路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・11.10】:裁判記録新制度/保存判断の透明性高めよ

2024-11-12 06:00:20 | 【裁判(最高裁・高裁・地裁、裁判員制度・控訴・冤罪・再審請求、刑法39条】

【社説・11.10】:裁判記録新制度/保存判断の透明性高めよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.10】:裁判記録新制度/保存判断の透明性高めよ 

 神戸連続児童殺傷事件の全記録が廃棄されていたことが判明し、2年が経過した。一連の問題を受け、最高裁は今年1月に保存制度を改め、判断に外部の意見を反映させようと常設の第三者委員会を設置した。

 その第2回会合が先月、非公開で開かれた。3月の初会合以来の開催だったが、報道機関への説明の場はなかった。

 特別保存(永久保存)に関する新規則は、第1条で事件記録を「国民共有の財産として保存し、後世に引き継いでいく」と掲げる。事件記録を永久保存するよう要望があったのに、各裁判所が認定しない判断をする場合、第三者委に意見を求めるよう義務付ける。

 一方、規則は第三者委の手続きを「公開しない」と定める。これを根拠に、第三者委は発足後一度も会見を開いていない。

 個別事件の機微に触れる内容を審議することから議事の全面公開が難しい点は理解できる。だが、第三者委は初会合から半年以上開かれず、国民は審議内容を議事要旨でしか知ることができない。これでは新制度の趣旨が生かされていないのではないか。最高裁が記録を「国民共有の財産」と認識しているのか疑問を抱かざるを得ない。

 最高裁によると、第2回会合では、裁判所が永久保存しないと判断した計8件について適否が検討されたが、審査結果については「現時点では回答できない」と明らかにしていない。 

 神戸新聞社が最高裁に対し、制度改定後、全国の裁判所に出された要望を受けて永久保存が認められた数を照会したところ、9月末までに9件の保存が決まったという。

 要望を受け保存が決まった記録と、要望があったのに認められず第三者委に意見を求めた記録は、全て東京地裁の民事事件だった。その理由は不明だ。

 各地の裁判所で重要記録が廃棄されていた。その反省と教訓を踏まえれば、今後、裁判所ごとに保存の判断に違いが出るようでは、新制度にも疑念を持たれかねない。

 第三者委は、重要記録の廃棄を防ぐ「最後の砦(とりで)」の役割を担う。可能な限り手続きの透明性を高めるなど、最高裁は制度の充実に努めるべきだ。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月10日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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