路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【厚労省】:「地獄に落ちる」などの脅しや体罰で子どもに宗教強制は「虐待」Q&A形式で自治体に通知

2022-12-28 07:56:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【厚労省】:「地獄に落ちる」などの脅しや体罰で子どもに宗教強制は「虐待」Q&A形式で自治体に通知

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【厚労省】:「地獄に落ちる」などの脅しや体罰で子どもに宗教強制は「虐待」Q&A形式で自治体に通知

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題に絡み、厚生労働省は27日、宗教2世への虐待対応の留意点をQ&A形式で整理した文書を各自治体に通知した。「地獄に落ちる」などの脅しや体罰で宗教活動を強制することや、高額の寄付で生活費がなくなり子どもに適切な食事を提供しないことは虐待に当たる、といった具体例を明示した。

 文書は、基本的な考え方として、背景に宗教の信仰があっても保護者が児童虐待防止法に規定された行為をした場合、児童の安全確保のため一時保護などの措置を含めた対応をすべきだとした。

 Q&Aの例示では、身体的虐待については体罰で宗教活動を強制することや、平手でたたく、むちで打つといった行為を挙げた。心理的虐待は、言葉で恐怖をあおって活動を強いたり、特定の宗教を信仰しない人との交友や結婚を制限したりすることを示した。輸血など必要な医療行為を受けさせないことはネグレクト(育児放棄)に該当するとした。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・厚労省・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題・、宗教2世への虐待対応の留意点】  2022年12月28日  18:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【宗教2世が答えた】:「脱会届けを受理してくれない」──ステルス勧誘、脱会拒否、宗教的つきまといの実態とは

2022-12-28 07:55:10 | 【新宗教=新興宗教と呼ばれる教団は多岐にわたり、時代的には19世紀に創始さ...

【宗教2世が答えた】:「脱会届けを受理してくれない」──ステルス勧誘、脱会拒否、宗教的つきまといの実態とは

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【宗教2世が答えた】:「脱会届けを受理してくれない」──ステルス勧誘、脱会拒否、宗教的つきまといの実態とは

 ◆荻上チキ(評論家、社会調査支援機構「チキラボ」代表)

 <荻上チキ氏が代表を務める「社会調査支援機構チキラボ」が宗教2世1131名を対象に実態調査を実施した。脱会者からは、教団によるしつこい再勧誘の実態や、「脱会の手続き自体が不明」という声が数多く寄せられている>

(写真はイメージです) caracterdesign-iStock

 連日、「宗教2世」の問題が国会で取り上げられている。この問題については、野党が先んじて救済法案などを提出する一方で、与党の消極性が目立ってしまっている。

 創価学会を支持母体とする公明党はもちろんのこと、自民党もまた、複数の宗教団体から支援を受けている。与党各議員におかれては、「我が身可愛さでブレーキを踏んでいるのではないか?」という市民の疑念を払拭するためにも、問題を起こす団体と一線を画した上で、「2世の権利擁護」のためのリーダーシップを発揮することを期待したい。 

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 さて、筆者が代表を務める「社会調査支援機構チキラボ」では、宗教2世の実態調査を行なっており、1131人の有効回答を得た。本連載ではその調査から見えてきた、「あまり論点化されていない課題」を整理している。

 今回、まず問題提起したいのは、「宗教的つきまとい」である。これは、入会を断っているにも関わらず、あるいは脱会の意図を表明しているにも関わらず、しつこく勧誘・再勧誘を繰り返されることを指している。

 調査では、「現在では脱会している2世」に対して、脱会した後に経験したことについても尋ねている。その結果を分析してみると、脱会回答者の35%が、「教団や家族から何度も再入団を求められた」と答えていた。

 また、脱会回答者の22%が、「家族から脅迫・非難・暴力を受けた」と回答、11%が「教団関係者から脅迫・非難・暴力を受けた」と回答していた。

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 「宗教2世」当事者の実態調査より 提供:社会調査支援機構チキラボ

