畦地梅太郎「山の眼玉」ヤマケイ文庫 (山と渓谷社 2013/10).
著者 1902-1999 は山岳風景を題材とする木版画作家.トップ画像左はこの本の表紙.この髭面の山男が服装を変え,背景を変えては登場する作品群を山岳雑誌でよく目にしたが,好きではなかった.でも「写真で読む山の名著」にこの本が取り上げられていて,読みたくなった.
色刷り16ページには風景を題材にしたものが5点.右画像のタイトルは「涸沢 (涸沢の小屋)」.残念ながら残りは手を変え品を変えての山男たち.
本書の 47 編の画文の「文」のほうは,素直そのもの.串田孫一は哲学者っぽく,また 辻まこと は,ときに思想家エリートっぽさを感じさせるが,それはない.あくまで ぼくとあまり身長が違わない人による等身大の文章という感じ.宿のおかみさんが釣り銭をよこさなかった,おまけにその宿に手拭いを忘れた,などと言って うじうじしている.
取り上げられる山々も,アルプスは珍しくヒマラヤはなく,もっぱらウラヤマ (でも ないけれど).
左のようにも,本書挿画にはしばしば単純化された人体が登場する.
右は西丸震哉 (1923-2012,食生態学者 エッセイスト 探検家 登山家) の本にしばしば登場する人物の典型.ぼくは後者を見慣れていたが,よく似ているなぁ.
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