路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説①】:憲法公布の日に考える 国家の危機と「無鉄砲」

2023-11-04 07:13:50 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【社説①】:憲法公布の日に考える 国家の危機と「無鉄砲」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:憲法公布の日に考える 国家の危機と「無鉄砲」 

 来日中のロシア帝国皇太子ニコライが、警備中の巡査・津田三蔵にサーベルで切りつけられる大事件が起きました。
 
 1891(明治24)年の出来事です。現在の大津市であったので「大津事件」と呼ばれます。ニコライは頭部に傷を負いましたが、命に別状(べつじょう)はありませんでした。

 ◆戦争になるとうわさも

 でも、ロシアは列強の一つでした。後の皇帝・ニコライ二世となる人物でもありました。小国に過ぎなかった当時の日本国内には大激震が走りました。
 
 ロシア艦隊は神戸港にあり、武力報復の可能性がありました。多額の賠償金や領土割譲を求められるとも、うわさされました。
 
 明治天皇がすぐに自ら見舞いに向かったほどです。緊迫した時間が続きました。
 当時の首相は松方正義。内相や法相ら閣僚は犯人の津田を「死刑にすべし」と主張します。伊藤博文まで「戒厳令を出してでも」との考えでした。
 
 外交問題を通り越して、国家の危機そのものだったのです。
 
 でも、ニコライは死んではいません。当時の刑法では一般人に対する謀殺未遂罪が適用され、最高刑は無期徒刑(無期懲役)までです。死刑にはできないのです。
 そこで政府は皇室のための法を用いるよう圧力を加えます。天皇や皇族に危害を加えた者は死刑にできました。しかし、ニコライは皇太子とはいえ外国人です。日本の皇室に適用される法を使えるはずがありません。
 
 「大津事件」(尾佐竹猛著、岩波文庫)を読むと、「帝国の安危存亡」「国家存在せずんば法律も生命なし」などの言葉で危機が語られます。国家あってこその法であり、法に縛られて国家がなくなっていいのか-そんな議論が沸騰します。何が何でも「死刑に」が政府の考えでした。
 
 明治憲法はその2年前の89(同22)年に発布されています。欧米式の法制度を整備してきたのは明治政府自身ですし、憲法により司法権は独立しています。
 
 つまり、政府から強い圧力があっても、司法権はそれをはねつけることができます。たとえ国家の危機であったとしても…。
 
 事件から16日後に注目の判決がありました。津田三蔵に対して死刑ではなく「無期徒刑」が言い渡されました。

 ◆「三権分立」はどこに?

 大津事件は芦部信喜著「憲法」(岩波書店)にも司法権独立の侵害が問われた事件として紹介されています。裁判の問題点を指摘しつつ、「強大な政府の圧力から司法部全体の独立」を守った意義が記されています。
 
 よちよち歩きの法治国家でしたが、基本を忠実に守ったのです。
 
 司法権の独立は日本国憲法76条にも定められています。「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」という格調高い条文です。
 
 しかし、近年の裁判所は本当に独立しているのでしょうか。
 
 憲法九条の枠を超えた集団的自衛権の行使容認。それに基づく安全保障法制の違憲訴訟では、憲法判断どころか最高裁はいとも簡単に原告の訴えを一蹴しました。
 憲法53条に基づいた臨時国会召集要求に内閣が応じなくても、最高裁は不問に付しています。
 
 米軍普天間飛行場の移転に伴う沖縄・辺野古の埋め立て訴訟では、沖縄の自治も民意も踏みにじる判決でした。
 
 最大3倍超もの格差がある参院選の訴訟でも、最高裁は「合憲」にしてしまいます。
 
 元首相の国会答弁を発端にした学校法人・森友学園の公文書改ざんで、自殺した財務省職員の遺族が文書公開を求めても、裁判所は国の言い分どおり「不開示」を認めます。理不尽です。
 
 政治向きの話になると、とたんに裁判所は腰が引けてしまう印象です。こんな事例は近年、目立ちます。内閣や国会の「裁量」を重んじて、すべてがうやむやにされていないでしょうか。
 
