トム・ミード,中山 宥訳「死と奇術師」早川書房 (ハヤカワ・ミステリ 2023/4).
出版社による紹介*****
読者への挑戦状付きの、解決篇袋とじの本格ミステリ。
1936年、ロンドン。高名な心理学者リーズ博士が、自宅の書斎で何者かに殺されているのが発見された。現場は密室状態。凶器も見つからず、死の直前に博士を訪れた謎の男の正体もわからなかった。この不可能犯罪に、元奇術師の探偵ジョセフ・スペクターが挑む。*****
欧米のミステリには重厚長大で閉口させられることが多いが,これは薄い本でサクサクと読了し,かなり満足.
この原書 Death and theConjuror は 2022 年刊行で著者の処女長編だそうだが,(イギリスに昭和はないが) 昭和のミステリ,というより探偵小説の感じ.
出たばかりの訳本が図書館に入り,それを最初に借用したらしい.もちろん,袋とじにはすでにナイフが入っていた.
ネタばらしだが,最初の殺人現場では,偽博士と,今まで偽物を使っていたホンモノがふたりで酒を飲み交わす.おもしろおかしい.盗まれた名画が燃えてしまうのも良い.第2の殺人の物理トリックはお粗末だが,探偵小説らしくて良いかも.時代は 1936 年に設定されている.
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