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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

下方倍音 @ スティールパン

2012-08-19 08:13:08 | 新音律


これはリンボダンスのお囃子みたいなものらしいが,いかにもスティールパンらしい曲.

物体の機械的性質で決まる振動から生じる波を基本波という.音楽で使う音波では,ほとんどの場合,基本波の他に2倍波,3倍波,...などの倍音が存在する.これらの「上方倍音」の他に,1/2波,1/3波,1/4波などの「下方倍音」も存在するというが,よく分からなかった.

下は,スティールパンで半音階を弾いていただいたときのソノグラム.横軸は時間だが,この場合は基本波の周波数を対数目盛りで表示していると読み替えることができる.縦軸は周波数で,2倍波がよく見える.4倍波もまあまあ.3倍波は高音域では怪しくなるようだ.

注目したいのは,高音域で基本波の下に現れる下方倍音.とくに 1/2 の系列は比較的明確だ.



倍音列は,弦楽器・管楽器という1次元音源に固有のものであり,スティールパンの音島を周囲が固定された円形膜として解析するとベッセル関数が現れ,倍音列の解にはたどりつけない.このようなソノグラム,ということはスペクトルだが,をどうやって可能とするかは,パン製作上のノウハウだろう.

http://www.acoustics.org/press/139th/rossing.htm
によれば,スティールパンのスカート(胴体)にも島状に振動パターンが現れる.
この楽器は物理屋にはなかなか始末に負えないが,おもしろい.

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2 コメント

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Unknown (ヨッシー)
2021-04-07 17:16:12
記事の最後にあるリンクがおそらく切れていました。
(最後にl(エル)を追加しても見つかりませんでした。)
返信する
スカートの振動 (16とん)
2021-04-07 17:44:45
確かにリンク切れでした.
スカートの振動については

Thomas D. Rossing, Uwe J. Hansen, and D. Scott Hampton,
"Vibrational mode shapes in Caribbean steelpans. I. Tenor and double second"
J. Acoust. Soc. Am. 108 (2), 803, (August 2000).
https://asa.scitation.org/doi/10.1121/1.429613

に記述されています.ただしこの論文は探し出したばかりで読んでおりません,
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