 三権分立が溶けていくような感覚さえ持ちます。

 ◆司法こそ裁量の発揮を

 再び大津事件の話に戻してみます。作家・吉村昭氏の「ニコライ遭難」(新潮文庫)には、こんなくだりがあります。
 
 「裁判官というものは、ずいぶん無鉄砲なことをするものだね」
 伊藤博文の判決に対する率直な感想でした。「無事に終始し、国家にとって幸せだった」とも。
 
 一見「無鉄砲」と映っても、司法の毅然(きぜん)たる姿勢は世界に通じ、国家を守ります。
 
 司法には自らの「裁量」をいかんなく発揮してほしいものです。良心をもって。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月03日  07:13:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:1994年7月、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議…

2023-11-04 07:13:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【筆洗】:1994年7月、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:1994年7月、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議…

 1994年7月、パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長は反イスラエル闘争の拠点としたチュニジアからガザに帰った。和平交渉が前年「オスロ合意」に至り、ガザなどで自治が認められたためである

 ▼27年ぶりのガザ帰還後、ジャバリヤ難民キャンプの小学校で演説した。キャンプはイスラエルの部隊に投石で抵抗した87年からの蜂起「インティファーダ」発祥の地。石を持つ少年らが重装備の兵に向かう姿は世界に衝撃を与え、和平交渉につながったとされる

 ▼演説でアラファト氏は「石の子どもたち、石の英雄よ」と呼び掛け未来を語った。当時の新聞によると聴衆の数は万単位だったらしい

 ▼最近、ジャバリヤ難民キャンプをイスラエル軍が空爆した。イスラム組織ハマスの指揮官を狙ったとも報じられるが、子どもを含む多くの人が犠牲に。伝えられる阿鼻(あび)叫喚がつらい

 ▼オスロ合意後の和平交渉は頓挫し、アラファト氏も既に没した。イスラエル政界の和平重視派を倒して地歩を築いた強硬派が現首相のネタニヤフ氏で、アラファト氏や後継の交渉路線を拒んでイスラエルの存在も否定する武闘派がハマス。ガザに和平の希望があった94年の夏は遠くなった

 ▼アラファト演説時に校庭にいた少年は取材に「もう石は投げない。将来は医者になりたい」と語っていた。今の子どもたちは、どう生きるつもりだろう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2023年11月03日  06:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:政務三役辞任 無責任な人事の帰結だ

2023-11-04 07:12:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:政務三役辞任 無責任な人事の帰結だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:政務三役辞任 無責任な人事の帰結だ

 改造内閣の発足から2カ月足らず。山田太郎文部科学政務官に続き、柿沢未途(みと)法務副大臣が辞任した。岸田文雄首相が「適材適所」と繰り返してきた政務三役人事の無責任ぶりが極まった。

 柿沢氏は4月の東京都江東区長選で当選した木村弥生区長(辞職表明)の陣営に、公職選挙法で禁じられた有料のインターネット広告を出すよう提案したという。法秩序を維持すべき法務省のナンバー2が、選挙の不正に絡む問題で辞任したことは深刻だ。
 
 選挙でのネット利用に関する公選法の規定が複雑だとはいえ、法律をつくる立場の国会議員自身が違法性を認識していなかったとは言い訳にもならない。
 
 柿沢氏が現職副大臣として10月31日の参院予算委員会を欠席したことも看過できない。
 
 憲法は閣僚が国会から説明を求められた場合の出席義務を定め、副大臣もこれに準じる。辞表提出後だったにせよ、予算委からの出席要求に応じなかったのは国民に対する義務を怠ったに等しい。
 
 柿沢氏は衆院議員としての進退を自ら判断すべきだ。政府と与党が国会運営に緊張感を欠いていることも指摘せざるを得ない。
 
 山田氏は週刊文春に報じられた女性との不適切な関係を認めた。金銭の支払いは否定したが、買春を疑われる人物を教育行政の要職に就けたとは驚きだ。首相は起用の際、情報を把握していなかったのか。参院選比例代表に擁立した自民党の責任は極めて重い。
 
 首相は副大臣・政務官に当初、女性を起用しなかったことについて、閣僚や首相補佐官の人選も含めて「適材適所で老壮青、男女のバランスになった」と説明していたが、自民党執行部や各派閥の推薦をそのまま受け入れたに過ぎなかったのだろう。
 