 宗教的つきまといの典型は、教団関係者からの度重なる訪問である。以下、調査に寄せられた具体例をいくつか紹介したい。
 (※具体的な記述が含まれるので、ストレスやフラッシュバックなどに注意してください)

 ●脱会・転居後も、教団の人間からの連絡や訪問が続いて、病んでしまった。

 ●しつこく再勧誘に来る信者を追い払うのが面倒だった。

 ●教団には「牧羊訪問」というものがある。教えから距離を置いた「迷える子羊を正しく群れへ戻すため」の行為。ただただ迷惑。

 ●県外に逃げても住所を記録されるので、その地域の活動家が訪問してくる。

 ●引っ越し先に地域の女子部の信者が何度も訪ねてきたため(母親が連絡したものと思います)、ずっと居留守を使いました。1年ほどで訪問は止みました。

 ●私は今は未活動ですが、信者の人が家庭訪問に来て、「あなたはご両親の信心のお陰で今は恵まれた生活をしているが、このまま未活動のままでは福運が尽きてしまうよ」と言われた。

 ●アポ無しで自宅に訪問し、何かしらの行事への参加を、こちらが折れるまでとにかくあの手この手で誘い出そうとしてきた。

 ●いま全く活動はしていないが、私の住所などの個人情報が教団に伝達されていて、いまだに信者の人に電話されたり、直接家に訪問されるのがストレス。選挙が近くなると特に。

 ◆ストーカー規制法の穴

 ●学生の頃一人暮らしをしていたのですが、その時に住んでいた地域の信者さんから連絡があり、家に来られ、会合への参加や新聞を取るように言われた。親が私の知らない間に、携帯番号や住所を教団側に教えていた。

 ●勝手に組織の支部内で情報を回して、同じ大学の人が突然新居に挨拶に来て迷惑だった。もう来ないでくれと言ったら来なくなった。組織内で勝手に住所を共有されたので今でも気持ち悪く思っています。

 ●私は家族の中で唯一、今もたった一人反対というか無関心・興味がない立場なので、非常に迷惑だ、巻き込まないでほしいと感じていましたし、終わりなき勧誘はとても重圧にストレスになっていました。とりわけ自分の頭で考えるようになってきた高校生の頃は深く絶望し、信仰を強要されることが(言葉は強くなりますが)精神的レイプだ、とすら感じていました。

 ●実際には、家出同然で逃げ出したのであり、手続きを経て「脱会した」わけではないため、私の個人データは残ったままだった。親は教団組織を駆使して、何度引っ越しても居所を突き止め、信者カードを住所地の組織へまわし、地域の信者が訪ねてきて会合参加や新聞購読を勧誘された。見も知らぬ人に名前や素性を知られていることに恐怖感を抱いた。まるで親も含め教団挙げてストーキングされている感覚だった。

 いかがだろうか。典型的なケースは、脱会の意図を伝えたにも関わらず、教団が連絡先を保持し続けているというケース。そして時には、地域や支部をまたいで、再勧誘を繰り返すというケースがある。

 家族が教団に転居先などを通達し、再勧誘を促すケースも珍しくない。また、「信者がかわるがわるやってくる」というケースも見られた。

 調査への回答にもあるように、「信教の自由」に基づいた勧誘行為も、度を過ぎれば他人に対し、生活上の不自由を与えることとなる。そのことで、精神的健康を悪化させたという者も少なくなかった。

 こうした事例の数々を見る限り、宗教法人に対しても、「脱会意図を明確化している人に対し、再勧誘するようけしかける行為」などを規制したり、他の法人と同様に個人情報保護を徹底するよう求めることも、必要となるのではないだろうか。

 なお、現行法の「ストーカー規制法」は、「宗教的つきまとい」を想定していない。ストーカー規制法において「つきまとい」とは、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、その特定の者又はその家族等に対して行うもの」とされており、「アンチ感情」「スカウト目的」などは対象外となる。

 ストーカー規制法は、その要件の狭さがかねてから問題視されているが、では「宗教的つきまとい」をどうすればいいか。規制法に盛り込むか、他の法改正や新法で対応するか。これも議会で取り上げるべき重要な論点であると考える。

