【政界地獄耳・10.26】:補選に維新がない景色 立憲と共産が「共闘」左派勢力の衰退阻止が目的か
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.26】:補選に維新がない景色 立憲と共産が「共闘」左派勢力の衰退阻止が目的か
★22日に投開票が行われた衆議院長崎4区と参議院徳島・高知選挙区の補欠選挙は、自民党が1勝、野党が1勝と分けた形となった。両党ともに2勝をもくろんでいたが、選挙後は互いにすがすがしい顔だ。自民党は2敗にならずに踏ん張った思い、立憲など野党は国会前に弾みがつく思いだろう。だが双方がこの選挙で見た別の景色に両党の思いが宿る。
★衆参いずれの補選にも1つの共通点があった。「いずれも形は自民対立憲の構図だったことだ。参院補選は野党系無所属だったが他の政党が絡まない一騎打ちだったことから、久々の“本来の景色”だったのではないか。事実、解散になれば国会内では自民と共闘を組んでいるような維新も選挙では自民攻撃に明け暮れる。この補選には維新がいない選挙という新鮮さが漂った」と両党の複数の関係者の感想だ。既に国政では自民党の右側には維新、参政党と右派政党が並ぶ。最近、日本保守党なるものもできた。左右のバランスは自民党の近くに国民民主党がいて、政党の多くが穏健から右派の保守政党だ。
★この補選の結果を受け、23日には立憲と共産が「共闘」すると言い出した。この共闘という言葉も、正しくは「連携」だという説明もあり、一体どこが合意なのか、相変わらず理屈が多い。ただ「共闘」でも「連携」でも構わないが、その在り方をこれから協議するというまどろっこしさだ。立憲は前身の民主党時代から国民の批判を正面から受けることができなくなり、批判されることに敏感すぎて、新しいことができない政党だ。これから国民民主党や連合から批判されれば、党代表・泉健太は耐えられないだろう。この程度のふわふわした合意はすぐにほごになるのではないかと心配する立憲の議員も多い。ただ国会の政党は保守系が大半で、国民の多くは穏健保守や中道リベラルとみられ、左派の勢力の衰退阻止が目的なのだろうか。それなら共産は組む相手を間違えていまいか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年10月26日 07:39:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。