 首相がいくら「任命責任を重く受け止めている」と述べたところで、説得力は感じられない。
 
 首相が指示した減税策には批判が相次ぎ、政務三役人事の無責任さも露呈した。国民は迷走する政権に不信感を抱き、首相の政権運営能力にも疑問を持ち始めているのではないか。首相は自らが置かれた状況を直視すべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月02日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ウクライナ支援 和平の糸口探る努力も

2023-11-04 07:12:40 | 【ロシア・北方領土・シベリア開発・サハリン石油天然ガス・ウクライナ侵攻犯罪】

【社説②】:ウクライナ支援 和平の糸口探る努力も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ウクライナ支援 和平の糸口探る努力も

 国際社会の関心がガザ危機に集まり、ウクライナでの惨事はかすんでしまった。西側諸国ではウクライナへの支援疲れも目立つ。力による現状変更をこれ以上横行させないために、国際協調のたがを締め直す必要がある。

 バイデン米大統領はイスラエルから帰国した日の夜、国民向けに演説し、ウクライナやイスラエルへの支援を一体にした1050億ドル(約16兆円)の予算措置を議会に要求した。だが、新たに下院議長に選ばれたジョンソン氏(共和党)は、イスラエル支援予算に絞って優先的に処理する意向だ。
 
 今秋の米議会は暫定予算(つなぎ予算)をめぐる共和党内の対立をきっかけに混迷し、史上初めて下院議長が解任される事態になった。暫定予算は成立したものの、トランプ前大統領を支持する共和党強硬派の反対に遭い、ウクライナ支援は除外された。このまま政権と共和党が歩み寄らないと支援予算は枯渇する。
 
 ウクライナ戦争が長期化するにつれ、米国の世論もウクライナ支援への支持が減った。特に共和党支持層の下落が顕著だ。米シンクタンクによる世論調査では、開戦当初は8割あった軍事支援への支持は5割に落ち込んだ。支援疲れに加えて、他国のことより国内問題を優先すべきだというトランプ流の米国第一主義が勢いづく。
 支援疲れと自国第一主義は欧州にも広がり、スロバキアで10月に発足した新政権はウクライナへの軍事支援を停止する方針だ。
 
 ウクライナの生命線は西側の支援である。それが途絶えれば力尽きる。プーチン・ロシア大統領が待っているのは西側の結束の乱れである。
 
 ロシアはガザ危機によって侵略戦争から世界の目をそらすことができた。もっとも、イスラム教徒が主体のダゲスタン共和国で、イスラエルのガザ攻撃に抗議する群衆が暴徒化したように、ロシア国内が不安定化する可能性もある。
 
 ウクライナが屈服する事態になれば、ロシアのまねをする国が現れかねない。支援疲れの国々も内向きになっている場合ではない。特に米国は国際秩序の担い手としての大きな責任を負っていることを自覚してほしい。
 
 国際社会はウクライナ支援を揺るぎなく続けるべきだ。それと同時に和平の糸口を見いだす外交努力も忘れてはならない。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月02日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:八五郎に鳥のツルの語源を尋ねられたご隠居さん。面白半分にこ…

2023-11-04 07:12:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【筆洗】:八五郎に鳥のツルの語源を尋ねられたご隠居さん。面白半分にこ…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:八五郎に鳥のツルの語源を尋ねられたご隠居さん。面白半分にこ…

 八五郎に鳥のツルの語源を尋ねられたご隠居さん。面白半分にこう教える。「オスのツルがツーッと飛んできて、後からメスがルーッと飛んできてツルだよ」-

 ▼落語の「つる」。ご隠居さんを信じた八五郎、仲間にこれを披露して恥をかく。「茶の湯」「千早ふる」など落語にはこの手の知ったかぶりを笑う筋立てが多い

 ▼この知ったかぶりは笑えまい。話は東京都江東区の木村弥生区長が区長選期間中、動画サイトに自分への投票を呼びかける有料広告を掲載した一件である

 ▼公選法違反容疑で捜査が入り、区長は辞意を表明したが、広告掲載を指南したのが自民党の柿沢未途衆院議員だった。知ったかぶりで違法な広告を区長やその陣営に教えたとすれば、あのご隠居も顔を赤らめる粗忽(そこつ)な指南役だろう

