【ゴーン容疑者】:妻激怒「ひどい人権侵害」浴室に係官
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ゴーン容疑者】:妻激怒「ひどい人権侵害」浴室に係官
日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)がオマーンの代理店側に日産の資金を不正送金し、約5億5000万円の損害を与えた会社法違反(特別背任)の疑いで再逮捕されて一夜明けた5日、東京地裁は容疑者の勾留を認める決定をした。決定を不服として弁護団は即日準抗告したが、棄却された。これまでの3事件では、海外などで「人質司法」批判も相次ぐ中で、最終的に保釈も認めた経緯もあり、地裁は悩ましい判断を迫られたとの声も上がった。
取材に応じる日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者の弁護団の1人、弘中惇一郎弁護士(撮影・近藤由美子)
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キャロルさんは4日の米紙ウォールストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズ電子版の取材に応じ、ゴーン容疑者が再逮捕された4日早朝、係官らがゴーン夫妻が滞在するマンションに踏み込んだ際の様子を生々しく明かした。
係官らが夫妻が滞在するマンションに到着した際、ゴーン容疑者はパジャマ姿で、ベッドの中にいた。任意同行を求められた容疑者が、本やチョコレートを持っていきたいと告げたが、認められなかったという。
また、係官らはキャロルさんの携帯電話やパスポートのほか、ゴーン容疑者が最初に逮捕された後にキャロルさんが拘置所に送った手紙まで押収。キャロルさんのすべてのクレジットカードの写真を撮影した。
キャロルさんがシャワーを浴びた際などには、女性係官が浴室に立ち入ったという。係官らに乱暴な振る舞いはなかったが、キャロルさんは「彼らは夫と私に屈辱を与えようとした」と批判。ゴーン容疑者については「うちひしがれ、怖がっていた。私のことを心配していた」と涙ながらに話した。係官の厳しい態度について「私はテロリストのように扱われた」と強い不満を示した。
キャロルさんは5日午後、ゴーン容疑者の弁護団の1人、弘中惇一郎弁護士(73)の事務所を訪れた。弘中弁護士によると、キャロルさんの携帯電話やパスポートなどは返却されず、押収されたままだという。「キャロルさんは『非常にひどい人権侵害だ』と怒っています」と話した。
ゴーン容疑者の勾留は14日までの10日間。ゴーン容疑者は全面否認している。弘中弁護士は勾留を認める決定について「残念です。裁判官がダメ。認めるのはどうかしている」と憤った。この日、午前中に容疑者と接見したが、手続きの説明をしただけで、事件の中身については話し合っていないという。様子については「特に変わったことはない」とだけ話した。
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・疑惑】 2019年04月05日 20:46:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。