 ◆「ステレス勧誘」とは何か

 続いて問題提起したいのが、「ステルス勧誘の規制」と「脱会手続きの明示義務」である。

 「ステルス勧誘の規制」は、宗教カルトなどの問題に限らず、マルチ商法やネットワークビジネスなどの「商業カルト」にもよく見られる手法である。勧誘目的であることを伏せて誘い出したり、宗教法人とは別のフロント団体を作って入会させ、頃合いを見て勧誘を行うのだ。

 ちなみに筆者も昔、都内の駅前で、何度も「手相を見せてください」と声をかけられた。一度立ち止まり、話を合わせていたら、「すごい見どころがあります!これもご縁だと思うのですが、私たちと学習するために、ビデオセンターという場所に行きませんか?」と誘われたことがある。

 当時私は、旧統一教会などの宗教右派をテーマに論文を書いていたので、「話が合う」のは当然なのだが、実際に誘われてみると、「おお、これが噂に聞いていたやつか」と強い恐怖を覚えたことを記憶している(その時は、行きたいジュンク堂が閉まるので行きません、と断った)。

 マルチ商法などについては、勧誘開始前に事業者名や勧誘目的であること等を告げることが義務付けられている。宗教の勧誘もまた、一種の「契約」に類似した行為だと考えるならば、持続的・意図的に行われるステルス勧誘についても、ルール作りが必要ではないかと考えられる。

 もちろん、ステルス勧誘時に合わせて行われがちな、「不退去」(帰ってくれない)や「退去妨害」(帰してくれない)についても、厳格な対応が必要であろう。

 ◆「脱会手続き」を明示せよ

 もう一点の「脱会手続きの明示義務」だが、当事者への調査でも、「そもそも脱会の仕方がわからない」「脱会しようとしても邪魔された」「脱会者が想定されていない」という回答が多く見られた。具体的な記述を見てみよう。

 ●脱会、というのがどういう状態を指すのか正直わかりませんでした。個人的には宗教から距離をおいていますが、脱会届など出したこともなく、わざわざ出すつもりもないので......。

 ●脱会届をなかなか事務局が受付しなかった。

 ●脱会した書類が本当に受理されたかはわからない。ただ幹部に渡すのみ。「地獄に落ちる」と罵られ続けた。

 ●自分は脱会しているつもりだが、親が勝手に会費を払い続けている。

 ●教会に脱会を告げた際、信者台帳の破棄を希望したが、神父に「前例がない」と断られた。個人情報保護法を持ち出したり、自分の身内がオウム真理教の名簿にのっていたらどう感じるかと問うたりと説得を試みたが、台帳の破棄を渋ったため、台帳に脱会した旨を明記することを提案し、先方も渋々ながら受け入れた。

 ●脱会したい旨を幹部に伝えましたが、のらりくらりでなかなか受け付けてくれず、時間がかかりました。時間が経てばあきらめると思っていたようです。父は、私と母が脱会した後も私の名前で献金していて、後で判明した時にやめてもらいました。

 ◆「脱会の仕方が分からない」

 ●脱会していないと回答しましたが、入会も生まれた時からしていたのでどうやったら正式に脱会出来るのかがわかりません。

 ●父母の離婚後、家を出て絶縁したので脱会できているかどうか定かではなく確認する事自体に恐怖を覚える。

 ●私は教団とは一切の関わりを断ちましたが、親は信仰を続けています。また、手続きの方法がわからず脱会できずにいますが、出来ることなら脱会したいです。

 多くの場合、2世が脱会を決断する行為は、フィットネスを脱会するとか、メルマガ購読の配信停止を希望するといったように、カジュアルなものでは決してない。家族や信者集団を「裏切った」という罪悪感に苛まれたり、その後の関係性を断ち切るにまで至ったりするなど、ストレスフルな体験となりうる。

 そもそも多くの教団が、教えとして「脱会」をタブー視したうえで、「脱会手続きが不透明」「強烈な反対や引き留めが予想される」という状況を維持していることも、脱会を躊躇させる要因となっている。そのため「脱会者」の中には、「形式的には脱会しないが、フェードアウトだけした」という者も多い。