 ▼柿沢さんは「違法とは知らなかった」とおっしゃるが、選挙期間中にこんな広告が許されるのなら、資金力のある候補が有利となり、選挙の公平性が守れないことは考えれば分かることだろう。疑いもせず、信じた区長さんも情けないではないか

 ▼批判を受けて、柿沢さんは法務副大臣をお辞めになった。女性問題をめぐって退いた、前文科政務官に続き、これで9月の内閣改造から2人目の政務三役の辞任となる。「任命責任」という鳥がツーッ、「低支持率」という鳥がルーッと飛んできて、岸田さんの頭の上にとまる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2023年11月02日  06:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ

2023-11-04 07:11:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:金融政策再修正 物価抑制には力足りぬ 

 日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の再修正を決めた。物価上昇に拍車をかけ続ける円安の抑制を意識した措置だが、修正の規模は小幅にとどまる。物価高を封じ込めるには、力不足と指摘せざるを得ない。
 
 会合では、長期金利が1%を一定程度超えても容認することを決定した。7月の会合では、上限としていた0・5%を「めど」に変え、1%まで認める措置を取っており、今年2回目の金融引き締めに踏み切った形となる。
 
 ただ、引き締めといっても円安を抑える効果があるか否かは不透明だ。
 
 激しいインフレが続く米国では連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを継続するとの観測があり、その規模やペースも日銀の政策修正をはるかに上回る。今回程度の修正では日米の金利差は縮まらず、金利の高いドル買いがさらに進むことも想定できる。
 
 食料品の値上がりや電気・ガス料金、ガソリン代の高止まりは常態化し、家計は細る一方だ。暮らしを守るには、これ以上の円安は許されない。
 
 日米の金利差縮小に向けた金融政策の修正は「物価の番人」である日銀の責務とも言える。日銀は緩和策の修正を模索し続けることになるだろう。
 
 日銀は31日公表の「経済・物価情勢の展望」で、2023年度の消費者物価指数の上昇見通しを前年度比2・8%(7月時点2・5%)、24年度も2・8%(同1・9%)に引き上げた。消費現場の実感からはかけ離れた数字だが、日銀が物価問題に危機意識を強めていることは確認できた。
 
 長期金利の上昇は、企業の設備投資意欲の減退や住宅ローン金利の引き上げにつながる可能性も否定できないが、現在の円安は、こうした負の側面を覆い尽くすほどの水準の物価高となって、私たちの暮らしを痛め続けている。
 
 国際通貨基金(IMF)は日本の国内総生産(GDP)が23年ドイツに抜かれ4位に落ちるとの見通しを出した。アベノミクスを起点とした緩和策が過度な通貨安を引き起こし、その影響は国の衰退さえ招いたことも指摘したい。
 
 長期金利上昇は国債の利払い増加にもつながる。アベノミクス以来の国債頼みの膨張予算も金融政策変更の足かせになっていると、政府・与党は胸に刻むべきだ。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月01日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ポーランド政権 欧州右傾化止まるのか

2023-11-04 07:11:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:ポーランド政権 欧州右傾化止まるのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ポーランド政権 欧州右傾化止まるのか

 ポーランド下院選の結果、2015年以来続いてきた愛国主義を掲げる「法と正義」の政権から、自由や民主主義の重視を掲げるリベラル勢力による連立政権に交代する見通しとなった。

 今回の選挙結果は、右派が伸長してきた欧州各国の政治動向に影響を与え、右傾化に歯止めをかけることになるのか注目したい。
 
 定数460の下院選はトゥスク元首相率いる「市民連立」など野党勢力が248議席と過半数に達し、連立樹立の意向を表明。「法と正義」は194議席にとどまった。
 
 「法と正義」政権は人工中絶禁止や移民排斥、性的少数者排除など保守的な政策を進め、憲法裁判所判事、テレビ、ラジオ局トップも強権的に交代させた。
 
 隣国ウクライナ支援を巡っては、自国農家保護を優先してウクライナ農産物の受け入れに反対し、一時はウクライナに武器を送らない考えも表明した。
 
 欧州連合(EU)は非民主的な政策を続ける「法と正義」政権に警告し、補助金交付を保留するなど双方の溝が深まっていた。
 
 投票率は70%を超え、前回選挙より10ポイント以上増えた。特に大都市部での投票率が高く、保守的な政治に反発し、自由を求める若年層や女性に野党勢力への支持が広がったためとみられる。
 
