【政界地獄耳・12.20】:自民もくろむ衆参ダブル選に大きなツケ
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.20】:自民もくろむ衆参ダブル選に大きなツケ
★補正予算審議などを見ていると自民党の老獪(ろうかい)さが目立つ。25年度の与党税制改正大綱には国民民主党が掲げていた178万円ではなく、与党案の123万円への引き上げになった。国民民主党代表(役職停止中)・玉木雄一郎は「3党の幹事長間の合意も、我々からしたら無視される形で大綱が決定されるというのは残念というか驚き」と同党が自民党と繰り返す「いいところまで行って、ほごにされる」がまた現実になった。野党幹部は「自民党にすり寄るから突き放される。自民党は国民民主と話を進めながら他党にも秋波を送る。相変わらず野党はお人よしだと思われる。最初から野党政権を作れば、いかようにもできたはずだ。自公国で対等だと考えるところが甘い。国民民主党は学習しない」と手厳しい。
★案の定、自公政権との対決姿勢を示したばかりの日本維新の会が補正予算に賛成。水面下で自民党と握る姿勢を示し党内にも不満が残る。ふわふわしている執行部など自民党ならひとひねりというところか。自民党の複雑な弱小野党への攻略の先にあるのは衆参ダブル選で安定多数獲得という野望だ。議席さえ増えればいい自民党の与党・政権への執念と自民党を少数与党化させたのに、野党同士が仲が悪く、立憲民主党にも野党をまとめる力がなく、自民党はそれを横目で見て国民民主を切り維新に素早く乗り換え、補正予算を乗り切った。
★与野党とも相手がどう出るか、今国会は探り合いが続いた。結果もろい野党が崩れたといえる。ただ野党も学習するはず。来年からの本予算審議は慎重かつ、野党の情報交換が緊密になれば自民党の思い通りにはならない。政倫審では裏金議員たちが満を持して「知らなかった」「秘書が」を繰り返し反省の言葉は出るものの、さして悪いとも思っていない。国民が「相変わらずだけど、まあいいか」というとでも思っているのだろうか。野党もさることながら国民をなめてはいけない。来夏に衆参ダブルをもくろめば、そのツケも大きいはずだ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年12月20日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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