 他の法人などにも求めるように、宗教法人に対しても、「脱会方法を規定する」「脱会フォームを設けるなど、分かりやすく脱会手段を伝える」「脱会届けの不受理やしつこい引き留めは禁止する」といったようなルールづくりを行うことも不可欠ではないだろうか。「自分のところはよい宗教である」という自信があれば、各団体もまた、自発的な取り組みを進めて欲しいと願っている。

 元稿:NewsWeek 日本版 主要ニュース 社会 【旧統一教会を巡る様々な問題から注目された宗教2世の問題改善に欠かせない「宗教的虐待」問題 】  2022年11月23日  12:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【宗教二世問題】:「ベルトでお尻を叩かれた」「大学進学は罪」──1131人に聞く宗教的虐待の実態

2022-12-28 07:55:00 | 【新宗教=新興宗教と呼ばれる教団は多岐にわたり、時代的には19世紀に創始さ...

【宗教二世問題】:「ベルトでお尻を叩かれた」「大学進学は罪」──1131人に聞く宗教的虐待の実態

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【宗教二世問題】:「ベルトでお尻を叩かれた」「大学進学は罪」──1131人に聞く宗教的虐待の実態

 ◆荻上チキ(評論家、社会調査支援機構「チキラボ」代表)

 <宗教的虐待とは何か。宗教2世に対する虐待行為に対処するには、教育ネグレクトや経済的虐待を含め、幅広い議論が必要になると「社会調査支援機構チキラボ」の代表・荻上チキ氏は言う。同団体が当事者1131名を対象に行った調査から、集団的な虐待推奨の実態が浮かび上がった>

 国会でのヒアリングで被害体験を話す宗教団体「エホバの証人」3世の夏野ななさん(仮名、左端)と、調査報告を行うチキラボメンバーら(写真提供:社会調査支援機構チキラボ)

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を中心に、今、さまざまな「宗教2世」当事者が声を上げている。いや、もともとあげられていた声に、世の中が耳を傾け始めている。だが、政府はどこまで、「聞く力」を持っているのだろうか。

 11月18日、政府は消費者契約法の改正案や、被害者救済法などの概要を示した。それらを見て受けた印象は、「できる限り最小の一歩しか、進めるつもりがないのか」「可能な限り骨抜きにするのだろうか」というものだった。もしかして政府は、この期に及んで、問題の根深さを直視できていないのではないか。

 例えば「寄付上限」の線引きが、「居住する建物を売却したり借金をするよう求める行為」である点は問題だ。これでは、「口座満額寄付」は「過度な献金ではない」などと解釈されうる懸念がある。

 また、マインドコントロールの問題については、概要にすら盛り込まれてすらいない。「今国会には間に合わない」という言い分が行われるのであれば、理解はできなくはない。その場合は最低限、「今国会ではこれを、次の国会ではこれをやります」というロードマップを示すことが必要となるはずだ。

 初手段階で、政府の消極性が見えてしまう状況に絶望しそうではある。だが、議論が不十分な点は他にも多くある。

 例えば、宗教的虐待について、通達のみで済ませるのではなく、児童虐待防止法に明記できないのか。旧統一教会以外にも、たとえば継続的・集団的に虐待推奨を行なってきたような宗教団体など、問題のある宗教法人はいくつかあるが、そうした団体の2世らも救済の視野に入っているのか、などだ。

 筆者が代表を務める社団法人「社会調査支援機構チキラボ」では2022年9月、宗教2世の実態調査を行った。有効回答数は、1,131名。調査内容は報告書にまとめ、ウェブ上で無償で公開している。また、11月25日には、調査のまとめも掲載された書籍『宗教2世』(太田出版)が発売となる。『宗教2世』(太田出版)が発売となる。niseibookthumbnail_obi.jpg

