路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説】:派閥の政治資金 透明化へ「ザル法」見直せ

2023-11-27 09:00:00 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【社説】:派閥の政治資金 透明化へ「ザル法」見直せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:派閥の政治資金 透明化へ「ザル法」見直せ

 訂正すればおしまい、とはいかない。ずさんな会計処理を繰り返す原因を突き止め、政治資金を透明にする仕組みを作る契機とすべきだ。  

 自民党の5派閥の政治団体が政治資金収支報告書に収入を過少記載したとする告発状を受け、東京地検特捜部が派閥の担当者らを任意で事情聴取している。  

 告発状を提出したのは大学教授で、2018~21年分の収支報告書に政治資金パーティーの収入を実際より少なく記載した政治資金規正法違反(不記載・虚偽記入)の疑いがあるという。  

 派閥の収支報告書と、パーティー券を購入した業界団体の収支報告書を照らし合わせたところ、派閥の報告書にはない20万円を超える支出が多数見つかった。記載されなかった収入の合計は約4千万円と指摘している。  

 政治資金規正法は、20万円を超えるパーティー券を購入した個人や団体の名前と金額を政治資金収支報告書に記載するよう定めている。

 少なくとも4年にわたって過少記載が続いていたとすれば継続性があり、単純ミスと説明するだけでは納得がいかない。野党が何らかの意図を疑うのは当然だろう。 

 「政治とカネ」の問題には国民の厳しい目が注がれる。自民党はもちろん、国会議員は厳しい姿勢で対処しなくてはならない。  

 ところが、自民党総裁である岸田文雄首相の国会答弁は「各政治団体がそれぞれの責任で点検し、必要な対応を行うべきだ」と素っ気ない。首相になってからも岸田派の会長を続けているのに、当事者意識が感じられない。  

 派閥の説明では、不記載は一つの団体が同じ派閥の複数の議員からパーティー券を購入した場合に発生している。議員1人からの購入額が20万円に満たないため、収支報告書から漏れていた。各派閥は収支報告書の訂正作業を終えたという。  

 パーティー券の購入額が20万円を超えないときは匿名扱いになる。政治資金収支の報告義務がない個人や企業の購入額が20万円を超えても、派閥が報告書に記載しないと実態はうかがい知れない。  

 政治資金規正法が抜け穴だらけの「ザル法」と呼ばれるゆえんだ。過去にも、裏金づくりや献金隠しが何度も明るみに出ている。  

 昨年12月には、政治資金パーティーなどの収支を報告書に少なく記載したとして、自民党を離党した元衆院議員が政治資金規正法違反の罪で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を受けた。まだ記憶に新しい事件だ。  

 首相は国会で「国民から疑念を持たれることがないよう努めたい」と語った。  

 その言葉を具体的に実践してもらいたい。政治資金の抜け穴をふさぎ、透明性を高める必要がある。与野党で政治資金規正法の改正論議を始めるべきだ。

 元稿:西日本新聞社 朝刊 主要ニュース オピニオン 【社説】  2023年11月27日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.30】:まだ続く正義に反する日々 袴田巌さんの再審始まる

2023-11-27 08:01:10 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.30】:まだ続く正義に反する日々 袴田巌さんの再審始まる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.30】:まだ続く正義に反する日々 袴田巌さんの再審始まる 

 袴田巌さん(87)の姉、ひで子さん(90)を取材して四半世紀以上になる。だが肩を震わせ、声を上ずらせた姿は、見たことがない。

 57年前の事件で死刑が確定した袴田さんの再審裁判は、静岡地裁が「袴田さんをこの状態に置くことは耐えがたいほど正義に反する」として再審開始を決定してから実に9年。先週金曜日、やっと初公判が開かれた。

 この朝、私はひで子さんが浜松から静岡に向かう同じ新幹線に乗る、新聞記者時代以来のハコ乗り取材。ひで子さんは、この日から朝日新聞が始めた巌さんから届いた2000枚の手紙を読み込んだ大型企画の第1回、「神さま。僕は犯人ではありません」の電子版をスマホで見て時折、笑みを浮かべていた。

 だが、法廷で裁判長の前に立ったひで子さんは、いまだ確定死刑囚である巌さんへの思いを募らせ、「巌に真の自由をお与えください」と訴えた。法廷を取材した記者によると、声は上ずり、肩は震えていて、その姿に弁護人席では涙を流す人もいたという。

 だけど、その後の冒頭陳述で検察は高裁から「捏造(ねつぞう)」とまで言及された証拠を、またぞろ引っ張り出す見えすいた引き延ばし作戦。来年3月27日、袴田さん釈放から10年の日に予定されていた結審は不可能になった。

 他方この日、事件についてコメントを求められた小泉法相は「現行法に不備があるとは認識していない」とした。無実の人が半世紀にわたって命を奪われる恐怖におびえた日々。だが、官僚が書いたままとはいえ、「法律に不備はない」と言い放つこの人に、果たして人の心はあるのだろうか。

耐えがたいほど正義に反する日々は、まだまだ続く。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年10月30日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.23】:遠ざけられた市民の意思は 厳戒の首相演説会場

2023-11-27 08:01:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.23】:遠ざけられた市民の意思は 厳戒の首相演説会場

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・10.23】:遠ざけられた市民の意思は 厳戒の首相演説会場 

 参院高知・徳島選挙区、衆院長崎4区の補選は、きのう結果が出た。支持率に悩む岸田政権としては必死の選挙戦。前週末には首相自ら選挙区に乗り込んだが、どの演説会場も厳戒体制を通り越して近づきがたい異様な雰囲気だったという。

 そのニュースにふれて、ひと月ほど前、北海道放送製作の「ヤジと民主主義」劇場拡大版が完成。山崎裕侍監督から「一言、コメントを」と頼まれて先行して見た映画が胸に浮かんだ。

 2019年7月、安倍首相(当時)が参院選の応援のため札幌駅前で演説した際、「安倍やめろ」「増税反対」などとヤジった男性と女性が警官に会場から引きずり出されたり、女性警官に2時間もつきまとわれた。

 2人は「表現の自由を奪われた」と道(道警)を提訴。昨年3月、1審・札幌地裁は道警の対応を「不当」としただけでなく、憲法の表現の自由にまで踏み込んで、原告全面勝訴を言い渡した。

 ところが4カ月後、安倍元首相が凶弾に倒れると、1審の裁判長や道警を批判した朝日新聞に対して「警察の手足を縛って元首相を死に追いやった」などのバッシングが一部メディアやネットにあふれ返った。

 そして安倍氏の命日が近づく今年6月の札幌高裁判決は男性逆転敗訴。女性のみ勝訴の痛み分け。とはいえ、1審完敗だった警察はこの判決で息を吹き返した。

 翻って補選の首相演説会場。広報車の周囲を金属柵で囲って、その外側を胸にシールを貼った関係者で埋め、一般市民はさらにその外。こうまで遠ざけられた市民はどうやって意思を伝えたらいいのか。私にはかえって危険な状況を作り出しているとしか思えないのだが。

 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年10月23日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2023年11月25日 今日は?】:90年九州場所千秋楽も満員御礼、全6場所すべて満員御礼は58年以来の快挙

2023-11-27 00:00:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2023年11月25日 今日は?】:90年九州場所千秋楽も満員御礼、全6場所すべて満員御礼は58年以来の快挙

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2023年11月25日 今日は?】:90年九州場所千秋楽も満員御礼、全6場所すべて満員御礼は58年以来の快挙

◆11月25日=今日はどんな日

  20歳の皇太子、裕仁親王(昭和天皇)が大正天皇の摂政に就任(1921)

大正天皇
大正天皇
1912年(大正元年)撮影
皇太子時代の裕仁親王

 ◆出来事

  ▼大リーグ不滅の56試合連続安打をマークしたジョー・ディマジオ(ヤンキース)が産声を上げる(1914)▼大相撲九州場所千秋楽も満員御礼。初場所から全6場所すべて満員御礼は、年6場所制が定着した58年以来の快挙に(1990)

 ◆誕生日

  ▼大地康雄(51年=俳優)▼寺門ジモン(62年=ダチョウ俱楽部)▼塚地武雅(71年=ドランクドラゴン)▼椎名林檎(78年=シンガー・ソングライター)▼伊藤淳史(83年=俳優)▼武藤十夢(94年=タレント)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2023年11月25日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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