員間で、埋もれた良書を紹介しあう場が生まれた。100冊ほど俎上(そじょう)に上がったなかで、“面白いから文庫化したい”と全員意見が一致したのが本書だったという。「このような形で小説が現実の読者を巻き込んでいくことに驚きました。一見本筋と関連がないと思える部分もすべてが伏線となってつながるラストも見事としかいいようがありません」と、担当編集者の渡辺真実子さん。*****

新幹線車中で読もうとキオスクで買って予定通り読了.

昔の探偵小説みたいな書き方.
タイトルから,またメフィスト賞受賞作の改作ということから,イカものと推測していたが,読んでみたらなかなか立派なイカものだった.

島田荘司の解説は大部分がミステリー史.
ちなみに,この,埋もれ (てい) た良書の原題は,「ウルチモ・トリック 犯人はあなただ!」だそうで,カタカナ部分はイタリア語で究極のトリックのことだそうだ.

ネタをすこしばらすと,手紙で「貴殿」と名指しされたのが実は読者で,この手紙が読まれた時点で殺人 (というより自殺幇助) が成立するという趣向.これだけでは分からない方は小説を読んでください.
ところで,「貴殿」という敬語は女性には使わない.
帯には「読者全員が犯人」とあるけれど,女性の読者はどうなるの ?
揚げ足取り? ミステリは揚げ足取りで成立しているのだ.
コメント
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