 調査結果については記者会見も行い、国会のヒアリングでも説明した。現在は、各党議員に、調査でわかった知見を伝える活動を行っている。

 この実態調査から分かったことは、いまメディア等で声を上げている宗教2世の体験は決して特殊なケースでもなければ、個別家庭の問題にとどまるものでもなく、多くの2世が共有しているものであるということだ。また、そこで求められている対策(虐待対策や自立支援他)は、多くの当事者が求めているものと重なっていることが確認できた。

被害者は具体的に何を求めているのか。まずはそれを可視化するため、この記事では、ラボの調査のなかで見えてきたもののうち、まだあまり論点化されていないものについて整理していこうと思う。

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宗教2世の実態調査を行った「社会調査支援機構チキラボ」代表で筆者の荻上チキ(写真提供:社会調査支援機構チキラボ)

 ◆「親子問題」では済まされない

 まず、「2世問題」の前提を確認しておくと、いわゆる「宗教2世問題」や「カルト2世問題」とされるものは、これまで問題視されてきた「親子問題(親ガチャ問題や毒親問題とされるもの)」とは、少し異なる性質を持っている。

 2世問題の場合、家族の外側に信者集団があり、さらには教団、教祖、経典などがある。たまたま、特定の親が変わった要求をしてくるというのではなく、教団や信者集団が、特定の世界観や信念を、意図的・継続的・集団的に、子ども=2世以降に伝達しようとするのである。

多くの2世(ラボ調査では9割以上の2世)が、幼い頃から、「家の宗教」を信仰することを求められる。それは大抵の場合、特定の信者ネットワークの中で育つということを意味する。そのため、親の教育方針に疑念を抱いても、「他の子は熱心に活動しているよ」「お母さんのいうことを聞かないと地獄に落ちるよ」といった仕方で、他の信者から諭されたりすることが起こり得る。

親子の外側に信者集団があり、そこにはそれぞれの「信者風土」がある。この「集団性」というのが、2世問題を根深くする一つの要因であると言える。「集団性」があるため、2世は脱会を検討する際、生まれ育ったコミュニティを裏切るような感覚を味わい、葛藤や自罰感を覚える人が少なくない。

この「集団性」や「信者風土」がややこしいのは、「教義」や「教団の方針」「開祖は会長らの思想」とは別に、独自の動きを示すことがあるということだ。例えば、教義としても、教団の方針としても、男女の区別を全面に押し出していない宗教の場合でさえ、「集会の時には、女性は長いスカートを履いてくることが望ましい」といった具合に、独自ルールを「信者風土」として共有することがある。

だからこそ宗教2世の問題を考える場合、ただ「教義」「教団」の問題に着目するだけでは不十分な点が出てくる。また、教団などが外から問題を指摘された際、「一部の信者がそのようなこと解釈を行なったにすぎない」といった仕方で、「信者風土」のせいにして責任追求を逃れるようなことも起きている。

幅広く2世被害について対応するのであれば、「教団」だけを対象にするのではなく、「集団性」「信者風土」に着目した対応も必要となるだろう。具体的には、集団的な虐待推奨行為の規制、集団的な過剰献金の推奨行為に注目し、さらには教団による監督不行き届きや是正義務についても論じる必要がある。

一般的な法人でも、社内でパワハラなどの各種ハラスメントが横行していたり、社員の不正会計などが問題視されれば、法人として調査し、時には第三者委員会を設けるなどして、再発防止策を模索する。そうした対応は、宗教法人であっても、同様に行われる必要があるだろう。

 ◆「集団的な虐待推奨行為」の規制を

 そこでまずこの記事で特に投げかけたいのは、「集団的な虐待推奨行為」への対処である。

 宗教実践の中には、あきらかに子どもに有害なものも含まれる。調査の中で目立ったのは、「エホバの証人」の2世回答者の、身体的虐待(体罰)経験率だった。調査では、エホバ2世回答者の8割以上が、家族等からの身体的虐待を経験していた。具体的にどのようなものであったのか。ここに自由記述の一部を紹介する。
(※具体的な記述が含まれるので、ストレスやフラッシュバックなどに注意してください)

 ●小さい子供の頃、集会で大人しく座っていられない等の理由で皮のベルトでお尻を叩かれた。会館と呼ばれる集会所には懲らしめの部屋があり、誰でも使える皮でできた鞭が複数置かれていた。

