路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説①・02.09】:日米首脳会談 沖縄に危機招く追従だ

2025-02-11 04:00:30 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【社説①・02.09】:日米首脳会談 沖縄に危機招く追従だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①・02.09】:日米首脳会談 沖縄に危機招く追従だ 

 石破茂首相とトランプ米大統領の初めての会談が日本時間の8日、米首都ワシントンで行われた。安全保障分野で日米の連携を一段と強化する方向性を示す一方、対等な日米関係を持論としてきた石破氏から日米地位協定改定への言及はなかった。

 在沖米軍兵による性的暴行事件が相次いだことへの抗議申し入れもなかった。

 石破首相は対米投資額を1兆ドルに引き上げることを約束するなど、米国の立て直しを掲げたトランプ大統領の歓心を買うのに腐心する印象だけが残った。強硬なトランプ外交を前にして、米国の関与をつなぎ止めようと軍事的、経済的な貢献を率先して差し出す日本の従属性がさらに強まっているのではないか。

 対米追従の犠牲となるのは、過重な基地負担を押し付けられる沖縄だ。会談では日米の外務、防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の早期開催も確認している。新たな日米首脳による外交関係が沖縄の負担の拡大や危険の増大につながることはないのか。石破首相は直ちに玉城デニー知事と面談し、対話を始めるべきだ。

 会談で両首脳は、日米同盟を新たな高みに引き上げることを確認したという。共同声明では、防衛費総額を5年間で計約43兆円とする岸田文雄前首相時代の方針を踏襲し、2027年度以降も日本として防衛力の抜本的強化を果たすことをうたっている。

 トランプ氏が日本の防衛費のさらなる増額に向け圧力をかけるのは確実という見方があるが、物価高に見舞われる国民生活や日本経済に防衛増税を受け入れる余力はない。唯々諾々と防衛費の膨張に従うことは許されない。

 共同声明では、日米同盟の抑止力・対処力のさらなる強化として、南西諸島におけるプレゼンスの向上や実践的な訓練、演習を通じた即応性の向上などを明記した。米軍普天間飛行場の返還に伴う辺野古新基地建設を着実に実施することにも言及した。沖縄に負担を押し付ける日米両政府の既定路線に変化はない。

 県政が反対する辺野古新基地建設をはじめとする過重な米軍基地の負担に加え、自衛隊の南西シフトによる軍備増強が進む。南西諸島が米中対立の前線となり、不測の事態で戦闘が生じかねない危険性が増している。

 玉城知事は「日米の連携強化が、過重な基地負担につながることはあってはならない」とコメントし、「平和的な外交・対話が極めて重要」と指摘した。日本が米国にくみして中国との覇権争いを助長すれば、沖縄が戦争に巻き込まれるリスクは高まる。アジア・太平洋地域の分断ではなく、緊張緩和に導く日米関係でなければならない。

 トランプ氏の無軌道な言動に国際社会が動揺する今こそ、周辺地域の信頼醸成を取り持つ自立した外交が日本に求められている。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年02月09日  04:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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