Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

ヴァイブのマレット 2本と4本

2007-04-11 11:02:03 | ジャズ
ビブラフォンには2本奏法と4本奏法がある.代表的なところではミルト・ジャクソンは2本,ゲイリー・バートンは4本.

もう20年くらい前になるが,MJQの公演のお世話をしたことがあって,そのときミルト・ジャクソン氏に4本奏法について聞いてみた.この質問にムッとしたごようすだったが,こちらがスポンサー側だったせいか,「腕は2本なので2本持つのが自然である」とお答え下さった.「もっとたくさん音が欲しければ10本の指でピアノを弾けばよい」とも.ぼくはこのお説を守って4本奏法からは遠ざかっている.

ちょっとやってみると2本と4本では別の楽器のような印象だが,漫然と聞いていると分からない.ミルト・ジャクソンのプレイは音数が多く,ゲイリー・バートンのほうがあっさりしている.初めて聴いたのがミルト・ジャクソンで,いわば「刷り込まれ」が強烈だったためか,ぼくにはゲイリー・バートンは物足りない.ただし視覚的にはこれも何十年の昔,金髪長髪のゲイリー・バートンが,パイプにサイケな彩色をしたヴァイブを4本で叩くのを目にしたときは幻惑された.

この前野外でヴァイブを叩く機会があり,ギター・キーボードなどのエレキに頼るコード楽器が無かったので,3本ないし4本でコードを叩いてみた.どちらでどこを叩くというのをいちいち考える必要がある.たとえばC7(CEGBbの4音)は左手でCE,右手でGBbを叩けばいいのだが,Cm7(CEbGBb)だと,左手はCG右手はEbBbとしないとうまくいかない.ヴァイブではむこうにピアノの黒鍵に当たる音板,手前にピアノの白鍵に当たる音板が並んでいるため.

マレットの堅さによって音色が変わる.同じ堅さのマレットが4本そろっていないので,派手な音の2本を右手にしてみたり,その逆にしてみたり.ピアノのバックではベースと重ならないように,C7あるいはCm7のときはCは弾かないでその代わりメロディに使われているテンションを入れるべしというルールがあったなぁとも考える.コードはやめておかずをいれてみたり.ソロのときはじゃまな2本を放り出して2本でやる...
いつもはソロだけやってあとはあちこち歩き回ったりしているのだが,バックもやると忙しい.幸い雨が降ってきたので,もう止めようよと発言してしまった.

写真はわが家で.この方は初めてヴァイブに触れるくせに4本に挑戦.なかなかサマになっていたのに,すぐに飽きてピアノのほうに行ってしまった.
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