 ●木の棒やゴムホースでお尻を直接(何も履かない状態で)叩かれた。しょっちゅう赤いみみず腫れができていた。自分から服を脱いでお尻を出さなければならず、怖いので出せないでいると何時間も母親とにらみ合いの状態が続いた。お尻を出せるまで納戸に閉じ込められることもあった。とにかく痛くて怖くて嫌だった。

 ●集会や布教に行きたくないと言うとお尻を出して電気コードで何十回も叩かれました。皮膚がさけました。悲しくて辛くて苦しくて怖かったけど私が悪いからだと言いました。親は宗教活動をしないと本当に世界の終わりに滅ぼされると教団の教えを信じていたので、これも親の愛なんだと思うようにしむけられていました。お祭りや友達の誕生日パーティーも行きたいと言うと鞭で叩かれます。祭り事や楽しいことは全て禁止で破ったら鞭です。

 2世や脱会者へのインタビューを聞くと、信者たちはしばしば、「鞭」に代わるものの情報交換などを行なっていたようだ。そして子どもへの「鞭」を行なった親に対し、ねぎらいや励ましの言葉を掛け合うという。

 毎日新聞の取材に対し、エホバの証人の広報担当者は、「方法は各家庭で決めることだが、体罰をしていた親がいたとすれば残念なことだ。教えを強制することもしていない」と回答したという。このような回答に対し、エホバの元2世たちによるウェブコミュニティでは、憤りの声が多くあがっていた。

 虐待を推奨する行為は、エホバの証人だけではない。例えば調査には、次のような体験談も寄せられた。

 ●意に反して裸足で焚き火の上を渡らされたり、早朝に起こされ冷水を浴びせられたりした。

 ●「参加しないのは不信心だ、家がダメになる」と言って、火渡りや登山、滝行、神社への参拝などに行事に連れて行かれた。

 集団としてなされていた行為に対し、教団が「信者の暴走論」で済ませようとする動きは、これからも行われるだろう。こうした実態を考えると、「集団的な虐待推奨行為」に対する規制や、法人格としての安全配慮義務を実行させることなどが必要であると考えられる。

 また、他の犯罪であれば、教唆(そそのかすこと)や幇助(手助けすること)が罰せられることがある。筆者は、虐待についても、教唆や幇助について対応する必要があるのではないかと考える。

 これまで虐待は、家庭で独自に行われるものが想定されて議論されてきた。実際「児童虐待防止法」でも、「児童虐待とは、保護者がその監護する児童についておこなう行為」とされている。ここでは、親同士の教唆や幇助、そしてその集団への指導などは想定されてこなかった。

 宗教2世への幅広い身体的虐待が明らかになった今、「集団的な虐待推奨行為」についても、議論をすることが必要だと考える。

 ◆ネグレクト推奨行為をどうするか

 さて、「虐待」という行為は、暴力などの「身体的虐待」に限らない。心理的虐待、性的虐待、経済的虐待、そしてネグレクトなど、いくつかの種類がある。

 教団ごとの比較をした場合、「エホバの証人」の2世回答者は、他の宗教団体の回答者と比べて、最終学歴が低くなる傾向があった。自由記述を読むと、多くのエホバ2世回答者が、「進学や就職をするのではなく、宗教活動に専念すること」を推奨されてきたのが分かる。

 ●高卒以上の学歴は不要、フルタイムの仕事に就くべきではない(と言われた)。

 ●ハルマゲドンが近いのに大学に行ったり正社員で働いている場合じゃない。出来るだけ奉仕に時間をさけといわれた。

 ●高校を卒業すると大学に進学するのが罪のような言われ方だった パートや契約社員などして実家暮らしで伝道活動に時間を割きなさいの考え方だった。

 ●高等教育、特に大学進学に関しては教義によって否定されていた。また布教を第一にした生活設計をするよう組織から指導されていたので、フルタイムの正社員で働くことは信仰心が無いこと、とみなされた。基本的に非正規、パート、アルバイトが推奨されていた。(布教に一番時間が割けるので)

