有名作品を青空朗読で初読,ではなく,初聴.
梗概*****
大谷は外で飲み歩き何日も家に帰らないことが多く借金を重ね、その妻である「私」と幼い子供に貧乏暮らしをさせていた。
彼は入り浸っている小料理屋の金を勝手に持ち出す.「私」は小料理屋で働くことになり,大谷は店に顔を出し続ける.そして私は次第に幸せを感じるようになる。
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大谷の正体が,一応の詩人・文筆家らしいことを読者は,大谷が書いた文章を掲載した電車広告を「私」が見ることで知る.文章のテーマは15世紀のフランスの詩人フランソワ・ヴィヨン.
ヴィヨンが犯罪的放蕩詩人という点で大谷と共通する.そこで作者は大谷の妻のことを「ヴィヨンの妻」に喩え,タイトルとしたらしい.
意外に明るい結末でほっとした.
ぼくの時代すでに「走れメロス」は教科書に出ていた.太宰とはああいう作風と摺り込まれたと思う.「ああいう作風」と大きく離れてはいないと思った.
カットは新潮社公式文豪グッズのひとつだそうだ.550 円!
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