 ハンガリーではオルバン首相が13年間、強権政治を続ける。イタリアでは昨年、極右政党を率いるメローニ首相が就任。9月のスロバキア総選挙でもロシア寄りの政党が第1党になった。ドイツでも極右「ドイツのための選択肢」が地方選で得票を伸ばした。
 
 トゥスク氏はEU大統領を務めたこともある。「市民連立」はEUの理念を重視し、ウクライナ支援の重要性も強調している。ロシアの侵攻を受けるウクライナを支援するためにも、EUとの協調路線に回帰するだろう。
 
 EUは自由や民主主義を重視してきた。欧州各国はこうした価値観を軸に域内の結束を強め、ウクライナやパレスチナなどでの人道危機の解決にも、主体的に取り組むべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年11月01日  07:59:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:夜寒の候に花見の話とはしまらぬが、江戸時代の川柳<花の山手…

2023-11-04 07:11:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【筆洗】:夜寒の候に花見の話とはしまらぬが、江戸時代の川柳<花の山手…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:夜寒の候に花見の話とはしまらぬが、江戸時代の川柳<花の山手…

 夜寒の候に花見の話とはしまらぬが、江戸時代の川柳<花の山手毎(てごと)に折ってしばられる>。花見客でにぎわった上野のお山での光景という。将軍家の霊廟(れいびょう)があるため、花見客はあまり勝手なふるまいもできなかった

 ▼飲めや歌えの騒ぎなどはもってのほかで、サクラの枝を折ろうものなら、見回りの山同心に川柳のように大目玉を食った

 ▼今なお上野は花見の人気スポットだが、渋谷はハロウィーンの名所になることをきっぱりと拒否したようである。区長が「渋谷に来ないで」と宣言し「ハチ公」周辺の封鎖にまで踏み切った

 ▼ハロウィーン時の大混雑、大量のごみ。一部の客の迷惑なふるまいを思えば渋谷の判断もいたしかたないところか。1年前の韓国・梨泰院でのハロウィーン雑踏事故のような悲劇が渋谷で起こらないとも限らないという心配も分かる。名所になることより街の安全と住民の安心を選んだのだろう

 ▼ハロウィーンの迷惑行為を引き起こす大きな原因はやはり路上飲酒なのだろう。お祭りムードにアルコールが加われば若者に限らず、どうしたって羽目を外しやすくなる

 ▼江戸の上野の山ではないけれど考えるべきは公共の場所での「飲む」である。海外に比べ日本では伝統的に大目に見られてきたところもあるが、見直しの時期かもしれぬ。さもなくば、渋谷は追い出されても新たな名所でまた騒ぎが起こる。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2023年11月01日  07:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年11月02日 今日は?】:阪神タイガースが西武を4勝2敗で下し、日本シリーズを初制覇

2023-11-04 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2023年11月02日 今日は?】:阪神タイガースが西武を4勝2敗で下し、日本シリーズを初制覇

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年11月02日 今日は?】:阪神タイガースが西武を4勝2敗で下し、日本シリーズを初制覇

 ◆11月2日=今日はどんな日

  ベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグらの全米選抜軍が来日(1934)

 ◆出来事

  ▼大相撲で柏戸と大鵬がそろって横綱に昇進(1961)▼阪神タイガースが西武を4勝2敗で下し、日本シリーズを初制覇(1985)

柔の大鵬(左)、剛の柏戸として人気を博した(写真/共同通信社)

 

柔の大鵬(左)、剛の柏戸として人気を博した(写真/共同通信社)

日本シリーズ4勝2敗で西武を破り、リーグ分立後初の日本一となる

 

 ◆誕生日

  ▼杉田二郎(46年=シンガー・ソングライター)▼平田満(53年=俳優)▼美木良介(57年=俳優)▼田中毅(78年=日本テレビアナウンサー)▼深田恭子(82年=女優)▼高本彩花(98年=日向坂46)▼長友彩海(00年=AKB48)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年11月02日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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