 宗教的虐待について議論する場合、教育ネグレクトや経済的虐待を含め、幅広い議論が必要となる。そして、これもやはり、「集団的なネグレクト推奨行為」についても、法的な、あるいは社会的な対応を考えることが必要だろう。

 ただこのとき、必ず出てくるのが「線引きが難しい」「グレーゾーンはどうするのか」という指摘だ。「親に無理やり習い事をさせられるのも虐待か?」「大学に行かずに働いてほしい、と頼むのも虐待か」といった具合に。

 線引きは難しい。それはその通りである。ただそれは、この問題に限ったことではない。そして、線引きが難しくても、できることが二つある。この二つは、他の立法においてもとられてきた手段である。

 一つは、「明らかにアウトなものから手を付けること」だ。宗教的理由であろうが、「鞭打ち」などはアウト。未成年に、火渡りや滝行などを強要することもアウト。子供の小遣いや財産を、勝手に献金するような行為はアウト。こうした、「親の信仰の自由はあれど、社会通念上、児童福祉を著しく抑圧しているとみなされる行為」から線引きをしていくことはできるはずだ。

 「線引きは難しい」と言われるとき、その多くは、いきなり「信仰の自由」と「子供の福祉」とのセンターラインを探そうとしてしまっている。それは到底不可能である。だからこそ、「ここからは明らかにアウト」という線をまずは明言すべきとなる。その後さらに、線引きのあり方を、不断に問い直すことが必要となる。

 もう一つは、「規制以外の社会的オプションを複数用意すること」だ。例えば子どもが不服に思うような行為であったとしても、一般的には「虐待」とされにくいような行為はたくさんある。そのような境界事案であっても、なにも社会的に介入できないというわけではない。

 例えば、子どもの相談に乗り、親と調整するサポートをしてくれる「子どもコミッショナー」制度。子どもが自分の意思で独立し、学費を確保できるような自立支援制度や奨学金制度。家庭以外の「第3の場所」にアクセスしやすいような地域社会づくり。さまざまなオプションによって、子どもの生存をサポートすることもできるだろう。

 他の虐待問題同様、宗教的虐待もまた、「これさえあればゼロになる」という妙案はない。被害の実態を共有したうえで、ひとつひとつ、一歩一歩、対策を進めていくこと。その歩みを止めないためにも、実態調査などで明らかとなった「2世の声」を、広く共有することが重要となるであろう。

 元稿:NewsWeek 日本版 主要ニュース 社会 【旧統一教会を巡る様々な問題から注目された宗教2世の問題改善に欠かせない「宗教的虐待」問題 】  2022年11月22日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・12.21】:平和を説く軍事大国の首相 失われた宏池会の精神

2022-12-28 07:40:10 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・12.21】:平和を説く軍事大国の首相 失われた宏池会の精神

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.21】:平和を説く軍事大国の首相 失われた宏池会の精神 

 ★政界には長年引き継がれたイメージというものがある。政界関係者はそのイメージに沿った構図で物事を測り組み立てをする。それが外れたこともないし、そのセオリーは守られ続けてきたといえる。だが昨今はその見立てが通用しないことが政界で増え始めた。その1つに自民党穏健保守、リベラルの旗を掲げる名門派閥・宏池会、つまり今の岸田派の存在がある。

 ★元首相・吉田茂の流れをくむ自民党派閥の保守本流といわれ、1957年、池田勇人が設立。大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一の元首相をはじめ、伊東正義、加藤紘一、河野洋平などのハト派・穏健派の砦(とりで)となった。また党副総裁・麻生太郎、元幹事長・谷垣禎一も宏池会から分派したが、麻生の志公会、党総務会長・遠藤利明の有隣会(谷垣グループ)などを糾合して宏池会ホールディングスなどという場合もある。加藤、元幹事長・古賀誠あたりまでは穏健保守といえたが、今では宏池会をハト派と考える者は党内にいない。また安全保障の立ち位置もタカ派志向が強く、その精神は失われているといえる。

