【HUNTER・10.25】:【2024総選挙】:「不記載」即ち「裏金」ですが・・・
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER・10.25】:【2024総選挙】:「不記載」即ち「裏金」ですが・・・
今月27日に投開票される総選挙で、裏金問題を巡って有権者の批判を浴びる自民党が大幅に議席を減らす可能性が高まった。裏金議員を推薦した公明党も、“同じ穴のムジナ”であることがハッキリしたため、議席減が確実だ。
苦しい選挙を余儀なくされた「裏金議員」や、その応援団が口を揃えて訴えているのは「裏金ではなく不記載」という主張。政治資金収支報告書に収入としての記載がなかった――つまり政治資金規正法上の「不記載」に過ぎず、裏金ではないというわけだ。しかし、有権者が「ああ、そうですか」と納得しているわけではない。その証拠に、報道各社が行っている情勢調査の数字が、「過半数割れ」という与党に極めて厳しい結果が出ることを示唆している。
■「裏金」の定義
自民党議員の関連政治団体が政治資金収支報告書に記載していなかった――つまり「不記載」だった政治資金の額は過去5年間で6億円を超える。不記載が明らかになっているのは旧安倍派が大半で、旧二階派にも数人いる。政治資金規正法上の不記載とは収支報告書に記載されていない収入や支出があるということ。同法は、すべての収入と支出を政治資金収支報告書に記載して総務省か都道府県選挙管理委員会に届け出るよう定めており、意図的であれ単純ミスであれ、記載がないケースであれば違法性が問われるのは言うまでもない。
収支報告書に記載がない以上、その分は表に出ていないカネ=裏金化しているカネということになる。どう言い訳しようが「裏金」なのである。しかも、何に使ったのか証明できる政治家は皆無に近く、こんな連中の歳費を税金で賄っている現実に怒りを覚えない国民は少数だろう。
国会議員を養い、国会を機能させるためには年間1千億円以上のコストがかかるとされており、その他に例えば2024年度分だけでも315億3,652万5,000円の政党交付金が支給されている。原資はすべて税金だ。その上で、個々の政治家が、年間何千、何億もの政治資金を集め、一部を裏金化して使いまくっていたというのだから「税金泥棒」と非難されるのは当然だろう。
「裏金」という言葉が想起させるのは、不正を行うため表に出さずに動かす「賄賂」や「袖の下」といったカネだ。一方、何らかの理由で表に出なかったカネは言葉通りの「裏金」。ただの記載漏れで、支出目的がまともな政治活動であれば犯罪性が薄まるが、「使途不明の裏金」には危うさがつきまとう。裏金が何に使われたのか分からないまま甘い処分で幕引きを図った自民党に、国民の厳しい審判が下るのは当たり前のことだろう。
理解できないのは、「不記載があった」として党の処分を受けた議員の何割かが、厚い支持基盤によって再選されようとしているケースがあることだ。その中には、裏金数千万に加え旧統一教会との深い関係を指摘されている議員もいる。そうした政治家に一票を投じることが、いかにこの国の政治をダメにしていることか……。
■民間ではあり得ない
政治資金規正法は、『会計帳簿の備付け及び記載』という項目の中で、政治団体の会計責任者に対し、会計帳簿を備え付け、1年間に発生したすべての収入と支出、及びその年月日、相手先まで記載するよう規定(第9条)。さらに、『報告書の提出』では、一定のルールに従って、すべての収入と支出及びその年月日、相手先を政治資金収支報告書に記載し、都道府県県選管または総務省に届け出るよう定めている(第12条)。報告書の基になるのが会計帳簿で、報告書に記載がないということは、帳簿に記載がないということだ。単なるミスで多額の現金収入や支出を帳簿に記載することを怠り、そのせいで報告書への記入ができなかったなどということが起こるとは思えない。
民間企業では収入、支出に厳しいチェックが入る。サラリーマンや個人事業主の収入の大半は税務当局に把握され、納税が求められる。一方、国会議員が得る政治資金は課税対象から除外され、何に使おうと法的に咎められことはない。政治活動の自由を保障するための措置ではあろうが、そこに胡坐をかいて「裏金」を作り、税金も納めていなかったというのだから「脱税」という犯罪行為を疑われてもおかしくあるまい。
選挙戦終盤。ここでもう一度、裏金議員たちの顔ぶれを確認しておきたい。この人たちに日本の政治を委ねることができますか?
元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【政治ニュース・2024衆院選】 2024年10月25日 05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます