【兵庫県】:おねだり斎藤元彦知事「辞職は不可避」説への抵抗と贈収賄捜査
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【兵庫県】:おねだり斎藤元彦知事「辞職は不可避」説への抵抗と贈収賄捜査
◆高級コーヒーメーカーやロードバイク
斎藤元彦兵庫県知事が職員に対するパワハラや「おねだり」に絡んだ疑惑を内部告発された問題をめぐって、県議会の百条委員会が7月19日に開かれ、「斎藤知事が特産ワインをおねだりした」とされる音声データと陳述書の内容が公開された。知事は記者団にワインの受領を認めたものの、PR目的だったとして「問題がない」との判断を示した。土俵際に追い込まれた感のある知事だが、それでも職にとどまることを選択しているように見える。一方で、県警は贈収賄に絡んだ捜査に着手していたとの情報も聞こえてきた。
内部告発を受け、斎藤知事は3月に事実無根との認識を示した。
5月に告発した県民局長に「停職3ヶ月の処分」を下し、局長は7月7日に死亡しているのが見つかった。
「斎藤知事をめぐっては高級コーヒーメーカーやロードバイク、ゴルフのアイアンセット、スポーツウェア、特産ワインなどの疑惑とパワハラが指摘されています」 と、担当記者。
◆置いておくわけにはいかないので自宅で飲んだ
今回のワインの件に関して公開された音声データによると、2022年11月、県西部で開かれた会合で特産ワインが話題にのぼり、「まだ私は飲んでいないのでぜひまた(中略)折を見てお願いします」と知事は発言している。
この後、地元の町長が県庁に出張する際にワインを届けたという。県庁自身、発言の重さを踏まえ、ワインが用意されたと語っている。
これに対して斎藤知事は記者団に、「対外的発信を応援してほしいと言われた」として、ワインを置いておくわけにはいかないので自宅で飲んだことを明かした。もっとも、「対外的発信」は現時点で行われていないという。
「百条委員会は今後、斎藤知事によるパワハラやおねだり品などの疑惑について、知事本人も含めておよそ50人に証人尋問を行って、年内をめどに調査報告書をまとめる予定です」(同)
一方で、兵庫県警は知事に絡んだ贈収賄疑惑について捜査に着手していたとされる。
◆説明できないことはしていない
「県職員の任意聴取を行ったと聞いています。ただワインなど特産品をねだって貰ったというだけでは事件化のハードルはなかなか高いのかもしれません。しかし任意聴取まで行っているということから、それなりに情報が集まっていることをうかがわせますね。連日各局のワイドショーがこの件を報じていることもあり、捜査当局には県民の大きな関心事であるとの認識があるのでしょう」(同)
今後、斎藤知事はどのように振る舞っていくつもりなのだろうか。
「本人は、“説明できないことはしていないので引き続き職責を果たして行く”という思いのようです。霞ヶ関のキャリアとして培った説明能力を活かすという思いなのでしょうかね。確かに一連のおねだりのことについてはそれで乗り越えていけるのかもしれませんが、問題は、“内部告発者が知事に追い込まれるような形で亡くなったことで、知事自身そのことを認識していないはずがないだろう”との見方が強くある点です。辞職は不可避と見られていますが、辞職することで告発者への処分が間違いだったと認めることになり、それ自体受け入れ難いのかもしれません」(同)
斎藤知事が当選したのはちょうど3年前の7月。先代の知事もまたキャリア出身で、たびたびの舌禍が問題視されていた。若きエリートである現知事は、古い体質を刷新してくれるはずとの期待を集めて当選したはずなのだが、“本性”がその時点でもう少し露見していれば県民の判断も変わったのかもしれない。
■デイリー新潮編集部
元稿:新潮社 デイリー新潮 DAILY SHINCHI 主要ニュース 社会 【疑惑・地方自治・兵庫県・斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題】 2024年07月23日 06:01:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。