「遠い唇」北村薫自選 日常の謎作品集,KADOKAWA (角川文庫,2023/9).
しばらく活字から遠ざかっていたので,すぐ読めそうな薄い短編集を本屋で選択.ほんとうにすぐ読めてしまい,ちょっと損した気分.
帯曰く「極上の謎解きの"その後"」.解説で分かったのだが,著者の長編の後日譚集,あるいは同じ登場人物による短編集ということらしい.この著者のファンだったのはデビュー当時からしばらくの間だったので,該当する長編にはまったくこころあたりがなかった.
でも「遠い唇」という短編には既読感.
「日常の謎作品集」というサブタイトルからミステリと思ったが,そう言えるのは9篇中4篇.全て暗号もの.ほかでは,和田誠の挿画入りが SF っぽい異色作.残りは,こういうのがお好きな読者むけ.
マイ・ベストは俳句ネタの「しりとり」.
2019 年に文庫化されたものに2編を追加した増補版.カバーイラストのカワセミは追加されたうちの一編に因んでいる.
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