 ★そもそも岸田は来年の広島サミットでは議長を務め、世界に向けて平和を説くのだろうが、その実態は専守防衛を捨て、世界3位となる軍事大国の首相、つまり最高司令官になる。無論これを穏健保守だとかハト派に数えることはできないが、宏池会の持つ党内での役割や立ち位置、政策的理念が岸田にあるのかどうかも疑わしい。岸田の政治的志向すらわからない。16日付の東京新聞で岸田と師弟関係にある前宏池会会長の古賀は「敵基地攻撃能力を持つミサイル(保有)すれば実質的に専守防衛という基本がなくなり、憲法9条も脅かされるのではないか」「日本の安全保障は政治や経済、国防、外交といったありとあらゆる力を結集し、軍事大国への避けるのが基本だった」と宏池会矜持(きょうじ)を見せた。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年12月21日  08:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・12.20】:中曽根止めた後藤田理論を超えられるか

2022-12-28 07:40:00 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【政界地獄耳・12.20】:中曽根止めた後藤田理論を超えられるか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・12.20】:中曽根止めた後藤田理論を超えられるか 

 ★「中曽根さんから私に、海上保安庁から武装した巡視艇、あるいは海上自衛隊の掃海艇を派遣したいという相談がありました。しかも同時に当時の外務審議官の栗山尚一君も私のところに来まして、相当強硬に、なんとしてでも自衛艦を出したい、と言ってきたことがあります。しかし私は、それは駄目だということで拒否をしたわけです。そのときに私が外務省に申し上げたのは、『どうしてもやりたいというならやってみろ、必ず止めるから』と、そこまできつく言ったんです」。

 ★「中曽根さんからのお話があったときに、私が言ったのは、ペルシャ湾はすでに交戦海域じゃありませんか、その海域へ日本が武装した艦艇を派遣して、タンカー護衛と称してわれわれの方は正当防衛だと言っても、戦闘行為が始まったときには、こちらが自衛権と言ってみても、相手にすればそれは戦争行為に日本が入ったと理解しますよ、イランかイラクどちらかがね。そうすると他国の交戦海域まで入っていって、そこで俺は自衛だと言ってみても、それは通りますか、と言った。それがひとつです。もうひとつは、『あなた、これは戦争になりますよ、国民その覚悟ができていますか、できていないんじゃありませんか、憲法上はもちろん駄目ですよ』と言った。そして、『私は賛成できません、おやめになったらどうですか』と申し上げたんです」。

 ★いささか長い引用だったが1987年(昭62)のペルシャ湾安全航行確保が問題となり首相・中曽根康弘、外務省、防衛庁、党の防衛族を巻きこんでの大論争になった第3次中曽根内閣の官房長官当時のことを98年に講談社から刊行された「情と理 後藤田正晴回顧録(下)」より抜き出した一文だ。「時代が違う」とか「今とは事情が違う」のは承知の上で、この後藤田説明を今論破できる政治家はいるだろうか。(K)※敬称略

政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年12月20日  07:29:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2022年12月26日 今日は?】:有馬記念でシンザンが優勝、史上初5冠馬に

2022-12-28 00:00:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2022年12月26日 今日は?】:有馬記念でシンザンが優勝、史上初5冠馬に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2022年12月26日 今日は?】:有馬記念でシンザンが優勝、史上初5冠馬に

 ◆12月26日=今日はどんな日

  有馬記念でシンザンが優勝、史上初5冠馬に(1965)

 

シンザン
Shinzan in Tanigawa Farm.JPG
1994年8月 谷川牧場にて

 ◆出来事

  ▼シベリア抑留者ら1025人を乗せた興安丸がソ連から最後の引き揚げ船として京都・舞鶴港に入港(1956)▼安倍晋三首相が靖国神社参拝。中韓が強く反発(2013)

 ◆誕生日

  ▼原田美枝子(58年=女優)▼石野卓球(67年=ミュージシャン)▼田畑智子(80年=女優)▼小栗旬(82年=俳優)▼城田優(85年=俳優)▼潮紗理菜(97年=日向坂46)▼小栗有以(01年=AKB48)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2022年12月26日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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